No.611フランス:新型コロナ感染が急増している県はどこ?
No.611フランス:新型コロナ感染が急増している県はどこ?
フランスの新型コロナウイルス感染状況についてはツイッターなどでお知らせしていますが、ひと言でいえば高止まりが続いている状況です。全国的な都市封鎖をなんとか避けたい政府は、2021年1月16日から、全国的に夕方18時から翌朝6時までの夜間外出禁止令を施行中です。
その甲斐あってか、急速な右肩上がりの感染増加は避けられているとも言えますが、減少にまではなかなか至っていません。特にいくつかの地方では、変異株を主流とする感染拡大が観察されています。
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モゼル県
ひとつはアルザス地方のモゼル県。住民10万人についての陽性者数は315.2人
と、全国平均数201.67の1.5倍以上あります。同県の県庁所在地であるメス(Metz)にいたっては2月頭に396人という高さ(bfmtv 2月2日
)を記録。ヴェラン厚生相の視察が行われ、ワクチンとテストの強化を決めました。なお、モゼル県では、南アフリカ変異株とブラジル変異株が増えています。またCovid-19入院患者平均年齢は55歳で、全国平均の65歳よりかなり若い世代に広がっていることがわかります。
アルプ・マリティム県
フランス南東部のアルプ・マリティム県の感染状況も深刻です。住民10万人についての陽性者数はなんと583.2人。繰り返しますが全国平均数は201.67人ですから、非常な高さです。県庁所在地ニース(Nice)は、2月17日に741人を記録しました(bfmtv
)。こちらではイギリス変異株が主流となっています。この事態を受け、ヴェラン厚生相は同県の海岸沿いの町について、今後2週にわたり、週末(金曜18時~月曜6時)のロックダウンを実施するなどことを、昨日2月22日発表しました。
ブーシュ・デュ・ローヌ県
また、ニースと同じプロヴァンス=アルプ=コートダジュール地方に属するブーシュ・デュ・ローヌ県(県庁所在地はマルセイユ)も、住民10万人についての陽性者数が331.6人と決して楽観視できない数値を示しており、注意が必要です。
2月のフランドル地方 © Kanmuri Yuki
ノール県
さて、ここからがフランス北部に関する話題です。実は、次に最も気になる場所はフランス北部ノール県の港町ダンケルクなのです。ノール県全体で言えば、住民10万人についての陽性者数は293.71人と、上に挙げた3県と比べれば少なく見えますが、全国平均よりは高めです。そうしてダンケルクに限って言えば、これがなんと901人という全国最高値を記録してしまいました。ダンケルクで広がっているのはイギリス変異株で、現在陽性者の80%を占めています(フランス3、2月22日
)。感染者の平均年齢も、11月と比べて7歳若いというデータが上がっています。年齢層でいえば、最も多いのが55~65歳ということ(France Info、2月22日
)。当然ながら病院状況も逼迫しており、より強い制限策を求める声が、複数の方面からも上っており、近々なんらかの政策が発表されると見られています。
このウェブサイトはフランス在住の読者も多いと思いますので、いま一番気になる地方の状況をまとめておきました。どうぞ皆様、引き続き気をつけてお過ごしください。
(冠ゆき)
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