【パロディ満載】あなたなら何を持たせる?~オーストリア鷲の国章~
ハプスブルク家の家紋であった、オーストリア・ハンガリー二重帝国を意味する双頭鷲の紋章に代わり、
現代では、オーストリア共和国の国章として単頭鷲のワッペンが至る所で用いられています。
こちらがその紋章。
わかり易いように図にも書き込みましたが、上から順に
①城壁を模した冠: 市民階級・ブルジョワジー
②麦を刈るための鎌: 農業
③金槌: 労働
④打ち砕かれた鎖: 自由
が象徴されているそうで、真ん中にある鷲の体幹部分にはオーストリアンカラーの「赤・白・赤」の国旗が縦にあしらわれています。
オーストリア第一次共和国時代には④の"千切れた鎖"の部分がなく、第二次世界大戦以降に「ファシズム(ナチズム)からの解放」を表現するために付け加えられました。
余談ですが、鷲の口から火のように吹き出た舌が、なぜか昨日のエーデルワイスの花弁を彷彿とさせます・・・。
但し、鷲が両足の鉤爪に持った"鎌と鎖"のモティーフが共産党のシンボルと混同されたり、全体的にも時代に即した国章ではないとの意見が最近挙がっている様子。
以下は、このワッペンに代わる新たなアイディアの一部。
両足にスキー板を履かせて
「スポーツ国家」!
スキー強豪国にして、冬のオリンピックでもメダル総なめのオーストリアならではの発想。
緑の小枝を掲げて
「グリーン国家」!
オーガニック食品やナチュラルコスメティック、フェイクファー(動物愛護のため)が数多く流通するなど、エコ意識の非常に高いオーストリア。これもこの国ならではのアイディア。
ワインボトルとグラスを抱えて
「飲み国家」!
魅力的過ぎる、この発想・・・
フランスの陰に隠れて日本ではあまり有名でないものの、オーストリアは美味し~いワインの名産地です。
最後は著者が勝手に描いた「食い倒れ国家」。
判別しにくいですが、シュニッツェル(ウィーン風カツレツ)と、カツレツに搾るレモンを持たせています。オーストリアの美味しい食文化を世界に発信して、更に観光業が盛りたてられますように!という願いを籠めて。
♪祖国よ、おまえは黒い羊だ♪
という音符付きの見出しと共に、鷲ではなく黒い羊さんが登場!
"厄介者"を意味する黒い羊の頭には冠の代わりに植木鉢、両足には鎌と金槌ではなくバナナ(貧しい国の例え)とユーロ紙幣の束が描かれています。
どうやら一連のギリシャ経済破綻騒動に対する度重なる資金援助を痛烈に皮肉った風刺画のようです。
聞いたところによると、経済が比較的裕福なオーストリアやドイツは、ギリシャを始めとする赤字EU国に出資してばかりの模様で、連日のテレビ報道などを見ていても、オーストリア人は既に我慢の限界に達している様子。。。EU統合により、EU域内は出入りが自由で便利になったものの、いいことづくしではないようです。
早くギリシャやポルトガルの経済が回復してくれると良いですね。
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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