オーストリア名物、ガチョウ料理に初挑戦!

公開日 : 2010年11月29日
最終更新 :

11月11日は「聖マルティンの日」と呼ばれ、この日を中心としてオーストリアでは11月にガチョウ料理を食べる習慣があります。

ガチョウは得てして"脂っぽい!"との話を聞いていたので、著者は今まで食べてみたことがなかったのですが、今年遂に初挑戦してみました!

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そもそも"聖マルティン"とは4世紀に生きた、元ローマ兵にして、後に司教となった人物。最も有名な伝説としては、

「ある雪の夜、Samarobriva(サマロブリーバ)という町の城門にて、他の兵たちと駐屯していたところ、襤褸を着た一人の乞食に出会う。彼は自分の軍服の外套を2つに裂き、半分を乞食に与えた。その夜夢の中で、乞食に与えた半分の外套をイエズス・キリストが身に纏いながら、天使たちに『このマルティンというローマ兵はまだ洗礼を受けていない。彼は私を(布で)覆ってくれた』と言った」

というもので、このエピソードから彼が慈悲深い人物であることが窺われます。

また、司教になることを拒んだマルティンがガチョウ小屋に隠れたこと、ガチョウが大声で喚いたためにマルティンが見つかってしまったこと、司教に就いた際の祝宴でガチョウ料理が出たことなどから、彼が弔われた日(11月11日)にガチョウ料理を食べるようになったのだとか。

Amons内装-a.jpg

金曜の夜だったせいか、夕方の5時半に行ったのに既にほぼ満席!

何とかバーコーナーに一席見付けて貰い、席につきました。

メニューを開くと、いつものトップにある"季節限定のスペシャル・メニュー・コーナー"には見開きでガチョウ料理がぎっしりと書かれていました。

 ・ガチョウ胸肉の燻製カルパッチョ

 ・ガチョウのレバー団子とカボチャの種の荒挽きのグリル

 ・ガチョウの特製クリームスープ

 ・ガチョウ鍋(といっても日本のカモ鍋のようなおつゆはなし)

 ・ガチョウのパスタ

・・・・・・迷ってしまう!

でもその中でも取り分け美味しそうなディッシュを見つけて注文。

それはこちら!!!

ガチョウ2-a.jpg

Knusprig gebratene Martinigansl (カリカリに焼いたマルティン・ガチョウのグリル)、ジャガイモのお団子と紫キャベツ添えです!!!

食べてみたところ、カモ料理ほどのカリカリ感はなかったものの、身は全く脂っぽくなく、通常食べきるのに精いっぱいのサイズのように見えながらも、軽く完食してしまうほどの美味しさでした!添えられた紫キャベツは甘酸っぱく、メインに上手くマッチしているので、ガチョウ料理がついつい進んでしまいます。

シュタウビガー-a.jpg

  葡萄ジュース<モスト<シュトゥルム<シュタウビガー<ワイン

の順番にワインが完成されるそうです。

主観的に比較してみると、

 ・モスト: 透明で甘く、アルコール入りの葡萄ジュース

 ・シュトゥルム: モストよりも不透明な液体で、酸味が強い

 ・シュタウビガー: 名の通り、埃が舞っているような見た目、味はほぼワイン

といった具合です。

シュタウビガーは味が殆どワインに近かったので、シュトゥルムやモストを飲んだ時の様な斬新さはなかったものの、ガチョウ料理をすっきりと食べるうえではやはり欠かせない存在でした。

ついでながら、連れが頼んだのがこちら。

牛肉-a.jpg

ビーフのクリーム煮込み、シュペッツレ添え。

 ※シュペッツレはチロル地方の料理で、小麦粉と卵を捏ねて作ったパスタの様なもの。

味見させてもらったところ、ビーフは柔らかく煮込まれており、スパイスの利いたクリームソースも美味!シュペッツレはもちもちの食感で、これもオーストリア人には大人気のサイド・ディッシュ。

さて、メインに負けず劣らず素晴らしいのがデザート!

今回も数多くの新作デザートがひしめく中、選んだのがこちら。

シュタイラミス2-a.jpg

Steiramisu(シュタイラミス)とカスタニエン・ライス。

シュタイラミスとは、「シュタイヤマルク地方」と「ティラミス」をかけた造語。

マスカルポーネクリームとホワイトチョコレート、それにシュタイヤマルク地方特産の「カボチャの種オイル」とティラミス用のビスケットで作られた自家製デザートです。

カスタニエン・ライスは以前も紹介しましたが、ライス状にサーブされたマロンをホイップクリームとチョコレートのトッピングで頂くと言う、やはり秋限定の絶品デザート!

普段ならば、メインを食べた時点でお腹がはち切れそうなのですが、今回のガチョウ料理は案外あっさり目のお味でしたので、デザートまで辛うじて辿りつく余力がありました(笑)

ときどき日本食が恋しくてたまらないこともありますが、こんなに美味しいオーストリア料理が食べられるなら、ウィーン生活も全く捨てたものではありません。

また面白くて美味しい季節限定メニューにお目に掛った際には、こちらで紹介しますのでお楽しみに!

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デコバナー藤子足跡-a.gif

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筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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