ハプスブルク家の皇帝納骨所、カプツィーナー教会【後篇】

公開日 : 2012年08月22日
最終更新 :

カプツィーナー教会地下にあるハプスブルク家の皇帝納骨所のレポートを引き続きお伝えします。

Kaisergruft-schlicht-b.jpg

絢爛豪華な棺の群に交じって登場した、やけにシンプルな棺。

恐らくハプスブルク家でも傍流か、財政赤字が続いた困難な時期に生きた方のものとお察しいたします。ドラキュラ伯爵の棺はどちらかというと、こちらのあっさりしたタイプに近いですね。以前なら震え上がったであろう、お化け屋敷のドラキュラ伯爵関連の見世物も、このハプスブルク家納骨堂の本物の凄絶な迫力に比べると、全く大したことございません。

ここで、棺にあしらわれているモティーフトップ3。

一番目は戦いの様子。

Kaisegruft-armee-b.jpg

整然と行軍を進める歩兵の様子や、戦場で揉み合っている騎兵の戦ぶりが事細かに伝わって来ます。

Kaisegruft-armee-2-b.jpg
Kaisergruft-totenkopf-b.jpg

こんなグロテスクなものを好き好んで彫らなくても・・・・・・というのが著者の率直な感想です。

最後に、お写真は特に用意していないものの、王冠。

(ドラキュラ系を除いて)どの棺にも、これでもか!というほどありったけの王冠が所狭しと彫りこまれています。

ハプスブルク家の紋章、双頭鷲のモティーフが殆ど見られなかったのが、個人的に気になりました。本来であれば双頭鷲が刻まれていそうな場所に、すかさずドクロがいるんですよね・・・。

またほのぼのとした空間が見えてきました。

それもその筈、棺を見て納得したのですが、こちらはハプスブルク家の実質的に最後の皇帝であったフランツ・ヨーゼフのもの。

Kaisergruft-franzjosef-b.jpg
Kaisergruft-franzjosef-mask-b.jpg
Kaisergruft-elizabet-b.jpg

日本では宝塚歌劇団でミュージカルにもなり、一躍有名になった絶世の美女エリザベート。

フランツ・ヨーゼフのお后でした。

Kaisergruft-otto-b.jpg

最後、出口近くに陳列されていたのが、昨年葬儀の後にこちらに埋葬されオットーの棺。

ハプスブルク家最後の人間として、彼の葬儀は全編テレビ中継がなされたのは記憶に新しいところです。

Kaisergruft-entrance-b.jpg

王こそいたものの、皇帝の殆どいなかった他のヨーロッパ諸国ではなかなか見られない貴重な代物ですので、ウィーンにお越しの際にはぜひお立ち寄りくださいね!

入口は内部の異世界とは随分対照的に、写真の様なほのぼのとした淡い桃色の建物です。

デコバナータコの彫刻みたいな耳なし藤子-a.gif

応援クリックお願いします☆

Die KAISERGRUFT/ディ・カイザーグルフト(皇帝納骨堂)

住所: 1010 Wien, Tegetthoffstraße 2

開場時間: 毎日10.00 - 18.00

入場料: 大人 EUR 5,00 ; 家族(大人二人、子供二人) EUR 11,00 ;

シニア、学生、団体 EUR 4,00 ; 14歳までの学生 EUR 2,00

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。