火祭りの女王2012
バレンシア市内には400近いcomision falleraという組織が存在します。
通常は単にfalla(ファジャ)と呼ばれており、これが火祭りの正式名称Las Fallasの由来です。
このファジャは会員制になっており、年間を通して資金集めやオブジェの作成などを行います。
会員はみな自分のファジャに誇りを持っており、子供が産まれたらすぐに会員に登録する親も。
また頻繁に集まりがあるため老若男女とても仲がよく、会員になっている友人によると第2の家族だとか。
毎年3月17日と18日にはバレンシア中の会員たちがスペインで最もゴージャスな民族衣装を身にまとい、
聖母広場に向かう献花パレードがあります。見逃してはいけない火祭りシーンのひとつです。
ファジャには子供の部、成人の部があり、たいていの場合はそれぞれが1つずつのオブジェを作ります。
もちろん会員たちが手作りするわけではありません。
バレンシアには火祭りのオブジェを作成するプロのアーティストが多数存在するのです。
そして、子供の部、成人の部でそれぞれミス・ファジャ(fallera mayor)を選出します。数多くのミス達の
頂点に立つのがファジェラ・マヨール・デ・バレンシア(fallera mayor de Valencia)。火祭りの女王ですね。
これは大変栄誉なことで、また市民の関心も高く、毎年火祭りの女王が決まると地方紙の一面を大きく飾り、
地元のニュースではトップレベルで扱われます。
今年の火祭りの女王は28歳という年齢に好感が持てるサンドラ・ムニョス・ペレスさん(成人の部)と、
清らかでかわいらしいロシオ・パスクアル・カンデルちゃん(子供の部)。
お祭りの開会宣言まであと4週間もあるのに、2人とも既にあちこちに引っ張りだこです。
ここだけの話ですが、火祭りの女王ともなると高価なドレスが数着必要になり(もちろん市やスポンサーが
プレゼントしてくれますが)、何かとお金がかかるとのこと。よって有力者の子供しかなれないそうです。
そういえば、郊外の小さな町の女王に選ばれたことがある元同僚は、親が借金までして女王にしてくれたと話していたっけ・・・
筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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