日本人とオーストリア人の「健康観念」の違い

公開日 : 2012年08月09日
最終更新 :

ウィーンに来て著者が感じた事なのですが、日本人は傍目には健康オタクとも思えるほど健康に気遣いをするのですが、重視しているのは「何を摂取するか」ということ。

近年頻繁に帰国していないこともあり、昨今日本国内で何が最新ブームなのかわかりかねますが、にがりブームや唐辛子ダイエットなど、「〇〇が体に良いので食べよう!」というダイエットブームが誰かによって意図的に仕掛けられ、市場で爆発的に流行しているような気がします。また一時は「一日30品目食べましょう」とのガイドラインがあったほどで、品目数は多いほど良いといった風潮が根強くあります。

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それに対し、オーストリア人が重視するのは「何を食べないか」。

オーストリアでは周りの友人や同僚たちを見ていても、「自然・天然なもの」、「オーガニックなもの」に拘った食生活の人が非常に多く、缶づめやレトルト等の保存料を用いた食品、添加物、着色料、農薬等を極力用いていないものを選りすぐって食している人を多数見受けます。

スーパーマーケットでも、日本では一年中、ありとあらゆる各国の食材が手に入るのに対し、オーストリアでは近隣諸国から短時間で輸送されてきた、旬のものしか見当たりません。

白アスパラといえば春ですし、その少し後にサクランボとルバーブ、今の時期ならばアイヤーシュヴァンマールと呼ばれる黄色いキノコ、9~10月には葡萄ジュースとワインの間に位置する"シュトゥルム"という仄かなお酒。他の季節にこれらの食材・飲料は滅多に手に入りませんし、売っていたところで「旬ではないため栄養価が低く味も悪い、不自然」との理由で買い手も少ないのが実情。

周りの同僚のランチを見ていても、りんご丸ごと1個とヨーグルト若しくはミューズリ(オーストリア特有のシリアル)を持参して、自分で切って混ぜて食べたり、黒パンと野菜、ハムなどを持ってきて、自分でサンドイッチを作ったりと、トマトとモッツァレラ、プロシュートを持参し、オリーブオイルと塩コショウで和えて、自前のサラダを即席で作ったりと、日本人の著者としては最初見ていて不安になったほど究極にシンプルで、「摂れば摂るほど良い」とされる日本人の健康志向とはまるで正反対。

人種による体質の違いや、農耕文化と狩猟文化の差など、歴史的背景も異なるので一概に"どちらがより健康的"とは決して断言できないものの、国際関係学を修めた身としては、比較していて非常に興味深い点でした。

これからも面白い差異などを発見した際には、またこちらでお伝えしたいと思います。

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筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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