【エルチェ】マイナー世界遺産・エルチェの椰子園
たとえマイナーな土地だろうが、世界遺産があれば訪ねたくなるのが世界遺産ハンター。そんな方に
紹介したいのが、バレンシア州にある世界遺産、エルチェの椰子園(※椰子で囲まれた農地のこと)です。
エルチェはアリカンテから北西に約30km離れた人口23万人ほどの中規模都市。ここには、ヨーロッパ
最大の椰子園があります。椰子園が形成されたのは、8世紀から500年以上もこの土地を支配していた
イスラム勢力によるものですが、紀元前の昔からエルチェには椰子が植えられていたそうです。
現在は約200,000本の椰子の木が生えているとか。ここの椰子の木からとれるナツメ椰子の実デーツ、
及び聖週間(セマナ・サンタ)で使われる白い椰子の枝は、スペイン全土に出回ります。
<右がナツメ椰子の実、デーツ>
市内には、Huerto de Curaと呼ばれる、約1000本の椰子を有する有料の庭園も(サイトはこちら)。
ここには幹が7本もある変わった椰子があり、19世紀末に来訪したオーストリア皇帝フランツ・
ヨーゼフ1世の皇后エリーザベトにちなみ、"皇帝の椰子"と呼ばれれています。
<左が7本の幹がある"皇帝の椰子"、右はエルチェ土産のデーツのリキュール>
なお、毎年8月に行われる「エルチェの神秘劇」は中世から続く伝統あるもので、無形文化遺産に
登録されています。中世は女性が劇に出ることが禁じられていたそうで、出演者はみな素人の男性だとか。
劇中で使われる白い椰子の枝は、もちろんエルチェ産です(^^)
【アクセス】
アリカンテから各駅の近郊線で約25分。平日の日中は、1時間に1~2本の運行。
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筆者
スペイン特派員
田川 敬子
東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。
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