ベルヴェデーレ宮殿の接吻イベント

公開日 : 2010年07月22日
最終更新 :

嘗てウィーンをトルコ軍から救った伝説の英雄、オイゲン大公も住んだベルヴェデーレ宮殿。ここに昨日水曜の夜、3000人もの人が集まりました。

一体何故でしょう?

はてさてその真意とは、カップル同士による接吻!

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人前で接吻など日本ではとても考えられないことですが、どうやらこのイベントはレッドリボン・キャンペーンの一環だったようです。

(写真は、主に地下鉄駅構内で配布される無料紙、Wien Heute/ヴィーン・ホイテ7月22日号10頁より)

※レッドリボン:アメリカ発祥で、エイズ患者を差別したり、偏見をなくし、世界的にエイズ患者を支援する運動のシンボル。

この接吻イベントは、ベルヴェデーレ宮殿内に展示されているグスタフ・クリムトの絵画傑作「接吻」に因んだもので、先着1000名にはレッドリボン・オリジナルのタンクトップが配られたのだとか。

またこの日の午後、オーストリアの大富豪でもある厚生労働大臣のAlois Stoeger氏が、WHO(世界保健機構)のエイズ撲滅運動のために、20万ユーロ(約2240万円)の小切手を贈ったそうです。

日本でもこのような寄付・募金の習慣がもう少しできても良いのではないかと時々思います。ヨーロッパに根付いている寄付・募金の習慣はキリスト教の精神から来たものだそうで、貧しい人には持っている人が分け与える習慣があるようです。ただこの精神を逆手にとって、五体満足な状態でありながらも、自分は働かずに人から恵んでもらって生活している人がいるのも事実。寄付の習慣に限らず、福祉の富んでいる国には、残念ながら必ずこういった習慣やシステムを逆手に取る人々が少なからずいます。宗教と文化が全く違うので、単純にヨーロッパと日本の比較はできませんが、もしかすると日本の良いところは、人から施しを受けるのを潔しとしない武士道精神からなのか、地下鉄構内や街中などで物乞いを見掛けないことなのかもしれません。

しかし何れにしろ、日本の富裕層やセレブリティーはもう少し寄付活動に力を入れるともっと良いのにと個人的に思っています。

話は変わりますが、先月はベルヴェデーレ宮殿をオーストラリア出身の人気俳優、ヒュー・ジャックマンが訪れました!

新しい映画の撮影だそうで、著者もヒュー様の顔を拝みに、そしてパパラッチしに飛び出して行きたかったのですが、撮影が午前3時からという情報だったため、断念しました・・・。

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ウィーンと言えば、マリア・テレジアやマリー・アントワネットの住んだシェーンブルン宮殿が有名ですが、今回登場したベルヴェデーレ宮殿はまた一味違う趣を持っています。中心街のカールスプラッツからも徒歩20分程度と近く、何と言ってもクリムトの超大作「接吻」をはじめ、彼のコレクションは世界最大ですので、是非訪れてみて下さいね!

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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