何とも耽美なクリムトのトルテ

公開日 : 2011年11月25日
最終更新 :
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グスタフ・クリムトとは、こちらのブログでも昨年2度にわたり紹介いたしましたが、(クリムトが捧げるベートーベンへのオマージュ 1クリムト傑作「この接吻を全世界に」2 参照)1862年ウィーン生まれのアール・ヌーボー芸術を代表する天才画家の一人。1918年にその生涯を閉じるまで、常にウィーンを拠点に活動しつづけただけあり、美術史博物館内の壁画やウィーン大学大講堂の天井画など、ウィーン市内には彼の残した作品にあちこちでお目に掛ることができます。

(左写真、クリムト傑作「接吻」1907/8年、ベルヴェデーレ宮殿美術館所蔵)

そんなウィーンの申し子、クリムトの生誕120周年とあり、こちらでは少々時期尚早ながらも、既に彼の絵画様式を忠実に模したケーキがローンチされました!

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今回著者が食べてみたのはカフェ・ツェントラルの気鋭シェフが腕によりをかけたKlimt Surprise(クリムト・サープライズ)というトルテ。19世紀末にヨーロッパで大流行したジャポニズムから多大な影響を受けたとされるクリムト。そんな彼のお気に入りのモティーフである金箔の唐草模様が、オリジナルのデザインそのままに、丸いトルテの周囲とトップのデコレーションにあしらわれている様子は何とも絢爛で、固唾をのんで眺めているだけでも耽美の渦に巻き込まれていきそうな錯覚を覚えます。

一口食べてみると、カラメルのとろりとした甘味とピスタチオの香ばしさが口中で絶妙な競演を繰りひろげ、ヴィジュアル同様、テイストの方でも甘美さ極まることこの上なし。閑雅で高貴な見栄えや味というよりは、俗塵のただ中からこそ感じ取れるような、クリムト独特の官能や妖艶さが濃厚に感じ取れる作品。クリムトファンならずとも、一度は味わってみたくなる非常に個性的なウィーンのスイーツです。

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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