音楽の都でオペラ鑑賞を
ウィーンが「音楽の都」と称され始めたのは、ハプスブルク家が神聖ローマ帝国を統治していた18世紀頃からと言われます。
当時、ハプスブルク家の宮廷が置かれていたウィーンでは、数多の音楽家が王侯貴族を愉しませようと互いに腕を競い合い、しのぎを削っていました。その中で、日本でもおなじみのモーツァルトやベートーベン、ハイドンの「ウィーン古典派三大巨匠」を筆頭に、天才音楽家が続々と世に輩出されました。絶えずあらゆる街角で音楽が演奏されていた為、王侯貴族のみならず一般市民の耳も大いに肥え、都市全体の音楽レベルが否が応でも高くなったと言われています。
また「世界三大オーケストラ」の一つである「ウィーン・フィルハーモニー」や国立歌劇場(オペラ座)、ウィーン私立音楽大学やウィーン国立音楽大学といった著名な音楽学校を擁することも、ウィーンの多岐にわたる音楽活動を促進し、その「音楽の都」たる地位を確固とする要因になっています。
日本からウィーンをおとなう方には、やはりクラシック音楽鑑賞をたしなまれる方も多く含まれるのではないでしょうか。一概に「ウィーンで音楽鑑賞」といっても、屋内外オーケストラやオペラ、オペレッタ、ミュージカル等、数え上げればきりがありませんが、今回はその中でも代表的な「ウィーン国立オペラ座」(ドイツ語でシュタット・オーパー)でのオペラ鑑賞をご紹介したいと思います。
◆ウィーン国立オペラ座とは?
ウィーン国立オペラ座は、リンクとケルントナー通りの交差点に位置し、ウィーン・フィルハーモニーが母体として拠る歌劇場です。2002年には小澤征爾氏が音楽監督に就任したことで、日本での知名度もさらに高まりました。毎年9月から6月に掛けて、年間約300日間オペラとバレエを楽しむことができます。(7−8月はオペラ座はお休みなのでお気を付け下さい。その代わり、7−8月はザルツブルクで音楽祭が開かれています)
ウィーン・フィルハーモニーのコンサートのチケット入手が大変困難なのに対し、オペラ座ではお手軽にその音色が存分に楽しめます。余談ですが、著者は初めてウィーン・フィルハーモニーの演奏を耳にしたとき、あまりに「伸びやか且つ、切れのある」音色に鳥肌が立ったほどです。一生に一度は是非、生音で味わいたいオーケストラです。
◆いつ予約する?
チケットは通常、各公演日の1か月前から前売りされます。
ただ高額チケットや演目、公演日によっては例外も存在します。
◆予約方法は?
予約方法は以下がお勧めです。
オンライン予約
一番簡単なのがインターネット。日本語表示あり。ここで月毎の演目も確認できます。
http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node2/index1.php
クレジットカードで支払うと、確認メールが来るので、必ずプリントアウトして持っていきましょう。
ウィーンでは手違いも多々起こるので、証拠メール持参のうえで、公演前日までに国立劇場前売りセンター(オペラ座西隣)でチケットに引き換えた方が賢明です。
現地窓口で買う。
国立劇場前売りセンター(Bundestheaterkassen/ブンデス・テアター・カッセン、オペラ座西隣)、チケットブース(オペラ座東隣)、オペラ座館内(当日券)で直接購入できます。
高級ホテルのコンシェルジュに探してもらう。
手数料が掛りますが、良いチケットを探して貰えます。
その他、著者はまだ利用したことがないのですが、電話でのチケット予約や日本の代理店にて手数料を払って購入する方法等があります。
Tel. 0043-(0)1-5131513 (英語可、日本語は不可、現地時間の10時‐21時)
◆どの席を予約する?
とにかく良い雰囲気で、良い音楽に浸りたい方
最も音質が良く、舞台も見渡せるのが、かつて皇帝専用席だった「ミッテルロージェ」(Mittelloge)、次いで1階平土間の「パルケット」(Parkett)。せっかく日本からいらっしゃるのならば、やはり出来るだけ正面に近い良い席をお勧めします。
お手頃かつ、しっかりオペラを楽しみたい方
日程上、もしくは予算上、上記のお席が取れない場合は舞台1階上、舞台2階上のボックス席(1. Rang Loge/2. Rang Loge)やバルコニー席(Balkon)でも良いかと思われますが、是非1列目を押さえて下さい。2列目以降は、首を伸ばしても舞台が良く見えないケースが殆どです。
取り敢えずオペラの雰囲気を味わってみたい方
経験としてオペラの雰囲気をお手軽に味わってみたい方には、舞台1階上、舞台2階上のボックス席(1. Rang Loge/2. Rang Loge)やバルコニー席(Balkon)の2‐3列目、もしくは立ち見もお勧めです。立ち見席はオペラ座西側の立ち見用入り口(Stehplatz Kasse/Standing Area)で、当日の上演80分前から販売されます。お値段はそれぞれ、
・パルテッレ(1階平土間後方)4ユーロ
・バルコン(3階バルコニーの後方)3ユーロ
・ガレリー(4階天井桟敷後方)3ユーロ
◆何を着用すればいい?
男性はジャケットにネクタイ、女性はワンピースもしくはドレス着用であれば間違いはありません(立ち見席はジーンズも可)。上品な服装をしていくと係員の応対が良くなりますし、せっかくのオペラ鑑賞ですので、普段着よりはドレスアップをお勧めします。(でも行き帰りのケルントナー通りや地下鉄、カフェでスリに遭わないようご注意!)
持ち合わせがない場合には、ケルントナー通り沿いのデパートSteffel(シュテッフェル)でマックスマーラやドルチェ&ガッバーナ等の高級服飾を、自分へのお土産も兼ねて購入するか、同じくケルントナー沿いのZARAやMANGOといった大衆アパレルブランドで低価格で斬新なデザインのスーツやドレスを探してみましょう。
チケットが無事に取れ、着ていく服も決まったら、あとはオペラのストーリーをインターネットで予習して準備完了です。舞台背景や筋書きがわかると、オペラを何倍も楽しむことができるので、是非下調べしてからお出掛け下さいね!
もし事前に調べる時間がなければ、当日現地でプログラム(3.5ユーロ)を購入するのも一考。日本語でもあらすじが書かれています。
それでは音楽の都・ウィーンでのオペラ鑑賞が皆さんにとって素晴らしい思い出となりますよう・・・
国立オペラ座(Staatsoper)
住所: Opernring 2, 1010/オーパーンリンク2番、ウィーン1区
アクセス: 地下鉄1,2,4番線 カールスプラッツ駅下車
路面電車1,2,D番、シティバス3A Oper(オーパー)下車
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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