悠久の時の流れを感じよう。ウィーン郊外のローマ遺跡を訪ねて

公開日 : 2016年08月01日
最終更新 :
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ウィーンはかつてのローマ帝国の宿営地、ウィンドボナ (Vindobona) を起源としているため、

ウィーン市内は地下鉄開通やビルディングの建設などで、掘れば掘るだけローマ時代の遺跡が出土することで有名です。

中でも、旧市街ホフブルク王宮前やシュトゥーベントア駅前の地下から見つかった建物跡、

地下鉄3番線建設中に発見され、ロフスガッセ駅に展示されている出土品などが代表的ですが、

それ以外にも、ウィーン郊外にローマ時代の街をそのまま再現した歴史的スポットが存在することは意外と知られていません。

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こちらのCarnuntum(カルヌントゥム)と呼ばれるローマ遺跡は紀元2世紀に造られたもので、ローマ兵のウィーンからドナウ川沿いに東に30分ほど車を走らせたところにあります。街全体に遺跡が散在しているのですが、メインの見どころは屋外遺跡、コロセウム、博物館の三か所で、すべて見学し終わると、記念にローマ風のコインを製造させてもらうことができます。

まずはメイン建物内にあるカウンターで入場券を購入して、遺跡巡りがスタート!

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建物の出口まではちょっとした展示スペースになっており、出土した旗や墓石などのレプリカが陳列されています。

まるで映画のワンシーンを見ているようで、圧倒的な迫力です!

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いざ屋外に出ると、現存している当時の遺跡に加え、再建された有力者の邸宅や温泉施設といった興味深い施設を見て回ることが可能。

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紀元前にローマ人たちが生み出したとされる石畳。

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温泉好きだった古代ローマ人らしさの残るテルメも数か所に。

2階部分には、寝転がって涼む部屋や、ボードゲームを楽しめるスペースが見られます。

脱いだ衣服を置いておく棚もあるなど、現代日本のリラクゼーション施設にそっくり。

古代ローマ人との共通点を見つけて、ちょっと微笑ましくなってしまいます。

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当時の生活を彷彿とさせる小物類が忠実に再現されているキッチンや居住空間。

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これは驚き!今から1700年前に、すでにどこの家屋にも床暖房が常設されていたとは・・・。

日本で本格的に普及しだしたのは、せいぜい数十年前だったりするのでは?

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少々離れた場所にあるコロセウム。

併設の博物館では、当時着用されていた重厚な金属製の兜を被って、グラディエーター気分を味わうことも。

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遺跡群はかなり広域に散らばっているので、疲れたらメインの建物まで戻ってコーヒーブレイクを。

軽食類のメニューには、"ローマ風ハンバーガー"や"シーザーズサラダ"など、ローマを意識させるものがたくさん(笑)

車で移動するなら、三か所巡るのに2-3時間といったところでしょうか。

遺跡内は影が少ないので、暑い季節に広大な敷地内を徒歩で移動するのは正直骨が折れますが、

車を持っていなくとも、ウィーンからは公共機関で訪れることが可能です。

電車での行き方

ウィーンミッテ駅から鉄道S7に乗り、Wolfsthal方面に約1時間。Petronell-Carnuntum駅下車。

バスでの行き方

地下鉄のランドシュトラッセ駅(ウィーンミッテ駅と連結)からヴィエナ・サイトシーイング・ホップオンホップオフバスのグレーラインに乗車し、Roman City Quarter駅下車。夏季の週末及び祝日のみ運行。

より詳しく見学したい方には、週末に開催されるガイドツアーがお勧めです。(大人3ユーロ、6歳未満は無料)

スタート時刻(週末): 10.00、12.00、14.00、15.30

7~8月(毎日・ドイツ語): 10.00、15.30

7~8月(毎日・英語) :12.00

入場料金:大人11ユーロ、シニア9ユーロ、11歳未満の子供は無料

営業時間:2016年は3月19日から11月20日までの、9.00~17.00

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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