スローボートでメコンを下る②
フアイサイを出発したスローボートはパークベンで一晩明かしました。翌朝、朝霧の船着き場はもう9時だというのに暗かったです。
昨日、船上でビールを飲んで騒いでいた若い連中(オーストラリア人やロシア人)は、厳しい目つきの年配イギリス人にボートに乗るのを拒まれました。一瞬のにらみ合いの末、「誰が騒いだって?そりゃよくないな。静かに景色を楽しむべきだ」と若者たちがやり返して船の舳先へ逃げ込んで事なきを得ました。
昨日と船は別でした。およそ90人乗りの舟でやや小ぶりでしたが、向かい合わせの座席の間にテーブルがありました。メンバーはほぼ昨日と同じ。何艘か舟が用意されていましたから、昨日の140人の乗船者の残りの50人は別の舟に乗ったのでしょう。
舟の中は昨日とは打って変わって、静かに本を読んだり、テーブルを挟んでトランプを楽しむ乗客の姿がありました。
2日目ともなるとあちこちで乗船者同士のおしゃべりが始まります。インド人とフランス人がラオスの仏教について議論していました。とても早口で熱のこもった内容のようでしたが、どちらの英語もかなり癖があって(私の英語はもっとひどいものですが)よく聞き取れませんでした。
やがてメコン川はルアンパバーンに近づいてきました。絶壁にくり抜かれた洞窟に仏像が立ち並ぶパーク・ウー洞窟が川下の右手に見えてきました。左手は写っていませんが、メコン川最大の支流ウー川がメコン川に合流しています。ルアンパバーンからの観光ツアーボートは夕方ということもあって1艘だけでしたが、きっと昼間はツアーボートでこの洞窟は賑わっていることでしょう。
2日間かけてゆっくり下ってきたメコンのスローボートのたびはいよいよ終わりました。ルアンパバーンの半島の船着き場にはプラカードを掲げたゲストハウスの客引きが10人ほど待っていました。しつこく勧誘する風もなく、値段交渉には受け身がちに返事をしていました。
さて、あすから2日間はルアンパバーンのお寺さん参りをしようと思います
※もっと詳しくスタートラオス「スローボートで行く大河メコンの旅(1)~(4)」に載っています。私もこれを参考にさせていただきました。ご覧ください。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。