スペインでもっとも人形の数が多いベレン

公開日 : 2018年12月30日
最終更新 :

クリスマスが終わると途端にお正月飾りに変わる日本とは違い、スペインではまだまだクリスマス。東方の三賢王がキリストに贈り物を持って礼拝に来たことが由来の公現祭、1月6日まで続きます。スペインの伝統では、クリスマスプレゼントは東方の三賢王が1月5日の夜に持ってきてくれるものだったのですが、最近は12月24日の夜にサンタクロースもご活躍(苦笑)クリスマス期間中に2回プレゼントをもらう子供も多いものの、わが家では伝統にのっとり東方の三賢王だけにお任せしています(^_-)-☆

クリスマスの飾りといえばツリーが思い浮かびますが、スペインで伝統的なのはベレン。これはキリストの生誕シーンを人形で模したもので、ミニサイズから等身大までサイズはさまざま。シンプルにヨハネとマリア、キリストだけのものもあれば、ベレン(スペイン語でベツレヘムの意味)というだけあって、当時のベツレヘムの町をジオラマ風に再現したものもあります。教会や広場、学校、お店のウィンドーなどあちこちで飾られるので、クリスマス時期にはベレン巡りという楽しみがあるのです。私もベレン巡りが大好きで、毎年決まったところを見て歩きます。何か月もかけてつくる細部まで凝った素晴らしいベレンからは、作り手の情熱が伝わってきます。

さて、バレンシア郊外のメリアナにはスペインでもっとも人形の数が多いベレンがあります。人間以外に鳥や動物も含め、全部で6000体もの人形がおよそ50㎡のベレンに使われているというから驚きます。

入り口から時計と反対周りにグルっと一周まわって見学するのですが、10を超える聖書のシーンが再現されています。『受胎告知』『エジプト逃避』などお馴染みのシーン以外に、『キリストの割礼』なんていうシーンもあり驚きました。カタルーニャのクリスマス文化であるカガネー(ウ〇チ人形)も飾られています。スペイン1を誇る人形数ですが、そのひとつひとつが生き生きしているばかりか、家の細部や市場の商品、動物や鳥たちまでとにかく手が込んでいることに目を見張ります。遠近法で奥行きのある空間を作り出す手法もすばらしい!!

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また、メインのベレンとは別に、壁側にバレンシアの農村風景を模したベレン(生誕シーンや聖書のシーンはなし)も飾られてるのですが、これはすごい!! 人形はバレンシアの民族衣装を着ているし、薪を炊いてパエリアを作っていたり、バレンシアの聖母デサンパラードスがまつってあったり。バレンシアっ子やバレンシア好きにはツボです。  

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<右側のバレンシアキッチンで料理をしている女性の後ろに薪で炊いているパエリアがあるのが見えますか?>

とにかく一見の価値があるベレンです。

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<何十分かに一回室内の照明が消え、生誕シーンだけがライトアップされます。>

アクセスは、バレンシアの北駅から近郊線C6の電車で3駅めのRoca Cúper(ロカ・クーペル)駅から徒歩2分。この駅にとまる電車は基本的に1時間に1本の間隔で運行しています。ベレンのお向かいにはバルとしても使えるレストランがあるので、待ち時間はここでつぶせます。昨年は日本人観光客も来て、お土産に小さなベレンを買って行かれたそうですよ。

今シーズンは1月6日までの展示となりますが、例年だいたい12月1日から1月6日なので今回は無理でもぜひ来シーズンに!! 見学は無料ですが、出口に寄付の箱があるので感動の数だけ小銭を入れてあげてくださいね。

なお、午前中の方が空いています。週末の夕方などは並ぶこともあり、私も3年前に初めて行ったときは50分も待ちました。

Bélen de Roca

住所:Calle San Isidro 43, Meliana (Valencia)

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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