三輪タクシーの値段交渉術

公開日 : 2011年08月19日
最終更新 :
交渉中.jpg

ラオスの街の市内観光には風を切って走るトゥクトゥクに乗って出かけましょう。暑い太陽や時々降る雨を物ともせず市内を格安の料金で移動できます。

しかし、乗るたびに料金交渉をしなければなりません。いったいいくらが妥当なのか、本当のところは誰もわかりません。悔しい思いをしないですむにはどうしたらいいか、ラオス滞在歴3年のベテランとして、始めてラオスを訪れる皆さんに奥義をご披露いたします。

ジャンボの公定?料金.jpg

これはトゥクトゥクの運ちゃんの背もたれに貼られている「料金表」です。しかし、そんなものが公的に有るわけではありません。勝手につくって「外人」に信用させようというものです。しかし、よく見るとそれほど高いものでもなさそうです。ビエンチャン市内と空港間は5万5千キープ(550円)と書かれています。空港タクシーは公定料金が決まっていて、市内まで7ドル(560円)ですから、このトゥクトゥクの5万5千キープはまぁ、妥当でしょう。

ビエンチャンのメータータクシー.jpg

これは2年前にビエンチャンに出現したメータータクシーです。料金はすこし高めですが、きちんとしたメーターがついていて料金は公明正大です。車のテール・ランプの下に「Driver Speaks Good English」と書かれています。値段交渉しなくてもいいですが、交渉すればメーター料金ではなく定額料金で行ってくれることがあります。

トゥクトゥクより大きいジャンボ.jpg

三輪タクシーには小型と大型があります。写真の中央右が小型、左2台が大型です。小型は「ジャンボ」と呼ばれています。ジャンボはほとんど250ccクラスのオートバイのエンジンを利用していますから低速で、パタパタと心細い音を出しながら進みます。遠くへ出かけるにはジャンボは適しません。トゥクトゥクと呼ばれる大型は500ccクラスのエンジンで安定感もあり、バックギアもついているので自力でバックできます。値段は交渉次第で、必ずしもジャンボが安いとは限りません。

相乗りのドーイサーン.jpg

遠くの街までへ行くにはドーイサーンと呼ばれる乗合トラック・バスがいいでしょう。中央・南方面・北方面の3か所のバス・ターミナルから出ています。お客が集まらないと、集まるまで待たされることがあります。公共のバス並みに安いです。荷物を屋根に満載したら出発です。ドーイサーンでは狭い二列の長椅子の左右に詰め合って座らされます。ことばができなくても長い道中、見知らぬ人とボディーランゲージで会話が楽しめます。

貸自転車屋.jpg

レンタ・サイクルはビエンチャンやルアンパバーンにはたくさんあります。レンタル料は1日2万キープ(200円)ほどです。道が平坦なのでペダルを漕ぐのがラクです。駐車に苦労するということもないので、自転車はツーリストに大人気です。最近はひったくりが多くなったので、前の籠にネットを張った自転車を貸し出すようになりました。

貸バイク.jpg

貸オートバイも目抜き通りにあります。これは250ccのオフ・ロード専門のレンタル・バイクショップです。心得のある人なら自然の景色を楽しむ遠距離ツーリングに最適でしょう。1日30万キープ(3000円)です。100cc程度の小型のバイクを貸してくれるところもありますが、最近は交通量が多くなり、ルール違反の運転で市内のあちこちで事故が目につきます。小型バイクはあまりお薦めできません。

トゥクトゥク、ジャンボの値段交渉術

さて、前置きが長くなってしまいました。肝心の値段交渉術です。

☆ラオスでものを買うときは是非、値段の交渉を楽しみましょう。ラオスの人々と触れ合うまたと無いチャンスです。そして交渉に必要なのは時間的余裕です。焦ってはいけません。結論を急いではいけません。

☆「・・・へ行きたい。いくらか?」と運転手に英語で訊いてみましょう。例えば「フィフティー・タウザンド(50,000キープ、つまり500円)と言われたら、すかさず「トウェンティ・ファイブ(25,000)」と切り返してみてください。もちろんそれで妥結するとは思えません。きっとにこやかに「フォーティー(40,000)と答えるでしょう。

☆こちらも微笑みながら「サーティー(30,000)」と出ます。さて、このあたりからが勝負です。どちらが相手の値段に妥協するか、それはその時の環境で違ってきます。

☆ホテル街の大通りで待っているトゥクトゥクの運転手は「外人」狙いです。強気です。勝手に造った「料金表」を盾にガンバルでしょう。ほかのお客が拾えるから、譲りません。

☆通りがかり、つまり流しの車は英語がうまくできないことが多いです。数字を指で示しながらの交渉です。運転手から指三本の次に手のひらパー(35,000)を提案される可能性はあります。これで妥結したくないなら「コープチャイ(ありがとう)」と言って立ち去る真似をするのは効果的です。きっと「ちょっと待って」と背中から声がかかるでしょう。

☆まだ日中で、お天気もよく、ほかのジャンボも行き交っている時間帯なら、これで優位を保てるかもしれません。しかし夕方だとか夜の場面になっていたら交渉は厳しい。雨模様だったら流しの三輪タクシーでも50,000キープのまま、動かないかもしれません。

☆こうして、アーでもない、コーでもない、とやり合うのがアジアの旅の醍醐味だと割り切ると、運転手とのコミュニケーションも楽しめるのです。特にラオスは「ずる賢さ」が希薄な国です。アジアの謀国のように、もの売りが後をしつこく追ってくることはほとんどはありません。

☆妥協が成立しなかったら、「コープチャイ(ありがとう)」と言えばいいのです。運転手たちはニコリと笑って、あっさり手を振るでしょう。あんまりあっさりしているので、「売る気があるのか」と疑いたくなるくらいです。

☆穏やかなラオス人は決してあなたに嫌味なことばなど吐きません。皆さんくれぐれもラオス人に向かって怒ったり、大声を出したりしないでください。ラオス人は競い合ったり争ったりすることが得意ではありません。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。