海外旅行・観光情報の「地球の歩き方」TOP > 特派員ブログ > ヨーロッパ  > ウィーン特派員ブログ > プレス試写を観て。1月公開映画「エゴン・シーレ 死...

オーストリア/ウィーン特派員ブログ ライジンガー真樹

オーストリア・ウィーン特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2016年12月21日

プレス試写を観て。1月公開映画「エゴン・シーレ 死と乙女」


プレス試写を観て。1月公開映画「エゴン・シーレ 死と乙女」

1月に日本公開の映画、「エゴン・シーレ 死と乙女」のプレ用試写を観ました!
先月の記事で映画のトレーラーを紹介 しているので、そちらも併せてご覧いただければとわかりやすいかと思いますが、この映画は20世紀初頭にウィーンを拠点として活躍した画家エゴン・シーレの短くも波乱万丈な生涯を描いた物語。彼が戦争や社会、病気等に翻弄されつつも芸術を追求する過程で、周囲の女性たちを図らずも傷つけていく様子が丁寧に描写されています。


以下、オフィシャルサイトから映画の紹介文を抜粋しますね。


魂を揺さぶる鮮烈な作風で独特の美とエロスを描き、28年の生涯を駆け抜けた天才画家エゴン・シーレ。
スキャンダルとエゴイズム、そしてシーレをめぐる女たち

第一次世界大戦末期のウィーン。天才画家エゴン・シーレはスペイン風邪の大流行によって、妻エディットとともに瀕死の床にいた。そんな彼を献身的に看病するのは、妹のゲルティだ。――時を遡ること、1910年。美術アカデミーを退学したシーレは、画家仲間と"新芸術集団"を結成、16歳の妹ゲルティの裸体画で頭角を現していた。そんなとき、彼は場末の演芸場でヌードモデルのモアと出逢う。
褐色の肌を持つエキゾチックな彼女をモデルにした大胆な作品で一躍、脚光を浴びるシーレ。その後、敬愛するグスタフ・クリムトから赤毛のモデル、ヴァリを紹介されたシーレは、彼女を運命のミューズとして数多くの名画を発表。幼児性愛者という誹謗中傷を浴びながらも、シーレは時代の寵児へとのし上がっていく。しかし、第一次世界大戦が勃発。シーレとヴァリの愛も、時代の波に飲み込まれていく――。


これだけでもう、シーレの激動の人生が垣間見られるようですよね。

EgonSchiele_sub1-600.jpg
©Novotny & Novotny Filmproduktion GmbH


そして、こちらが映画のサブタイトルともなっているシーレの代表作のひとつ、「死と乙女」のモデルシーン。
本物の絵画はウィーンにあるベルヴェデーレ宮殿内の美術館にて展示されているのですが、この映画を観てようやくこの絵の複雑なテーマがわかり始めたような気がします。


先の記事でも触れましたが、実は私自身、これまで同画家の作品が取り分け苦手だったんですよね。
というのも、全体的に陰鬱な色調と荒々しい筆遣いに加え、ナルシズムの充満したような自画像や性器も露わな絵画の数々など、人間が本来秘匿しておくべき欲望を赤裸々に描写した作品群を目にする度に、何ともいたたまれない気分にさせられることが多かったからです。
表面的にシーレの絵画を辿れば、ナルシスト、近親相姦者、ロリコン、セックス依存症といった危険な人物像が浮かび上がってくることは必至でしょうが、この映画を観終われば、彼が芸術への大胆な挑戦からそのようなテーマを描き続けたことが見えてくると思います。ただ、同映画内でもポルノとエロスの違いについて意見が激しく戦わされているように、果たして芸術という名の下でどこまで許されるのかは、現代においても判断が難しそうですね。


少しキャストも紹介します。

EgonSchiele_sub5-600.jpg
©Novotny & Novotny Filmproduktion GmbH

こちらが主役のエゴン・シーレを演じたノア・サーベトラ。
オーストリア出身の若手俳優で、現在ウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学の演劇コースで勉強中だそう。
シーレの漂わせる危険な香りはそのままに、おでこにたっぷりとシワの寄った本物よりもかなりハンサムな風貌です!

EgonSchiele_sub7-600.jpg
©Novotny & Novotny Filmproduktion GmbH

こちらがヒロインのヴァリを演じたフェレリエ・ペヒナー。
作中では当時の古いドイツ語(しかも方言)を話すため、生粋のウィーンっ子である私の夫ですら一部聞き取り困難であったほど。本作品では奔放で情熱的なヴァリを好演しているのですが、実際に絵画に描かれている本物のヴァリよりも少々タフそうに見えます。風貌としては、「天空の城ラピュタ」に出てきた親方のおかみさんと姿が重なる・・・といえば失礼でしょうか!?(笑)


物語自体はシーレの生涯に主眼が置かれているものの、この他にもクリムト大作のベートーベンフリーズ公開シーンが登場するほか、当時の建物(シーレの住んでいたお部屋の窓が圧巻!)や街の様子、人々の衣装など、見どころ満載の2時間。
芸術愛好家はもちろん、これからオーストリアで美術館・史跡巡りの予定の方、ハリウッド系よりもヨーロッパのしっとりとした作品を好む方に特におすすめしたい作品です。日本では2017年1月28日からロードショーですので、どうぞお見逃しなく!

デコバナーバラの花と藤子1-a.gif薔薇のお花が大好きな藤子ちゃん
応援クリックお願いします!

記事の商用利用を希望される際はコチラからお申し込みください。
カテゴリー エンターテイメント・音楽・ショー 文化・芸術・美術
2016年12月21日
« 前の記事「マリア・テレジア生誕300周年記念のクリスマス・マグをゲットしよう!」へ
»次の記事「ウィーンでフクロウカフェは流行るか?日本人とオーストリア人の動物に対する姿勢の違いとは」 へ
おすすめ記事
    ウィーン特派員 新着記事
    中世の雰囲気にひたれる!古城で開催されるクリスマスマーケット2018年
    ヨーロッパ最大の地底湖 ゼーグロッテ
    ウィーン情緒たっぷりのディナー!ホテルザッハーのグリーンバーにて<2>
    ウィーン情緒たっぷりのディナー!ホテルザッハーのグリーンバーにて<1>
    ウィーンのオクトーバーフェスト2018年【開催期間9/27~10/14】
    アルプスの橋から真っ逆さまにバンジージャンプ
    炎が眼前で披露されるクレープフランベがイチ押し!なウィーンで大人気のフレンチカフェ。
    ウィーンの空港で買えるお土産
    1年前の同じ月に投稿された記事
    ウィーン市庁舎前のクリスマスマーケット、レポート
    オーストリアのなまはげ、クランプス
    オーストリアのクリスマス事情

    オーストリア 航空券情報


    オーストリア旅行 旅スケジュール

    旅行者の作る、新着!旅スケジュールをご紹介します。 ■オーストリアの旅行記・口コミ「旅スケ」へ

    ヨーロッパ特派員ブログ一覧

    アイスランド/レイキャヴィークアイルランド/ゴールウェイイギリス/イーリーイギリス/エディンバライギリス/カーディフイギリス/ギルフォードイギリス/グラスゴーイギリス/ケンダルイギリス/ケンブリッジイギリス/コッツウォルズイギリス/ヒースローイギリス/ブリストルイギリス/ベルファストイギリス/ヨークイギリス/ロンドンイギリス/ロンドン2イギリス/ロンドン3イギリス/ロンドン4イタリア/アンコーナイタリア/アンドリアイタリア/シチリア島イタリア/ジェノバイタリア/トリノイタリア/ナポリイタリア/ナポリ2イタリア/パルマイタリア/フィレンツェイタリア/ボローニャイタリア/ミラノイタリア/ミラノ2イタリア/ラ・スペツィアイタリア/ローマイタリア/ローマ2ウクライナ/オデッサエストニア/タリンオランダ/アイントホーフェンオランダ/アムステルダムオランダ/デンボスオランダ/ライデンオーストリア/ウィーンオーストリア/チロルオーストリア/リンツキプロス/ニコシアギリシア/パロス島ギリシャ/アテネクロアチア/コルチュラ島クロアチア/ザグレブクロアチア/ドゥブロヴニクジョージア/トビリシスイス/アッペンツェルスイス/チューリヒスイス/ベルンスウェーデン/ストックホルムスペイン/イビサ島スペイン/バルセロナスペイン/バルセロナ2スペイン/バレンシアスペイン/バレンシア2スペイン/ビトリアスペイン/ビルバオスペイン/マドリッドスペイン/マドリッド2スロヴェニア/リュブリャナセルビア/ベオグラードチェコ/ブルノチェコ/プラハチェコ/プラハ2デンマーク/コペンハーゲンドイツ/ケルンドイツ/ケルン2ドイツ/シュタインバッハドイツ/デュイスブルクドイツ/デュッセルドルフドイツ/ハノーファードイツ/ハンブルクドイツ/フライブルクドイツ/フランクフルトドイツ/ブレーメンドイツ/ベルリンドイツ/ボンドイツ/ミュンヘンドイツ/ミュンヘン2ドイツ/ミンデンドイツ/ライプツィヒドイツ/レーゲンスブルクドイツ/ワイマールノルウェー/オスロノルウェー/オスロ2ノルウェー/オスロ3ノルウェー/ベルゲンハンガリー/ブダペストフィンランド/サヴォンリンナフィンランド/トゥルクフィンランド/ヘルシンキフィンランド/レヴィ・サーリセルカフランス/アヌシーフランス/カンヌフランス/コートダジュールフランス/ストラスブールフランス/トゥルコアンフランス/トゥールーズフランス/ナルボンヌフランス/パリフランス/パリ2フランス/ボルドーフランス/マルセイユフランス/リヨンフランス/リヨン2ブルガリア/ソフィアブルガリア/プレヴェンベルギー/ゲントベルギー/ブリュッセルベルギー/ルーヴェンポルトガル/ポルトポルトガル/リスボンポーランド/カトビッツェマケドニア/スコピエマルタ/マルタ島モンテネグロ/ポドゴリツァヨーロッパ/バルカンラトヴィア/リーガルクセンブルク/ルクセンブルクルーマニア/ブカレストロシア/サンクトペテルブルグロシア/モスクワ

    ヨーロッパにもどる

    • 特派員プロフィール
    • ウィーン特派員

      ウィーン特派員
      ライジンガー真樹
      スペイン語と異文化研究のため高校時代に南米チリへ留学、国際基督教大学(ICU)卒業。外資系広告代理店のメディアプランナー、欧州系エアライン2社の客室乗務員を経て現在はモード業界 に。仕事の傍ら子育てと執筆に勤しみ、ウィーンで話題のスポットや伝統的なカフェとスイーツ、日本とはかなり異なるオーストリア事情など、バラエティに富んだ情報をお届けすべく活動中!連絡先Facebookページ DISQUS ID @disqus_zl3jc0QKNG

    • リーダーに登録

    地球の歩き方Web特派員募集