カナダの医療事情とアルツハイマー特効薬

公開日 : 2008年08月01日
最終更新 :
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カナダの医療技術は世界的にもトップクラスで、医療制度的にも非常にすばらしい・・・とよく言われますが、確かに、医療費を全て政府が負担してくれるという点については、一般市民にとって、とても嬉しい事なのですが、長年日本に住んでいた人たちにとっては "最悪" と思われるケースが多いようです。

まずカナダはホームドクター制を採用していて、通常自分専用のドクターが健康管理をしてくれますが、担当の医者が特別居ない場合は町の近くのクリニックに直接行く事になります。もちろん、それでも診てもらうだけなら無料です。

しかし、ホームドクター、またはクリニックのドクターはただの病気の相談役のようなもので、まず症状を見てもらい、そこで必要だと判断された場合にのみ、眼科、皮膚科、整形外科、消化器科・・・などの専門医に診てもらうための予約を取ってもらう事ができます。なので例え、自分の目が想像を絶するほど腫れていても、自分の判断では直接眼科に行けず、無駄なステップを踏まなくてはならないのです。

しかも、カナダの場合、これらのホームドクターなどの相談役の数に比べて、専門医がとても少ないため、予約を取ってから診察を受けるまでの期間、またその後の検査、それに対しての処置、それぞれの期間が、あり得ないほど長いのです。その間に死んでしまいます。チーン・・・・

更に、診察費は全て無料と書いたが、それに対して、薬は全額負担となるため、最終的に薬が必要となった場合には、高くなるケースも多い。ちなみに、先日、目がちょっと痛くなり、診断は無料だったが、目薬が $20だった・・・・。診断費無料の意味なし・・・・。

更に、更に、こちらの人は結構、emergency (緊急専用の窓口) に行きますが、医者が少ないせいで、たとえ、血を流していても、骨がはみ出ていても、意識が無くなっていても、順番待ちとなるため(もちろん例外はある)、1時間とか 2時間、その状態で待っていなくてはいけないというまさに地獄のような状態。

また、非常に身近なところで、医療ミス、判断ミスなどという言葉もよく聞くので正直医者にかかるのは、ちょっと恐いです。。。

とまぁ、医療制度が良くても、医療状態についてはあまり良くないカナダですが、実は今カナダには、世界中から期待されているお薬を開発している会社があります。無理やりフォローするわけじゃないですが・・。

その名も、Neurochem社 (今は名前が変わって Bellus 社)。

彼らは、先日(結構前だが) 日本のテレビで、アルツハイマー特効薬として紹介された Tramiprosate (トラミプロセート) と言うお薬を開発している会社。

今まで、アルツハイマーの進行を遅らせる効果があると言われ日本ではアメリカよりも、2年ほど遅れて認可された Aricept (アリセプト) というお薬は有名だが、これは所詮症状を遅らせるだけのもので、結果は変わらない。しかし、今回の Tramiprosate (トラミプロセート) は、初期のアルツハイマーの患者の進行を完全に止める効果があると言われた本当に素晴らしいお薬なのだ。

しかし、残念なことに、つい最近、北米での第3ステップ臨床試験で有効な結果を出せなかった。

「な〜〜んだ」と思った皆さん!

彼らはこれで終わりません。この Tramiprosate は、今年の終わりには別の形でみんなの前に顔を出す事になるのと、彼らはこの薬の開発で培った技術を生かし、今更なる特効薬の開発に力を注いでいます。

今後注目されるのは間違いないでしょう!

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