奇想天外!フンダート・ヴァッサーのデザイン建築
日本でも、大阪の"ごみ焼却所"が有名なウィーン出身の奇才建築家、フンダート・ヴァッサー(和号:百水)。
この度著者は、ウィーンに存在する彼のこの上なく大胆な三大建築のうちの二つ、「フンダートヴァッサーハウス」と「クンストハウスウィーン」を見学して参りました!
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まずフンダートヴァッサーについて簡単に説明しておきますと、彼の本名はFriedrich Stowasser(フリードリヒ・シュトーヴァッサー)、もしくはFriedensreich Hundertwasser(フリーデンスライヒ・フンダートヴァッサー)で、フリーデンスライヒは直訳で「平和に満ちた」、フンダートヴァッサーは「百の水」となることから、彼の日本での雅号は「百水」とされています。
フンダートヴァッサーは1928年にウィーンで誕生。母親がユダヤ系チェコ人であったことから、少年時代(第二次世界大戦時)はユダヤ人街の地下室で暮らすという、暗い過去もあったようです。
大戦後、以前このブログでも紹介した画家、Rudolf von Altもかつて学んだ"Akademie der bildenden kuenste Wien(ウィーン美術アカデミー)"に通い始め、この時期に「フンダートヴァッサー」の雅号を用い始めます。途中で学業を断念して後、フンダートヴァッサーはイタリア各地をはじめ、パリ、モロッコ、チュニジア、シチリアなどを旅してまわり、特に北アフリカの赤土を塗った伝統家屋や自然共存の生き方に強い影響を受けました。
その後、ウィーンに戻ったフンダートヴァッサーは、大戦後の建設ラッシュにおける、「灰色」、「無機質」、「直線的」な建築に違和感を覚え、「自然界に直線は存在しない」、「直線は悪魔の道具である」と直線を批判・拒絶すると同時に、螺旋形には魅了されて行きました。
またフンダートヴァッサーはエコロジーにも非常に敏感であったため、ウィーンや大阪のごみ処理場建設を担当したり、彼の建造物の屋根には必ず植物が植えられる等、先進的・革新的なアイディア持ち主としても有名でした。
さて、この様な経緯を経て建てられた、彼の有名な建築物が以下です!
◆フンダートヴァッサーハウス(ウィーン3区)
現在もウィーン市民が居住しているため、内部見学は残念ながら不可となっています。
◆Kunsthaus Wien(クンストハウス・ウィーン)
この建物は当初、フンダートヴァッサーによりデザインされた市営アパートであったものの、1986年、彼自身の提案と、銀行BAWAKのスポンサーシップにより、1991年新たに美術館としてオープン。
ウィンターガーデンや併設のカフェ、階段やトイレ、どれ一つとっても人を飽きさせることのない創意工夫溢れるデザイン!
ウィンターガーデンにも奇異な形のカボチャがごろごろと飾られていましたが、この絵も良く見るとカボチャのモティーフが!きっとフンダートヴァッサーはカボチャが好きだったんですね。
絨毯の下端から、手のシルエットがにょっきりと突き出ており、ここでも直線の否定がなされると同時に、ナチ占領下であった彼の青春時代の恐怖体験を表現しているのかもしれません。
意外なことに、セネガルや国連の切手も手掛けていたようです!
こんな切手を貼られたポストカードを受け取ると、何だか幸せな気分になれそうですね。
◆お土産コーナー
折角の美しいフンダートヴァッサーの思い出をお家に持って帰りたい!
でも、あれれ?自分のカメラで撮った写真は何か違う・・・。
そんな方は、プロのカメラマンが撮った、華麗で鮮やかなフォトカレンダーをお土産にしましょう。
でもよくみると、写真とカレンダー部分の上下が逆さまです。これもフンダートヴァッサーのお愛嬌ということで・・・(笑)
今回紹介したフンダートヴァッサーハウスとクンストハウス・ウィーンの詳細は以下です。
ウィーンにお越しの方は、是非お見逃しなく!
Hundertwasserhaus/フンダートヴァッサーハウス
住所: Kegelgasse 36-38, 1030, Wien/ケーゲルガッセ36~38番、ウィーン3区
最寄り駅:路面電車1番、Hetzgasse下車
Kunsthaus Wien/クンストハウス・ウィーン
住所: Untere Weissgerberstrasse 13, 1030, Wien/ウンテレ・ヴァイスゲアバーシュトラッセ13番、ウィーン3区
最寄り駅: 路面電車1番、Radetzkyplatz下車
電話: (0)1 7120495
開館時間: 毎日10:00-19:00
入館料金: 9ユーロ
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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