戦車や戦闘機も展示される祝日 ~オーストリアが永世中立国となった日~
10月26日は毎年オーストリアにとっては非常に重要な祝日。
第二次世界大戦時、オーストリアはヒトラー率いるドイツに侵略を受け、敗戦後はアメリカ・イギリス・ソ連・フランスの4カ国による分割占領をされていましたが、果てしなく長い交渉の末、1955年5月15日に独立を取り戻します。そして同年10月26日、占領軍の最後の一兵が撤収するとともにオーストリアは永世中立宣言を掲げ、以後この日はNationalfeiertag(国家の祝日)として、国民に広く祝われるようになりました。
著者もこの日は毎年予定を開けて、1区中心街のホフブルク王宮内にあるヘルデンプラッツ(英雄広場)に出掛けて軍事イベントに顔を出すことにしています。
夕方遅くに出掛けたにもかかわらず、多くの家族連れで広場は賑わっていました。
展示の様子をここで一部お伝えしますね。
こちらは戦闘服・防護服が展示されているテント。
水中で過ごせるもの、熱に強いもの、毒ガスを防げるものなど、様々なヴァラエティがありました。
戦闘機、オイロファイター(Eurofighter)。
列に並べば、実際に戦闘機の中を詳しく覗くこともできます。
迷彩模様の装甲戦闘車輌(戦車)。
男性は戦車や戦闘機に興味津々のようですが、
女性である著者としては後ろにある宮殿の美しさの方に目を奪われがちでした。
巨大な装甲車。
大砲部分が短く一見迫力に欠けるため、門外漢の著者はこの戦車を舐めてかかったものの、
軍隊服役経験がある夫によれば、対戦車用のコンバット戦車らしく、普通の戦車よりずっと早く機動力に優れているのだとか。後ろの騎乗のオイゲン公が、まるで運転席に乗っているかのような錯覚に見舞われます(笑)
※兵役はオーストリアの成人男性ほぼ全員に課される義務。
大砲部分の長い戦車。
射程距離が長いため、戦闘では後方に陣取って砲撃を浴びせるものだそうです。
いつもは荘厳ながらどこか長閑なヘルデンプラッツも、この日ばかりは数々の戦闘機や戦車が陳列され、常にない威容を誇っていました。
何も知らずに参加すると単なる軍事イベントにしか見えませんが、少し歴史を復習してから訪れると、また違ったものが色々と見えてくるはずです。
著者の母国も最近物騒な話題が巷を席巻しているようですが、
この祝日のイベントを通して、平和の有り難さを改めて知ることができたように思います。
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筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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