ラオス北端ポンサリー③マウンテンバイク
ポンサリーはお茶の産地として知られています。街のあちこちに化粧箱入りの緑茶が売られています。観光局のインフォメーションで訊いたところ、街から15キロ離れた茶畑には樹齢四百年お茶の木があると言う。マウンテン・バイクを貸してくれるとのこと。レンタル代1日五万キープ(500円)のところ、午後2時の出発だからと、半額に負けてもらい、さっそく出発しました。
結構アップダウンの激しい、険しい山道でしたが、登るにつれて視界は広がってきました。
途中に部落が二つありました。入口には門柱が建てられ、上方に小さな飾りもついています。山岳にすむ中国系のホー族でしょう。話す言葉はどうもラオス語ではないようでした。
喘ぎながらでこぼこ道を1時間、お尻が痛くなったころ、一面の茶畑の真ん中に高めの木が見えました。あれが樹齢四百年のお茶の木だろうか。パンフレットには高さ6メートル、直径30センチで、お茶の木としては巨木だとのこと。
あちこちに細い脇道がありますが、特に標識もないので、いちばん太い道を進みました。しかしだんだん細くなる山道は行けども行けども果てしがありません。先ほどの大きなお茶の木もどこかに隠れてしまいました。収穫したお茶の葉を運んでいた村人に400という文字と木の絵を紙に描いて見せますと、今来た道に戻れという。
時間はそろそろ午後4時を回りました。5時になったらうっそうとした森を縫う山道は見えにくくなるでしょう。山々が夕日を浴びて輝き始めました。先ほど見えた木が樹齢400年だ、と自分に言い聞かせ、暗くならないうちに街への道をたどりました。
行きに通り過ぎた村もそろそろ夕餉の支度で、子どもたちの騒ぐ声が家の中から聞こえてきます。
こころがせきます。街へ急げ。
へろへろになってようやく街に戻ったころには、夕日が山の端に沈む時間となっていました。
観光局のスタッフが「1本道だから分かりやすい、ゆっくり行っても片道1時間ちょっとだ」と言っていたのに、どうして道に迷ったのだろう。
なぞは翌日自転車を返しに行ったときに判明しました。
観光局では数ヶ月前に、ガイドなしでも樹齢四百年の巨木にたどり着けるように、わかれ道にはすべて鉄製のしっかりした標識を建て、整備したそうです。
問題は鉄製の標識にありました。
ラオス北部の寒村では、鉄はたいへん高価なものなのです。
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