【ウィーンの隠れ絶景スポット②】絶景と絶叫が同時に味わえる、世界一高いブランコ

公開日 : 2017年09月29日
最終更新 :

前回、「ウィーンの隠れ絶景スポット①」でウィーン随一の名所である大観覧車を紹介しましたが、本日はその第2弾、しかもまた同じロケーションのプラーター公園内の遊園地です。

ただし、今回のアトラクションは前回の雅やかな大観覧車とは少々趣を異にし、ごく普通の理性を備えた人であれば背筋が寒くなるような、絶景と絶叫が一粒で二度味わる贅沢スポット。

とはいってもお化け屋敷系や絶叫系などではなく、「プラーター塔」という名称の空中ブランコです。

そんな爽やか且つロマンティックな乗り物で、肝が冷えるわけないじゃない。

そう思ったあなた、甘い甘い!

空中ブランコは空中ブランコでも、地上117mという世界一の高さを誇る、

何とも凄まじいアトラクションなのです。

だってお台場にあるフジテレビ本社ビルが地上123mなんですから。

あの高さを暴風に弄ばれながら、

命綱1-2本でぶら下がってぐるぐる旋回していると思っていただければと思います。

前回大絶賛したウィーンの大観覧車ですら高さ65mなので、

それよりずっと高いことになります。

Praterturm-von-unten-600x800.JPG

そんな四の五の言うのなら乗らなければいいのですが、

どうしても今一度あのウィーンの絶景を瞼に焼き付けたい!

その一心でチケットカウンターに走りました。もちろん一緒にいた夫も巻き添えです。

次第に上がるブランコの高度とともに恐怖感も急上昇していきます。

たった数メートル上がった時点で、横の夫が「ボク、もう駄目だ」と引き笑い気味に呟きました。

国民皆スキー民族のオーストリアにおいてさえ、スキーのインストラクター免許を保持し、直角のような急斜面も源義経の馬のごとくスイスイ降りてみせる夫をしてそう言わせるのですから、もう普通の高所恐怖症やスピード恐怖症とは次元の違う心境なのでしょう。

饒舌さを増す夫と反比例するように無口になっていく私。

「このブランコの鎖がプチンと切れたら、自分は遠心力で舞いながらウィーンの街にダイブするという、とてつもなく優雅な最期を遂げるのではないか・・・」などという、現実的とも非現実的ともつかない考えが、否が応にも脳裏をよぎります。

<臨場感を体験したい方はこちらの動画をどうぞ>

https://www.youtube.com/watch?v=UATJDA35wXk

プラーターには絶叫系マシンがごっそりと乱立しているのですが、こちらの空中ブランコはフリーフォールだのバンジージャンプだのといった大御所たちを、軒並み眼下に睥睨できる位置までグングン上昇していきます。

世界一はやっぱりウソじゃない!!!

その昔、独身時代に同僚と乗った際には、「別に落ちたら落ちたでいいや」くらいに諦観していたのですが、現在は夫も可愛い息子もいる身。こんなところで果てるわけにはいきません。

そんな取り留めもないことを悶々と考えながら、他方で風の吹きすさぶ上空からシュテファン寺院や悠久のドナウを「最後の情景かも」とメランコリックに眺めている自分も自覚していました。

もう、こんなに様々な感情が交錯する場所なんてそうそうないんじゃないでしょうか。

そうこうしているうちに、やっとブランコは下降を始めたのですが、同時に急旋回の開始です!

周りの「キャ~」という黄色い声も、なぜかとてもシュールに聞こえます。

絶叫系マシンと異なる点は、何となく本当にブランコの鎖が弾け飛びそうなところにあるのだと思います。

昔日の名アニメ「アルプスの少女ハイジ」のオープニングテーマで彼女がとてつもなく長いブランコに乗ってアルプスの青空をスイングしていましたが、ああいったイメージでしょうか。

ただ私と違って、ハイジはたいそう無邪気に笑っていましたけどね。

Praterturm-unten-800x533.JPG

とはいえ、大したハプニングもなく、再び地上に降り立つことができました。

やっぱり自分の足で地面をしっかりと踏みしめることができるのは、幸せなものですね!

ウィーン屈指の絶景と恐怖体験を同時に味わってみたい方にお勧めのスポットなので、ぜひ観光ルートに組み入れてみて下さい。

確か23時くらいまでオープンしているので、夜景も味わえますよ。

私も次は夜に行ってみようかな。(←懲りてない)

Praterturm/プラーター塔

場所:ウィーン2区のプラーター遊園地内

最寄り駅:鉄道・地下鉄1番線・2番線のPraterstern駅、地下鉄2番線のMesse Prater駅

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

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