コールド・ディナーのススメ
オーストリアには古くからの諺で、
„Frühstücke wie ein König, esse zu Mittag wie ein Edelmann und abends wie ein Bettelmann.“
「朝は王様のような朝食を、お昼は貴族の様に、夜は乞食の様に食べなさい」とういうものがあります。
オフィスワークの増加につれ、朝食はどんどん軽視される傾向に拍車が掛っていますが、日本でも昔の農耕を営んでいた時代には、お魚やご飯、お豆腐など、ヴォリューム沢山の朝食がメジャーだったことと思います。
ところがウィーンでは、未だに”夕食を簡素に冷たいものだけで”、というコールドディナーが一般家庭ではメジャーなのです!
日本人である著者からすると、夏の盛りに暑さを凌ぎ切れずに「ざるそば」だとか、「冷麺」、「冷やし中華」を食べたり、お洒落にヴィシソワーズを食するというのならば大いに納得なのですが、”一年中夜は冷たいものだけ”、という食生活は想像だにできません。
昨夜、夫の祖母の家にお夕食に招待されたので、これを機会にウィーンの一般家庭での夕食の様子を取材してみました!
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ハム・サラミ・ソーセージの盛り合わせに、チーズ、ピクルス、マスタード3種。
サラダは3色のパプリカの輪切りにチェリートマト。
パンはチーズの上に乗ったものと、こちらで一般的に食される黒パン、それにバゲット。
塩コショウも必ずテーブルに添えられます。
縺薙■繧峨鬟イ縺ソ迚ゥ縲らく驟ク豌エ縺ォ蜉て、赤ワイン・白ワインが呑まれることが一般的ですが、
おばあさん(93歳)は、赤ワインをオーストリア独特の炭酸飲料Almdudler(アルムドゥドゥラー)で割って飲んでいました。このAlmdudlerとは葡萄と林檎を混ぜたものにハーブ風味を加えたソフトドリンクで、パッケージに描かれているチロルの民族衣装を纏った男女のモティーフが印象的。夏にはこれを赤ワイン、白ワイン、ソーダ水等で割ったものが好まれます。
オーストリアの飲み物ということで、他の国ではあまり見られないかもしれないので、皆さんもレストランに入られた際には是非トライしてみて下さい!
繝代Φ縺ッ縺雁・ス縺ソ縺ォ繧医▲縺ヲ繝医繧ケ繝医@縲∽クュ縺ォ繝上Β繧㍽闖懊r謖溘s縺ァ譛に気に入ったマスタードをかけます。
これはチーズのかかったパンにポークハムとパプリカ、ピクルスを入れたもの、甘辛いマスタード添え。
今回はポークでしたが、ハムは七面鳥のこともあります。
またマスタードは涙ぐむほど辛いものから、程よく甘辛いものまで、色々な種類がスーパーマーケットで売られており、各家庭には常時2−3種類取り揃えられていることが多いです。
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著者は、最初はこのパサパサとした食感が苦手でしたが、最近では黒パンの香ばしさが病み付きに!
(でもやっぱり神戸のチーズ入りの食パンが世界一好きです 笑)
途中でおばあさんが「バターを忘れた!!!」と言って、慌てふためいて台所へ取りに行きました。
彼女曰く「バターは食卓で一番大切なもの」なのだそうです。
夫から事情を説明されてわかったのですが、戦時中はバターが大変な高級品であったため、未だにこの世代の人は食卓にふんだんなお食事とバターが乗っていることが贅沢の証、そしてそれをたっぷりとオファーできるのが誇りなのだとか。
因みに、このおばあさんのお父さんは当時フランツ・ヨーゼフの軍隊におり、おばあさんがまだお腹の中にいるときに戦死したそうです。
縺昴@縺ヲ譛にウィーンではお約束のデザート、アイスクリームの登場です♪
おばあさんは毎回違うフレーバーを用意してくれるのですが、この日は「アマレット・チェリー」と「ウォールナッツ」の2種。フレーバーこそ毎回違うものの、ウェハースを添えるのと、上からチェリー・リキュールをなみなみと注ぐのは不変です。日本でおばあさん世代がワインを飲んだり、アイスクリームにリキュールをがっつりと注ぐ行為は終ぞ見たことがなかったので、最初はかなりの衝撃を受けました。でもこちらでは普通なんですね(笑)
日本とはかなり風情を異にするウィーンの夕食風景。
日本にお住まいの皆様も、「へぇ、ウィーンはこんなに違うんだ〜!」とお楽しみ頂けましたら幸いです☆
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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