鎧ファン熱狂!の武器庫博物館 1
整然と並んだ数々の武器と鎧の圧倒感をお伝えしたかったのですが、何分写真撮影禁止の厳然たる博物館でしたので、あの鬼気迫るコレクションの臨場感を読者の皆さんとどう共有したものかと・・・。
すっと頭を悩ませ続けていました。
ところが何と、先日ウィーンでも同様の博物館を発見してしまいました!
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その博物館の名前は、"Hofjagd und Ruestkammer"(狩猟の館と武器庫)。
場所はHofburg(王宮)横にあるNeue Burg(新王宮)内で、1枚のチケット(大人12ユーロ)で併設のSammlung alter Muskinstrumente(古楽器コレクション)とEphesosmuseum(エフェソス美術館)も同時に見学することができます。
飛び抜けるように高い天井に、美しく施された壁の装飾の数々、シャンデリア等を愛でながら、王族になった気分で歩を進めてみましょう。
◆トーナメント(馬上槍試合)用の鎧
長い階段の上で、「ようこそ!」とばかりに待ち受けていたのがこの騎士!
これは典型的なトーナメント(馬上槍試合)用の鎧で、賑やかな装束と驚くほど長い槍、衝撃軽減・保身用の丸々としたクッションを首に付けたお馬さんが特徴です。
ロビンマスクさながらの甲冑姿のお兄さんがずらりと並んでいらっしゃいますが、
ち、ち・・・小さい!!!
噂には聞いていましたが、昔の男性はとっても背が低かったのですね!
現代日本人女性の平均身長並みです。
ヴェルサイユ宮殿やシェーンブルン宮殿に展示されている当時のベッドを見ても、如何に昔の人間が小さかったか垣間見ることができますが、こうして改めて実寸の鎧と御対面してみると、更に理解が深まります。
(あ、でも中世の貴族は夜半も臨戦態勢でいるため、武器を抱えてベッドに座って寝ていたんでしたっけ?飽食の結果、胃が圧迫されるため、上半身を起して寝ていたという話も聞いたことがありますが、それにしても現代のベッドと比べると格段にスモール・サイズです)
◆Lance Rest(ランス・レスト/槍置き)
こちらもトーナメント用の鎧。
右腕にご注目頂くとよくわかるかと思いますが、右腕が曲げられたまま固定されています。
また漏斗型の部分や、後ろに伸びたネジのようなものは、長い長い槍を固定するための器具、重い槍に対する思い遣りです。
トーナメント中に図らずも槍を落としてしまうと、その瞬間に敗北が決定してしまいますし、それ以外にも、正面から猛然と突っ込んで来る相手に対し、揺れる馬上で常に正眼に構えていられるようにとの目的もありました。
◆馬上槍試合の様子
さてこちらが馬上槍試合(一騎打ち)の様子。
互いに遠方から駆け寄り、馳せ違うので、これはぶつかる寸前の正念場、非常に緊迫した状況だと思われます。
ゴールドのヒツジさんの巻き巻き角に、バラの花三輪、極めつけに薄汚れたガーゼが上にだらりと掛けられています。
大の大人の男性がこのような代物をこれ見よがしに兜に付けるのは、イケているのかイケていないのか、格好いいのかダサいのか、可愛いのか気持ち悪いのか・・・。
判断に苦しむので、キモカワと言う見解で臨みたいと思います。
記事が長くなりそうなので、2-3回に分けて掲載しますね! <続>
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筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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