夫婦別姓が当たり前でも家族の絆が強いスペイン

公開日 : 2021年11月29日
最終更新 :

先日スペイン人の友人と話していたときに、日本では夫婦は同じ姓を名乗る話をしたところ、「なぜ?」と驚かれました。日本ではずいぶん前から夫婦別姓の是非が話題になっていますね。結婚後に夫婦どちらかの姓を選ばないといけないということに対し、私も日本に住んでいる頃には何の疑問も持っていませんでした。

スペインはどうかというと、夫婦は完全別姓です。結婚しても結婚前の姓名のままです。私はスペインに移住した後に結婚しましたが、異国にいるせいかなおさら生まれたときからの姓を使い続けられることをとてもうれしく思っています。たかが姓、されど姓、なのです。

では、子供はどうなるのか? 実はスペイン人はふたつ姓を持っているのです。父親方の姓と母親方の姓です。名+第一姓+第二姓となります。

たとえば、ホセ(名)・サンチェス(第一姓)・ペレス(第二姓)さんとマリア(名)・フェルナンデス(第一姓)・モリーナ(第二姓)さんが結婚して、女の子が生まれカルメンと名づけたとします。そうすると、カルメン・サンチェス・フェルナンデスになるのです。たいてい第一姓は父親、第二姓は母親なのですが、これは届け出ることによって順序を変えることもできます。

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私の夫はスペイン人なので、子供は第二姓が私の姓のTAGAWAです。でも将来子供が親になったとき、私の孫は届け出ない限り、両親のそれぞれの祖父の姓を名乗ることになりTAGAWAは消えてしまいます。なので、「私の孫にはTAGAWA姓を名乗らせてね」と話しています(笑)

このようにスペインでは父親、母親、そして子供はそれぞれ異なった姓を名乗ることになりますが、それでも日本に比べると家族の絆はとても強固です。なので日本で夫婦別姓に反対の理由に「家族の一体感が失われる」「家族の絆が弱まる」などという意見があがっているのは、説得力に欠けると思っています。

※ 本文中に父親、母親と書きましたが、スペインでは同性婚が認められているので同性のこともあります。

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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