No.612フランス:週末ロックダウンと特別警戒地域20県

公開日 : 2021年02月26日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

ダンケルクは週末ロックダウン

No.611で予告したように、フランス北部のダンケルクも感染者急増により、ニース同様今日から週末のロックダウンを行うことになりました。「ダンケルク」と書きはしましたが、厳密には範囲はもう少し大きく、周辺の自治体も合わせた57市町村で施行されます。人口でいうと25万人がその対象となっています。

フランス北部ノール県、下リンク先地図で赤く塗られている57の市町村が、今日から週末ロックダウンの対象となります。#France #Nord #Dunkerque #lockdown #weekend #coronavirus #covid19 #covid19fr https://t.co/xKgWZREYfh— 冠ゆき (@KanmuriYuki) February 26, 2021

上のツイートのリンク先にある地図で、赤く塗られた部分が週末ロックダウン施行地域です。

週末ロックダウンの内容は、金曜日18時から翌月曜朝の6時までステイホームが求められるというもの。昨年春のロックダウン時同様、食料品の買い物、医療的な必要、ペットの散歩、運動などのための外出は1時間まで認められていますが、それを書いた証明書(attestation)が必要です。証明書のひな型は、内務省のウェブサイトまたは接触アプリTous Anti Covidからアクセスできるはずですが、いま見たところでは、まだアップロードされていないようです。

20県が特別警戒対象

また上のニュースに続いて、昨日はカステックス首相からフランスの感染状況についての記者会見がありました。変異株、特にイギリス変異株の増加が著しく、1週間前には感染者の40%と言っていたのに、すでに50%まで増えているということ。イギリス変異株は感染力が従来のものより高いため、政府としてはなんとか広範囲に広がらないよう食い止めたい考えです。そこで、人口に対する感染者率の増加が加速している地域20県を警戒地域とし観察を続け、改善が見られないようならば、3月6日からロックダウンなどの規制を検討すると発表しました。

この20県というのは、下のツイートのリンク先にある地図の濃い赤の部分です。

フランス:20県を特別警戒地区に指定。感染拡大の鈍化がみられない場合、3月6日以降ロックダウンの対象に。現在感染の半数がイギリス変異株によるもの。一週間前は40%に満たなかった。 #France #coronavirus #covid19 #covid19fr #UKvariant #Castex #Castex18h https://t.co/qP38GocITj @Le_Figaro— 冠ゆき (@KanmuriYuki) February 25, 2021

県でいえば、すでに一部の市町村の週末ロックダウンが決まっているノール県とアルプ・マリティム県に加え、イル・ド・フランスの8県とウール=エ=ロワール県。北東のモゼル県とムルト=エ=モゼル県。北部のパドカレ県、ソンム県、オワーズ県。南東部のローヌ県、ブーシュ・デュ・ローヌ県、ドローム県、ヴァール県がこれにあたります。

フランスでは、人口10万人当たりの感染者数250人を警戒ラインにしていますが、上に挙げた20県のうち15県がすでにこの数値を超えています。

一方、ワクチン接種も進んでいますが、パスツール研究所が24日の発表で明言したように、ワクチン接種と感染対策は並行して行う必要があります。

緊迫した状況が続きますが、季節は間違いなく春に向かっている今日この頃。日照時間も増えています! できるだけ明るい気持ちで日々を過ごしたいものです。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。