民族衣装を着て行進!チロルの聖体行列
ゼアブス!先月5月26日はオーストリアは聖体の祝日という日で学校も会社もお休みでした。オーストリアはキリスト教関連での祝日が多いですが、その多くは特に何をするというわけでもなくただのお休み。ただ、この日はいつもと違い町や村の人達の大半が参加する聖体行列が行われます。
こちらに来て道のあちこちにキリストやマリア像が建てられていることに気が付いた人もいるかと思います。聖体行列とは、町民・村民がそれらの像一つ一つに祈りを捧げて神父さんと一緒に行進するというもの。小さな村でも祈りを捧げる像は10体近くあるので、この日は朝から行列が始まり、最後の教会での祈りが終わるのは昼近くになります。ただ歩いて祈るのではなく、大きな旗を持って行列を先導する人、キリストやマリア像を抱えながら歩く人、音楽隊、行列の開始と終了を銃を発砲して告げる人達などなかなか大変な行事なのですが、小さなお子さん含む大半の住民が民族衣装に身を包んで参加しています。この民族衣装を着て行われる行列目当てに観光客も多く訪れるほど。
そこで今回は筆者の住むスチューバイの村で行われた聖体行列の様子をご紹介します。
まず、聖体の祝日は朝がとにかく早い!早朝4時に数発の銃を発砲する音が村中に響いたかと思うと、その次は教会の鐘が1時間近くにわたって鳴り続けます。これは村の人達を起こすためだそうですが、昔からの習慣で慣れているのか下の階に住んでいる義妹や普段どんなに大きな音でも起きない主人も最初の銃の音で起床(軍隊かのような機敏さでした...笑)
教会にはこの日は赤と白、黄色と白の旗が掲げられます。
次に5時。銃と鐘の音が止まったと思ったら今度はけたたましい音楽が。この後に控えている行列のためのリハーサルなのか、これも村の人達を起こすためなのかは分かりませんが休日の早朝にこれはきつい...。
外を見ると教会だけでなく、あちこちの家でも赤と白の旗が掛けられています。
そしてだいたい7時から8時あたりになるといよいよ聖体行列開始。先頭は猟兵に扮した男性達。
旗持ち役。
その後ろには銃を持った猟兵が続きます。中には子どもの姿も。
こちらは地元消防団。消防団内に置かれている像を持って参列します。ちなみに彼らの着ている制服は古いデザインで、こうした式典などでは昔と変わらない制服で参加することになっているそうです。
彼らに導かれて現れたのは神父様。後ろには可愛い天使もいます。
行列後方では音楽隊が並び、行進している間ずっと演奏し続けます。
村の人達はその後ろからお祈りしながら行進します。女性の着るディアンドルは黒や濃い色で統一されています。
こうして見ると何だか近寄りがたい雰囲気にも見えますが、行進は誰でも近くで見学可能で服も民族衣装でなくてもお祈りに参加出来ます。たまたま行列に出会った人が途中から加わることも珍しくありません。もしチロルに来てこの行列を目にする機会がありましたらお祈りを一緒にするもよし、また興味がある方は村の人達が着ている可愛い民族衣装にも注目してみてくださいね!
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