バンクーバーのホッケーチームがアメリカに負けて敗北大暴動

公開日 : 2011年06月18日
最終更新 :

2011年6月15日、バンクーバーの北米アイスホッケーリーグ (NHL)チームである バンクーバー・カナックス(Vancouver Canucks) が、ボストン・ブルーインズ(Boston Bruins) に、スタンレー・カップ(Stanley Cup)の決勝で0-4 で負け、優勝を目の前に盛り上がっていたファンが暴走し、ダウンタウン内で大きな暴動が起こった。

Canucks は過去 1982年、1994年と 2回、スタンレーカップの決勝に進出しているが、1982年は完全に敗北、1994年は今回と同様、トータル 4-3 の惜敗で惜しさ故の暴動が起き、今回 18年ぶりの敗北大暴動となった。

試合の日はダウンタウンにある中央図書館の周辺にいくつもの巨大スクリーンが設置、道路はもちろん閉鎖され、Canucks の Tシャツを着た人、顔や肌にペイントをした人、また、気ぐるみを着た人など、大勢の観客が集まり、スクリーンに向かって声援をあげながら応援している。

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ただ、この日の決勝戦自体は試合が始まってから Canucks が点数を入れる隙は無く、数分ごとに Bruins に点が入っていき、おそらく途中から負けを覚悟したのだろう。

喧嘩が始まったり、悪ふざけが始まったり、警察に捕まる人などが試合終了に向けて徐々に増えていった。

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そして、試合が終了して負けが確定すると、徐々に周辺は騒ぎ出し、近くからは爆発音と共に炎と黒煙が吹出しザワザワとし始めた。人が集まる方へ行ってみると、燃えているのはなんと車!何人かで車を引っくり返し、火をつけたようだ。

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その騒ぎは徐々に大きくなり、近くにあった銀行や店舗のガラスを割ったり、その割ったガラスから侵入してブランド物などの商品を盗んだり、パトカーをはじめ、駐車場に停まっている車を引っくり返し放火したり、警察に発煙筒やビンなどを投げつけるなどやりたい放題。

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最終的には出動した機動隊が催涙弾で鎮圧しながら抑えこみ、結果100人以上が逮捕され、少なくとも 12人が刃物で刺されたほか、転んだり頭を打つなど 130人以上と警官9人が負傷という世界各国のニュースになるほど大きな歴史に残る大暴動となった。

テレビや新聞では一部の人の暴動と伝えていたが、たしかに、ガラスを割ったり、放火したり、警察にぶつかっていったりという実行犯は一部だったかもしれないが、実際は回りにいた大勢の一般人も、それら実行犯に対して声援を送ったり、燃えてる車の前でポーズをとって写真を撮ったりなど、かなりの人数が暴動に参加していたというのが現実だった。

そして暴動の次の日、ガラスを割られた店舗に一時的に貼られた板には、前夜の暴動を見てショックを受けた人からのメッセージが書き寄せられていた。まるで交通事故後の現場で、亡くなった人へ花やメッセージを残すかのように・・・。

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今回暴動の中に実際にいて、暴動を起こしている人を目の辺りにしてつくづく思った。

国技とは言え、たかがスポーツの試合に負けたくらいでこんな暴動を起こし、自分の街、そして他人の物を破壊したり、それを楽しむようなファンを持ったチームに勝利はふさわしくない、また、そんなチームが優勝することは今後もあるべきではないと。

更に、既に過去に暴動の事例があり、今回も同じ状況を作り出す可能性が十分想定できていたはずなのにも関わらず、スクリーンを多数設置して道を封鎖し、大勢を集めファンに熱を与えすぎたバンクーバー市、また、暴動が起こり始めた直後の警察の少なさ、対応の遅さ、不手際さなども問題だったように思えた。

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