世界遺産☆ヴァッハウ渓谷

公開日 : 2010年07月07日
最終更新 :

ウィーンから車で約1~2時間西に行くと、ユネスコの世界遺産に登録されているヴァッハウ渓谷という名所があるのをご存知でしょうか?

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「ヴァッハウ渓谷」はオーストリア北部ドナウ川下流に広がり、この流域では”最も美しい”と言われる景勝地域を差します。ウィーンからは車で片道約1〜2時間と日帰りが十分に可能な距離。またこの渓谷内には西よりメルク、デュルンシュタイン、クレムスなどの小さな田舎町を始め、修道院や古城が点々とドナウ川両岸に存在するのも特徴。そのため、4月~10月間は遊覧船によるドとともにナウ川クルーズや、ワインの名産地でもあることから「ホイリゲ(地元居酒屋)ツアー」が高い人気を博しています。写真は「バロックの至宝」と称される、メルクの修道院。

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さて今回著者が訪れたのは、このヴァッハウ渓谷でも一番人気を誇る”Duernstein”(デュルンシュタイン)の街(というより村)。

ここは歩いても端から端まで10分と掛らない小さな集落です。

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村の周りはワイン用の葡萄畑でいっぱい!

これは"Gruener Veltliner"(グリューナー・ヴェルトリナー)というオーストリアを代表する品種の葡萄。

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町並みや看板、お店等が大変メルヘンチックなのに加え、青くて美しい修道院と、山頂には世界史でもお馴染のイングランド王・リチャード獅子心王(Richard the lion heart)が幽閉されていたという古城があるので有名です!(この写真の右上端にも、件の古城がちょこっと写っています)

このリチャード1世は、敵方であったアイユーブ朝の始祖・サラディーンからも「キリスト教随一の騎士」と称えられるほどの中世騎士道における英雄であり、1192年に第3回十字軍遠征からイギリスへと帰路を辿る途中、オーストリア公レオポルド5世の手により捕縛され、このデュルンシュタイン城に囚われの身となりました。彼は翌々年の1194年に保釈されたものの、イングランドは15万マルクもの大金を身代金として支払ったそうです。

これがその古城。ライオンハート、こんなところに閉じ込められていたんですね〜!捕虜とは言えど、そこは王様。周りで獲れる美味しいワインとか毎日飲んでらしたんでしょうか?(笑)山頂までは徒歩で約15分。普通の山道なので、晴れた日にスニーカーで登るのがお勧めです。

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ハイキングで疲れたら、麓のカフェでコーヒーでも飲みましょう。著者が訪れたこの"TASTE & BEAUTY"(テイスト&ビューティー)というカフェでは、自前のチョコレートをコーヒーに添えて出してくれました。チョコレートの中にはヴァッハウ産の「杏」がたっぷり!チョコレートファンならずとも病み付きになってしまいそうな美味しさです!

因みにこのヴァッハウでは、ワインと並んで名産の「杏」から作られる火酒、"Marillen Schnaps"(マリレン・シュナップス)が有名!お土産には是非これをどうぞ☆

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お腹がすいたら、近くのホイリゲ(地元の居酒屋)でお食事と地元のワインを!

一階が室内、二階がオープンエアとなっています。暖かい季節はテラス席が断然お勧め☆

著者はホイリゲも大好きですが、実はこのデュルンシュタイン近くのドナウ川河岸に新鮮な川魚を焼いて売っている屋台がありまして、いつも帰りはそこへ直行するのです。

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車を運転していると、こんな感じの小さな屋台が突如ぽつんと出現。

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お魚は好みのものを自分で選べます。モノは、多分このあたりで獲れるZander(ツァンダー)という淡水魚かと。

普段は小さいもの(といっても大きい)で1ユーロですが、この日はお天気が悪くて回転が悪かったためか、一匹2ユーロでした(笑)それでもとってもお安い値段です!

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今回ご紹介したデュルンシュタイン以外にも、メルクやクレムスと言った、それぞれに個性のある町が近くに点在していますので、ヴァッハウ渓谷を電車で訪れられる方は、是非クルージングツアーに参加されることをお勧めします。車だと運転が気になって美味しいワインも嗜めないですしね☆

クレムスまではウィーンのフランツ・ヨーゼフ駅からREX(快速)で約1時間。デュルンシュタインへは、クレムスでRという普通列車に乗り換え約10分。またメルクまではウィーン西駅(Westbahnhof/ヴェストバーンホッフ)からREX(快速)で約1時間15分です。各町に観光案内所もありますので、そちらも是非ご利用下さい。

それでは美しき青きドナウで素晴らしいひと時を!

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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