東部各州の経済社会活動の再開のプランと新型コロナウィルス関連情報(5月11日)

公開日 : 2020年05月11日
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新型コロナウィルス感染拡大の影響でアメリカ国内の各州が次々と自宅待機令や外出禁止令を発出し始めてから数か月、毎日落ち着かない日々が続いていますが、ここのところ、少しずつ規制が緩やかになっている州が増えてきたようです。本日付の在ニューヨーク日本国総領事館のお知らせには、ニューヨーク市でも、徐々に感染率が下がっているということ、ニューヨーク州、ウェストバージニア州、デラウェア州の経済社会活動の再開についての情報なども含まれています。私が住んでいる州でも緩やかになってきた地域もありますが、このあたりではまだ再開の目途が立っていないようです。

東部各州では、まだお天気や朝夕の気温差が激しく変わることがある時期なので、皆さま、引き続き体調など崩されませんよう、どうぞご自愛くださいね。

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以下、5月11日付の在ニューヨーク日本国総領事館のお知らせを引用掲載します。

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【州政府等による措置等のポイント】

(注)各州政府の措置等についても,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎(NY州)クオモ知事のメッセージ(5月11日)

- 昨5月10日の総入院者数は7226人と3日連続で8000人を下回り(28日連続減少),一日の入院者数(直近3日間平均)も488人と感染拡大が始まった3月20日以来500人を下回った。また,同日の死者数は161人と3月26日以来初めて200人を下回った。州の措置と州民の行動によりピークを完全に越え山の反対側を降りつつある。

- 経済社会活動の再開は,州内10の各地域で立ち上がる司令室が主導する。各企業は,州の基準を満たすことを条件に,各地域の司令室の許可を得て再開することになる。再開に当たり,企業は時差出勤や在宅勤務の実施,職場の安全確保(マスク着用・消毒・ 検温)等の安全予防措置を実施する体制を構築する必要がある。

- 現時点で再開のための7基準を全て満たしているのは,州北部の(1)フィンガーレイクス,(2)サザンティア,(3)モホークバレーの3地域。また,同じく州北部の(4)ノースカントリー及びセントラルニューヨークの2地域は1基準(1か月で人口1000人当たり30人が検査を受けていること)を満たしていないのみとなっている。

- これらの基準を全て満たした地域において,経済的影響が大きく感染リスクが低いビジ ネスから再開することを基本として,産業別に次の4段階に分けて再開する。

*第1段階:建設業,製造業,卸売業,一部の小売業,農業,林業,水産業

*第2段階:専門サービス,金融・保険業,小売業,事務職,不動産

*第3段階:レストラン,飲食サービス,ホテル

*第4段階:芸術,エンターテーメント,リクリエーション,教育

- 州の全域で,感染リスクの小さい次の活動については,5月15日をもって再開を認める。

*造園・園芸業

*低リスクの屋外リクリエーション活動(テニス等)

*ドライブイン映画館

- 再開のためのガイドライン「NY Forward/ A Gide to reopening New York & building back better」を策定したので,次のサイトにアクセスして確認してほしい。

- 当初,12万人の入院患者が予想されたが,州の措置と州民の行動により,感染率を下げ,数千人の命を救い大惨事を避けることができた。現在,国内の他の州は感染率が増加しているが,NY州では減少している。早急な再開をして感染者が再び増えた他国(ドイツ等),州内の連携が取れず混乱を招いた他州の失敗からも学ぶべき。私たちは賢明であり続けなければいけない。

◎(NY州)再開基準及び達成状況

・再開のための7基準と本5月11日に発表された各地域の達成状況は次のとおりです。

- 再開の基準となる7基準

(感染率の監視)

(1)総入院患者数が少なくとも14日間連続減少しているか,1日の新たな入院患者の数が15人以下であること(CDC基準)。

(2)1日の死者数が少なくとも14日間連続減少しているか,1日の死者数が5人以下であること。

(3)新たな入院患者数が10万人当たり2人未満であること。

(病院のキャパシティ)

(4)全ベッドの少なくとも30%が常に利用可能なこと。

(5)ICUベッドの少なくとも30%が常に利用可能なこと。

(検査と追跡)

(6)1か月で人口1000人当たり30人が検査を受けていること。

(7)10万人当たり30名以上の追跡要員を有していること。

- 各地域の達成状況

             満たした基準数  満たしていない基準

1)ニューヨーク市:     4/7     (3),(4),(5)

2)ロングアイランド:    5/7     (2),(3)

3)ミッド・ハドソン:    5/7     (2),(3)

4)キャピタルディストリクト:5/7     (1),(2)

5)モホークバレー:     7/7     無し

6)ノースカントリー:    6/7     (6)

7)セントラルNY:     6/7     (6)

8)サザンティア:      7/7     無し

9)フィンガーレイクス:   7/7     無し

10)ウエスタンNY:    5/7     (1),(2)

・各地域の達成状況については,以下のサイトで確認できます。

◎(NY市)社会経済活動の再開時期

・デブラシオ市長は,本5月11日の記者会見において,NY市の社会経済活動の再開時期について,データと科学に基づいて判断するとしながら,何か変化が起きるとしても6月になるだろうとの見立てを示しました。あわせて,個人防護具(PPE)の供給など,医療供給者に対する支援体制を拡充することも発表しました。

◎(NJ州)マーフィー知事のメッセージ(5月11日)

- 入院者数は州南部も含め,減少傾向にあり,ICUの患者数や人口呼吸器の使用数も減少傾向にある。

- リブリン・イスラエル国大統領と電話で話し,NJ州への支援を約束してくれた。

- 会見に同席していたメネンデス上院議員(民・NJ州)は,連邦レベルでもウイルス検査実施の戦略を考案すること,また州の財政破綻はなんとしてでも避けなければならず,共和党・民主党関係なく,議会が一丸となって取り組むことが重要である旨述べました。

◎(PA州)ウォルフ知事のメッセージ(5月11日)

- 新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるためのこれまでの措置は機能しており,法令に従ってこれを継続する必要がある。性急に経済活動を再開すると感染が拡大し,再度長期にわたって経済活動を止めなければならなくなる。再開の決定は科学者,医療関係者,疫学者の助言に基づいて州が行うものであり,それを待たずに郡が独自に経済活動を再開した場合,その郡を経済対策予算の配布対象外とする可能性がある。また,法令に従わずに営業する企業は,必要な免許や賠償責任保険による保証等を失う可能性がある( https://www.media.pa.gov/Pages/Insurance-Details.aspx?newsid=427 をご参照ください)。

◎(フィラデルフィア市)経済的支援プログラム

・フィラデルフィア市は,新型コロナウイルスの影響により収入を失った方を対象に,家賃支払いの補助を行うプログラムを設けています。明5月12日(火)午前10時から申請受付を開始し,5月16日(土)午後5時に締め切りとなっています。また,市は,新型コロナウイルスの影響により経済的状況が悪化した家庭に関して,州政府による緊急的な支援を行うプログラムについても紹介しています。なお,いずれのプログラムも財源に限りがあるため申請者全員が支援の対象とならない可能性があり,支給を希望する場合は早めに申請することを推奨しています。

 家賃支払い補助のプログラムに関する申請資格や申請手続きについては以下のサイトをご覧ください。

https://phlrentassist.org/

州政府による経済的支援プログラムに関する申請資格や申請手続きについては以下のサイトをご覧ください。

https://www.compass.state.pa.us/

◎(WV州)ジャスティス知事のメッセージ(5月11日)

- 本5月11日より,ウェルネスセンター(WV州のヘルスケアのライセンスを有するスタッフにより運営・監督されている施設のみ)及びドライブインシアターの再開を許可する。しかし,自宅待機推奨令は引き続き,有効であるので,自宅待機に務め,ソーシャル・ディスタンシングや鼻と口を覆うものを身につけることを続けてほしい。

- 5月15日(金)より,屋外のガイド付き釣りの再開を許可する。船には,ガイド1人・釣り人2人までと人数を制限する等のガイドラインを設ける予定。ガイドラインの詳細については近日中に発表する。

- 5月21日(木)から,WV州外の訪問者へ14日間の自主隔離を命じる行政命令を解除する予定。

- 5月21日(木)から以下の事業の再開許可を予定する。

・レストランの屋内での飲食。ただし,収容率は50%までにとどめる,座席と座席の間は6フィート以上間隔をあけること,また従業員は鼻と口を覆うものを身につけること等が再開のガイドライン中に定められる。

・大きい店舗(※モールは含まれない。従業員が10人以下の店舗は再開許可済みで,21日(木)からは10人よりも大きい店舗の再開許可を想定)や専門店。ただし,1000平方フィートにつき2人までの収容率とし,ソーシャル・ディスタンシングを維持する。試着室は可能な限り閉鎖する。試着された服は区別し,消毒すること等が再開のガイドライン中に定められる。

・州立公園のキャンプ場(州民のみ利用可)。州立公園のキャビンやロッジについては5月26日(火)から再開許可を予定。

・アウトドア・レクリエーション用の用具等(カヤック,自転車,ボート,ラフティング用のボート,カヌー,ATV(四輪バギー)など)のレンタル

・屋外のモータースポーツ,パワースポーツのレイシングの実施。ただし,観客はなし。

・Hatfield McCoyトレイル

ガイドライン等の詳細については下記サイトのWeek4をご参照ください。

https://governor.wv.gov/Pages/The-Comeback.aspx

- 6月8日(月)より,接触の少ない屋外スポーツの再開許可を検討している。

◎(DE州)ファーマーズ・マーケットの再開(5月15日以降)

・本11日,カーニーDE州知事は,5月15日以降,州内のファーマーズ・マーケットの営業を認める旨発表しました。ファーマーズ・マーケットはウォークスルーもしくはドライブスルーの形で開催され,一世帯当たり二人までしか入場できないなどの制限が課されます。マスク等を着用していなければ入場できず,マーケット内でも厳格な距離措置が取られる予定です。

◎ビジネス関連情報

・各州等のビジネス関連情報は以下をご覧ください。

  https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/covid19-sb.html

【感染者数等に関する情報】

  5月11日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)

○ニューヨーク州:

感染者数 337,055名(335,395名),死者数  21,640名(21,478名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

  ニューヨーク市:

感染者数 185,357名(184,417名),死者数  14,200名(14,116名)

   NY市の内訳

    クイーンズ区:         57,180名( 56,862名)

    ブルックリン区:        50,072名( 49,817名)

    ブロンクス区:         41,296名( 41,059名)

    マンハッタン区:        24,062名( 23,977名)

    スタテン島区:         12,747名( 12,702名)

 ナッソー郡:

38,337名( 38,217名),死者数   2,425名(2,413名)

 サフォーク郡: 

 36,911名( 36,702名),死者数   1,689名(1,667名)

 ウエストチェスター郡:

 31,384名( 31,294名),死者数   1,349名(1,341名)

 ロックランド郡:

 12,484名( 12,451名),死者数     421名(  417名)

○ニュージャージー州:

 感染者数139,945名(138,532名),死者数 9,310名(9,255名)

○ペンシルベニア州:

 感染者数 57,154名( 56,611名),死者数  3,731名(3,707名)

○デラウェア州:

 感染者数 6,565名(  6,447名),死者数 225名(  224名)

○ウエストバージニア州:

 感染者数 1,366名(  1,360名),死者数  54名(   54名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:

 感染者数13,312名(13,236名),死者数 1,034名(1,024名)

○プエルトリコ:

 感染者数 2,256名(  2,198名),死者数 113名( 111名)

○バージン諸島:

 感染者数 69名( 69名),死者数   5名(   4名)

【医療関係情報】

◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。

・新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。

・ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)。

https://www1.nyc.gov/assets/doh/downloads/pdf/imm/coronavirus-factsheet-jp.pdf

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

【領事窓口業務日及び受付時間,検温,マスク等の着用について】

◎在ニューヨーク日本国総領事館では,現在,領事窓口の業務日を月・水・金(除,休館日)の週3日とし,受付時間を10時30分-13時に短縮しています(査証(ビザ)の申請受付については12時-13時)。なお,電話でのお問い合わせは月曜-金曜まで受け付けております。また,ご来館の際にはマスク着用をお願いするとともに,ご来館時に当館ビル1階受付にて検温(摂氏37.5度以上の場合は入館をお断りしています。)を実施しております。

詳細は以下リンク先をご参照ください。

https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-03-30.html

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。

  https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-refs.html

 御不明な点がありましたら当館まで御連絡をいただけますようお願いします。(電話:212-371-8222)

▪   ▪   ▪

【在ニューヨーク日本国総領事館】

・住所: 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

・TEL: 212-371-8222

・FAX: 212-319-6357

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

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