これだけは知っておきたい!アメリカで安全を守るための交通事情

公開日 : 2016年04月26日
最終更新 :

 いつもはワシントン周辺界隈から更新記事をお届けしていますが、今週ニューヨークのマンハッタンへ行ってきたので、今日はそこで撮った画像も含めて、今月のお題『道路標識』についてお話しします。

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 アメリカ東部で言えば、ワシントンDCでもペンシルベニア州のフィラデルフィアでもメリーランド州ボルチモアでも同様ですが、とにかく都市部の道路は一方通行が多いので、運転手は『一方通行』の標識を見落とさないよう(逆走しないよう)注意しなくてはなりませんし、都会でも大通りを曲がるとわりと閑静な住宅地となってることも多いので、住民の方々のくらしを配慮しながらマナーを守って運転するよう心がけることが大切です。

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 ここは、ロウアー・マンハッタンの一角のかなり賑やかな通りに隣接した一方通行のストリートですが、一歩この通りに入ると大通りの喧噪が嘘のよう。制限速度も20マイル(約32キロ)です。日本的な感覚で言えば、「こんな細い道で32キロは速すぎない?」と思われるかもしれません。アメリカ国内の運転に慣れていても、一車線のこのような通りでは、私も少し速度を緩めてのろのろ運転します。都市部では、自転車で走行している人が後方から思いのほか速いスピードで近づいてくることがあるからです。

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 さて、所変わって、こちらは、ペンシルベニア州のある町の住宅地の一角です。この辺では、よく子どもたちを見かけるのですが、あまり土地勘がない場合、このような標識が表示されているのはありがたいものです。

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 また、アメリカでは、スクールバスを見かけたら、後方を走行している運転手だけでなく、対向車線の運転手も要注意!スクールバスが停車する際に、バスの運転手は、走行方向に向かってバスの車体の左側に「止まれ(STOP)」のサインを提示しますので、すぐ後ろの運転手だけでなくその後ろの運転手全員と、対向車線の車両の運転手も全員止まる必要があるのです。スクールバスが止まった地点(スクールバスの前一帯)が、バスを降りた子どもたちが道路を横切るための横断歩道となるからです。道路が3車線以上でも同様(最近はスクールバスがそんな大きな通りで停まるのは見かけていませんが、20年以上前に、ハワイ州のオアフ島でそういう場面に遭遇して驚いたことがあります。)ですので、スクールバスが「止まれ」の合図を出している場合は、必ず止まって、子どもたちの横断が終わってスクールバスの運転手が「止まれ」のサインをたたんで、そのスクールバスが発進するまで待ちましょう。

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 さて、次の画像は、ペンシルベニア州の22号線沿いで見かけた景色です。フロントガラスの右手にちらりと写っている標識は、アメリカの東部の高速道路で見かける「鹿が出ます」のサイン。所によっては親切にも「ここから8マイルの距離は鹿が出るので要注意。」などと但し書きがついた道路標識を見かける場合もあります。また、カントリーサイドの牧場に面した道路を走行中に「馬に乗った人」の明るい黄色の標識に出くわすこともあります。

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 ところで、アメリカに滞在中、路上駐車の際に標識を見落としてしまったせいで交通違反による罰金を払ったという苦い経験をした方もいらっしゃるかもしれませんが、特に、都市部での路上駐車には要注意です。

 ニューヨークやフィラデルフィアで、絶対に大丈夫だろうと思って駐車しても、車を停めた場所の標識をすべて読まなかったせいで厳しく罰せられたという話を聞いたことがありますし、以前、実際にニュージャーシー州アトランティック・シティで、人が歩いてはいけない道路標識が掲げられている通りで「ジェイウォーク(jaywalk:交通規制を無視して道路を横切ること)」をして、その場で切符を切られていた外国からの観光客の団体を見かけたこともあります。

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 路上駐車に関してですが、都市部で路上駐車をする際には、自分が停めた車の周りにあるすべての標識を確認する必要があります。道路標識がひとつではなく2つも3つも4つも表示されていたり、意味が理解しにくい場合もあるものです。

 「お支払いはここで」というサインが出ている券売機がある場所なら、そこでチケットを購入して、ダッシュボードに掲げておけば、まず安心なのですが、数年前に、フィラデルフィアの弁護士との予約があった日に、弁護士事務所が入っている大きなビルの前に路上駐車をしようと思い券売機で駐車券を買ったものの、路上駐車OKの標識が出ているすぐ横に「駐車の許可証(xx番)がない住民以外は停めてはいけない」という表示があるのが目に入りました。そこで、弁護士に電話をして事務所の前の標識を見てもらうと、「少しでも車の位置がずれると厳しく取り締りをされる場所なので、車の後部が『許可証がない住民以外は停めてはいけない』と書かれているサインの部分に入らないようにすれば大丈夫。それと、駐車券はダッシュボードの右側、歩道側のダッシュボードに置くように。」と注意されたことがありました。「駐車券は、運転席側に置くんじゃないですか?」と訊くと、とにかくそうするように促され「住民やそのビル界隈で仕事をしていて停め慣れている人々でなければ見落としそうな、わかりにくい規則ですね。どこかに書いてありましたか?」と言いながらビルに入ったことがありました。

 その土地の交通事情に詳しい人がいっしょであれば心配ありませんが、最近では、公共駐車場の券売機に自分のライセンスナンバーといっしょに携帯電話番号を入力しておくと、時間切れ直前に携帯にテキストメッセージが入るというありたがいシステムを適用している所もあります。先々週、ペンシルベニア州のステート・カレッジの公共駐車場に停めた際には「XX番の駐車はあと24分で無効になります。追加料金の支払いをする場合はこのメッセージに返信してください。なお、追加の場合は25セントかかります。」とメッセージが入りました。

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 ちなみに、この上の画像は、メリーランド州ボルチモアのチャールズストリートにある券売機の近くで撮ったものです。最近はどこの駐車場でもカードでの支払いが可能ですが、ここでも路上駐車をするのに、現金がなくてもOK、クレジットカードが使えます。最高2時間まで停められますが、場所によっては1時間以内というところもあります。

 また、券売機があるのに下の画像のように、降雪の際に除雪車が止まるところに指定されている場所には一般車両は駐車できない標識が出ていることがあるので、要注意!また、路上駐車用の券売機もあり前後の車の間に一台入れるほどの余裕がありそうなところでも、舗道に黄色や赤の消火栓のある場所は駐車禁止です。レッカー移動される恐れがありますので気をつけなくてはなりません。

 午後6時(これも場所によります。)以降に駐車料金を徴収しない条例がある場合は、券売機が使用できないように設定されている場合も多いようです。私は、ニューヨークのマンハッタンに行くと3時間以上車に戻ることができない場合が多いので、路上駐車は避けて「P」のサインが出ているパーキングビルの中に駐車してしまいます。

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 アメリカ国内でも、交通事情は場所によって異なってくると思いますが、楽しい旅にするためには、とにかく道路標識のあれこれは知っておくと便利ですよ!今日は、4月のお題『道路標識』にちなんで、アメリカの交通事情もいっしょにお届けしました。

 次回もどうぞお楽しみに!

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

【地球の歩き方】では、2013年から、ワシントンDC周辺はじめアメリカ各地の観光名所や魅力的な穴場スポットの情報をお届けしています。

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