アメリカ東部6州の新型コロナウイルス関連情報(2020年4月26日)

公開日 : 2020年04月26日
最終更新 :

在ニューヨーク日本国総領事館から、2020年4月26日のニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、デラウェア州、ウェストバージニア州、コネチカット州、プエルトリコ、バージン諸島の新型コロナウイルス関連情報が届きました。

今日のお知らせによるとNYのクオモ州知事は、4月25日の総入院者数と1日の入院者数は減少したものの、死者数は依然として高い水準であること、感染率や各地域の現況を分析しながら社会経済活動を地域ごとに再開していくこと、またいかなるフェーズでも、地域外からの大勢の人を呼ぶイベントやビジネスの再開は認められないことなどを発表したそうです。

新型コロナウイルスに感染された方々にお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになった方々、ご遺族の皆さまに心よりご冥福を申し上げます。私も引き続き感染予防のために、外出を控えること、手洗いやうがいをすること、出かけるときにはマスク装着とソーシャル・ディスタンシングを守るよう努めてまいります。皆さまも、どうか体調を崩されませんようくれぐれもご自愛くださいね。

それでは、以下、在ニューヨーク日本国総領事館からのお知らせを引用掲載します。

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【州政府等による措置等のポイント】

(注)各州政府の措置等についても,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎(NY州)クオモ知事のメッセージ(4月26日)

- 昨4月25日の総入院者数は1万2819人で13日連続減少,3月31日以来の水準まで減少した。

- 1日の入院者数も,1087人と3月25日以降初めて1200人台を下回っている。但し,死者数は367人と4月で初めて400人を下回ったが依然として高い水準である。

- 社会経済活動の再開の判断について,感染率を監視しつつ,各地域を分析した上で,地域毎に段階的に再開を決定していく。

- 再開戦略としては,第1フェーズは建設業及び製造業(感染リスクの少ないもの)を再開,第2フェーズは各事業の必要不可欠度と感染リスクを判断して事業を再開する。

- 第2フェーズは,第1フェーズの後,少なくとも2週間は開始されない。

- 如何なるフェーズであっても,地域外からの大勢の人を呼ぶイベントやビジネスの再開は認められない。

- 各事業の再開については,各事業者側が感染拡大予防措置を含む再開計画を作り州に提出する。州は,この計画を基に当該ビジネスが必要不可欠なものであるかを判断する。各事業者は,スポーツであれば無観客試合を経済的に成立させる工夫など,クリエイティブなビジネスモデルを構築する必要がある。

- 再開には地域間の連携も重要である。州南部はNJ州・CT州と,州北部の一部はMA州と,州西部はPA州との連携が必要。また,NY市・ウェストチェスター郡・ナッソー郡・サフォーク郡については,特に人口も感染者も多いので問題が残る。

- 対象分野については,交通・公園・学校・ビーチ及びビジネス等を包括的に考慮する。

- 各事業者は,再開に当たり,(1)従業員・顧客の安全性の確保,(2)職場環境の改善,(3)リスクを減らすための取組みを考慮した計画(注)を策定し,新常態(New Normal)に対応していく必要がある。

- 1人の感染者が直接感染させる平均数を表す再生産数(感染率)は,3月は3に近かったが現時点は0.8まで下がった。NY州北部では最大値が2.5を超えていたが現時点では0.9,NY市を含む州南部では約3であったが現時点では0.75まで下がっている。今後は,(1)入院者数,(2)抗体検査の陽性反応数,(3)ウイルス検査の陽性反応数の3つの数字を監視しつつ,社会経済活動の再開を検討する。

- 具体的再開のタイミングについては,NY州は,疾病予防管理センター(CDC)のガイダンス(日毎の入院者数が14日間連続減少していること)を尊重する。

- したがって,ガイダンスに照らせば,予断は許さないが,十分な感染拡大予防措置が取られることを前提にすれば,NY州北部地域のフェーズ1に該当する企業は,5月15日以降に再開できる可能性がある。

- 州南部(NY市,ウェストチェスター郡,ナッソー郡,サフォーク郡)の再開については,人々の行き来が多い隣接州(NJ州・CT州)との連携が必要になるため,状況は最も複雑である。

- (再開された)NYを再び想像するに当たって,我々はより良いNYを再建したい(In reimagining New York, we will build back better.)。

(注)今後,事業再開に当たって必要とされる再開計画の項目一例は以下のとおりです。

- 従業員・顧客の安全性の確保

個人防護具(PPE)の準備,接客の存在,他者との距離の確保,勤務者数,メンタルヘルス等の手当,感染に脆弱な従業員(高齢者)への対応(テレワーク等)

- 職場環境の改善

PPEの準備,消毒措置,オフィスの個々のスペースおける最大人員配置数の設定,オフィススペースの使用頻度,出勤・移動方法等

- リスクを減らすための取組み

仕事場での検査・追跡・隔離手順の確立,研修,感染リスク査定,連絡網の構築,行動規範等

◎(NY市)デブラシオ市長のメッセージ(4月26日)

- 本日は,今後の再開計画についてお伝えしたい。再開とは元の状況に戻るのではなく,賢明な段階を踏んで,より良く公平な市に移行していくことを意味する。そのためには経済を強く回復させることとともに,今次パンデミックで明らかとなった経済格差・人種間格差を埋めていく必要がある。

- 再開のための行程表を6月1日までに策定する。具体的には,大企業,中小企業,ヘルスケア,労働者,芸術・文化・観光,ソーシャルサービス,信仰団体,教育関係者の各セクターについて,セクター毎の影響や特有の問題を分析する諮問委員会を設置し迅速に会合を開催する。

- また,人種間の公平性を確保するために,市長夫人と副市長をヘッドとした市のタスクフォースを立ち上げる。今回の危機を通して,人種間格差の構造的な問題が明確になった。タスクフォースには各コミュニティを代表するリーダーを招いて,特に深刻な被害を受けたヒスパニック系・アフリカ系コミュニティを中心に問題を特定して対処を進める。

- 将来的には,全ての市民が公平に回復していく必要がある。このために,公平な回復に向けたタスクフォース(Fair Recovery Task Force)を立ち上げる。ここには,各界のリーダーが,危機後に強く,安全で,公平な社会経済を築くための議論を進める。

◎(DE州)マスクなどの着用の義務化

・ 4月28日(火)午前8時から,カーニーDE州知事の行政命令により,外出時のマスクなどの着用が義務化されます。小売店,スーパー,コンビニエンスストア,薬局,病院,公共交通機関等では,州民はマスクなどを着用する必要があります(2歳以下の子どもは除外)。違反者には50ドル以上500ドル未満の罰金又は60日以内の懲役が課されます。

・ マスクなど,鼻と口を覆うもの(face covering)は,マスクだけに限らず,スカーフやバンダナでも良いとしており,洗えるものは毎日洗濯をし,使い捨てのものは確実に廃棄するよう案内しています。なお,医療関係者が使用する医療用マスク(N95,KN95等)については医療資材が不足していることから,一般の方は使用を控えるよう協力を呼びかけています。

・ 5月1日(金)午前8時から,同じ行政命令により,州内の事業者は,従業員のためにマスクやハンドサニタイザーなどを準備することが命じられています。また,顧客がマスク等を着用していない場合,入店を断ることが命じられています。

◎ビジネス関連情報

・各州等のビジネス関連情報は以下をご覧ください。

【JETRO主催ウェビナーのご案内(商業不動産賃貸契約関係)】

 4月30日(木),ジェトロ・ニューヨーク事務所が,新型コロナウィルス感染拡大による長期ロックダウンが商業不動産賃貸契約へ及ぼす影響についてのウェビナーを開催します。本ウェビナーでは,Ballon Stoll Bader & Nadler, P.C.の茂木紀子弁護士を講師にむかえ,新型コロナウイルス感染拡大下での家賃交渉のポイント,家賃を対象とした支援・救済措置(Paycheck Protection Program(PPP)やテナント立ち退き猶予),倒産・撤退となった場合の契約解除などについて,実際の経営に役立つ情報をお届けする予定です。本ウェビナーの概要は,以下のとおりです。

 『長期ロックダウン下における商業不動産賃貸契約-家賃交渉のポイントや支援・救済措置について-』

-日時:2020年4月30日(木)4:00pm-5:00pm (米国東部時間)

-主催:ジェトロ・ニューヨーク事務所

-プログラム:

1.長期ロックダウン下における家賃交渉のポイントや支援・救済措置について

2.質疑応答

-講師:Ballon Stoll Bader & Nadler, P.C.  茂木紀子弁護士(ニューヨーク州・日本)

-講演言語:日本語

-参加費:無料

-定員:1,000名(当日先着順。定員になり次第,締め切り)

-申込み方法:右記よりお申し込みください。https://register.gotowebinar.com/register/7855125880060491534

【感染者数等に関する情報】

 4月26日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)

○ニューヨーク州:

 感染者数288,045名(282,143名), 死者数16,966名(16,599名)

・感染者数内訳(主なエリア)

 ニューヨーク市:

 感染者数158,258名(155,113名), 死者数11,648名(11,419名)

  NY市の内訳

   クイーンズ区:    48,745名(47,861名)

   ブルックリン区:   42,487名(41,660名)

   ブロンクス区:    34,970名(34,183名)

   マンハッタン区:   20,773名(20,280名)

   スタテン島区:    11,283名(11,129名)

 ナッソー郡:

 34,522名( 33,798名),死者数 1,962名(1,917名)

 サフォーク郡:

 32,059名( 31,368名),死者数 1,115名(1,085名)

 ウエストチェスター郡:

 27,664名( 27,231名),死者数1,054名(1,022名)

 ロックランド郡:

 11,256名( 11,091名),死者数 349名(340名)

○ニュージャージー州:

 感染者数109,038名(105,523名), 死者数5,938名(5,863名)

○ペンシルベニア州:

 感染者数  41,165名( 40,049名),死者数1,550名(1,537名)

○デラウェア州:

 感染者数     4,034名(  3,576名), 死者数  120名(  112名)

○ウエストバージニア州:

 感染者数 1,053名(  1,020名),死者数   34名(   32名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:

 感染者数 10,529名(10,373名),死者数707名(689名)

○プエルトリコ:

 感染者数 1,371名(1,307名),死者数 84名( 83名)

(※昨日の数値についてはプエルトリコ保健省の数値に基づき訂正。)

○バージン諸島:

 感染者数  57名(   55名),死者数     4名(    3名)

【医療関係情報】

◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。

・新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。

・ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

【領事窓口業務日及び受付時間,検温,マスク等の着用について】

◎在ニューヨーク日本国総領事館では,現在,領事窓口の業務日を月・水・金(除,休館日)の週3日とし,受付時間を10時30分-13時(査証申請受付は12時-13時)に短縮しています。なお,電話でのお問い合わせは月曜-金曜まで受け付けております。また,ご来館の際にはマスク着用をお願いするとともに,ご来館時に当館ビル1階受付にて検温(摂氏37.5度以上の場合は入館をお断りしています。)を実施しております。

詳細は以下リンク先をご参照ください。

【当地から日本への直行便に関する情報】

 4月19日より,当地から日本への直行便は原則として ANA の週1便のみとなっています。日本への渡航をご検討されている方はご留意ください。

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。

 御不明な点がありましたら当館まで御連絡をいただけますようお願いします。(電話:212-371-8222)

▪   ▪   ▪

【在ニューヨーク日本国総領事館】

・住所: 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

・TEL: 212-371-8222

・FAX: 212-319-6357

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

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