へんてこ兜満載!の武器庫博物館 2
昨日の「鎧ファン熱狂!の武器庫博物館 1」に引き続き、本日もウィーン1区の新王宮内にあるHofjagt und Ruestkammer(狩猟の館と武器庫)博物館を紹介していきたいと思います。
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記事に取り掛かる前に一つお詫びが。
雄羊が互いに角を絡み合わせて戦う様は非常に雄々しく激烈なことから、このモティーフを好んだ武将も多いのだとか。
日本で「羊さん」というと、ひ弱で可愛らしいイメージが先行すると思うのですが、著者もすっかり騙されていましたよ・・・。
ひょっとして、飾りの3本の赤いバラには「血と情熱」、上の草臥れたガーゼにですら「長生き、七転び八起き」といった意味合いが含まれていないとも限りません。
でも嫌ですよね、こんなモティーフ盛りだくさんの相手が向こうから疾駆してきたら。ぶつかりの瞬間に吹き出してしまい、気合いが削がれてしまうというものです。むしろそれこそがこの男性の目論見なのかも知れませんが。
とにかく、この騎士には大変失礼なことをいたしました!
ということで、キモカワという見解は謹んで取り消させて頂きます。
◆歩兵用の甲冑
昨日紹介したものは、馬上槍試合用の甲冑でしたが、今度は歩兵用のものです。
皆さん、違いに気付かれましたでしょうか?
①兜に穿たれた無数の穴
そう!歩兵用の兜には良好な視界を保つため、そして呼吸を和らげるために、沢山の穴が穿たれているのです!
つまり歩兵は、可能な限り幅広く良好な視界と、多くの酸素を取り入れるための空気孔が必要だったわけです。
②厳重に保護された腰回り
因みに右写真は、腰回りの軽快な騎乗用の甲冑ですね。
ハプスブルク家のゴージャス甲冑
こちらは皇帝の甲冑でこそなかったものの、王族・貴族などハプスブルク家に縁のあった身分の高い騎士の鎧です。
馬の腰の部分に、「赤‐白‐赤」の国旗とハプスブルク家の紋章である双頭鷲が飾られています。
これは実際に戦闘に加わるための実用的な鎧ではなく、後ろで見守る身分の高い人のために作られた、飾りの意味合いが強い甲冑です。
踵の拍車も見逃せません!
それにしてもお馬さんはたまったものではありませんね。自身の鎧ですら相当な重さなのに、更に全身金属で固めた御主人を乗せて走るのですから。余談ですが、ウィーン名物のフィアッカー(馬車)のお馬さんも、一部のウィーン市民からは「可哀想だ」と同情されているようです。
◆遂に登場!へんてこ兜オンパレード
これだけでも十分に異様なのですが、兜の顔部分がまたスゴイことになっています!
この鳥顔はヴェネチアの仮面カーニヴァルやマスカレード(仮面舞踏会)の方がお似合いなのではないでしょうか?思わず首を傾げてしまいます。
まだまだ・・・
続出です、へんてこ顔の兜の群!!!
前出の鳥顔がまだ不気味なおどろおどろしさを醸し出していたのに対し、こちらは既にほのぼのしてしまっています!生死をかけた戦場において、人生最期の顔が果たしてこれで良いのでしょうか?緊張感を欠くのでは???
著者は大きな疑問を感じますが、昨日の"キモカワ"改め"雄羊の兜"のように、「実はこんな深い意味があった!」という大どんでん返しが待っている可能性も否めません。
ということで、敢えて誹謗中傷の類は控えさせて頂きますね(笑)
武器庫博物館も奥に行くにしたがい、段々ギャグの要素を強めているようで、若干不安に駆られますが、あともう一息!
次回はいよいよ武器の紹介に入っていきたいと思います。 <続>
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筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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