東部6州、バージン諸島とプエルトリコの新型コロナウイルス関連情報(5月10日)

公開日 : 2020年05月10日
最終更新 :

5月10日、日曜日。アメリカは今日が「母の日」なので、私は義母とフェース・タイムで話をしました。長年住んでいたアパートを引き払って、義姉夫婦がリフォームしたばかりの2階建ての広々とした家に引っ越しをした日だったので、義母はとても嬉しそうでしたが、小さなアパートにとても愛着があった義父のほうは、私が、新しい家が気に入ったかどうか尋ねると「ノー。」と断言していました。介護が必要な義父を慮ってこの時期に決行したことだったようですが、義父が慣れるまでには、もう少し時間がかかるかもしれません。

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介護といえば、在ニューヨーク日本国総領事館から届いた本日付のお知らせに、介護施設の保護についての情報が含まれていました。

以下、引用掲載します。

***

【州政府等による措置等のポイント】

(注)各州政府の措置等についても,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎(NY州)クオモ知事のメッセージ(5月10日)

- 《現状》昨5月9日の総入院者数は7262人と2日連続で8000人を下回り(27日連続減少),一日の入院者数(直近3日間平均)も521人と感染拡大が始まった3月20日(489人)以来の水準となり,ようやく開始地点まで戻ってくることができた。また,同日の死者数は207人と3月27日と同じ水準となった。

- 《介護施設》介護施設及び高齢者の保護は全米での課題であり,NY州はこれまで(1)入居者の最後を看取る場合を除く訪問者の制限,(2)施設内の感染者に対応する施設職員の個人防護具着用等,(3)施設職員全員の12時間毎の検診,(4)入居者に陽性反応が出た場合及び入居者が亡くなった場合24時間以内に全ての入居者及び家族への通知,(5)感染が拡大した場合入居者及び施設職員の隔離,などといった措置を講じてきた。また,NY州は州内の介護施設に対し,N95マスク100万枚,サージカルマスク500万枚以上,手袋620万枚以上,フェイスシールド60万枚近く,手術衣50万以上を配布した。事実として,NY州は全米で最多となる10万1518人の介護施設の入居者を抱えるが,施設でのコロナウイリスによる

死亡率は全米34位の12%である(1位WV州81%,2位メイン州80%,3位PA州66%)。今後,保護を更に強化するため,本5月10日,介護施設の高齢者を保護するための追加措置を講じる。

- 《川崎病に似た症例》コロナウイルスに感染した子供(主に幼児から小学生)で川崎病又はtoxic shock-like syndromeに似た症状のある85の症例を調査している。この症状により州内で3名の子供が亡くなったが,更に2名の子供が亡くなった事例も調査しており,本5月10日,他の49州に対し本件に関する通知を発する予定。

- 《レムデシビルの使用》抗ウイルス薬「レムデシビル」が,感染者の早期回復に役立っている。連邦政府保健福祉省(HHS)はNY州に対し,HHSが特定したNY州内の15の病院に入院している2900人の感染者を治療するために抗ウイルス薬を提供しており,今週,更に500人の感染者を治療するために当該薬が提供される予定である。

- 《活動の再開》社会経済活動の再開については明日詳細を発表するが,(1)感染拡大をコントロールしていることをデータで示せるか,(2)各地域は病院のキャパシティ・検査・追跡・隔離等の基準をクリアできているか,また,各事業主は十分な安全予防措置を講じているか,という2点が重要となる。

- 《連邦政府への要望》各州はやるべきことはやっているが,州の権限には限界がある。全ての州政府は,社会経済活動の閉鎖による減収及びコロナウイルス感染症対策のための支出増のため,財政支援を必要としている。NY州の21-24年度財政計画期間の歳入は610億ドル減少する見込みであるが,コロナウイルス関連で,今後2年間,年50億ドルの追加予算が必要となる。MTA等各組織は厳しい財政状況に直面しており,連邦政府の支援がなければ,学校予算20%,地方政府への補助20%,病院予算20%抑える必要があるが,これらの職種の支出削減は容易ではないため,他の予算項目において大きな支出削減が求められることになる。本年NY州は,コロナウイルス感染症による損失のために,約350億ドルを必

要としている。翻って,これまでの連邦政府の経済対策は,ホテル,レストラン,航空産業,大企業,公共企業等の実業界を救済しているので,追加の経済対策は労働者層を支援すべきである。

- 《The Americans First Lawの提案》リーマンショック時に実施された,労働者を保護しない企業を救済するという過ちを2度と繰り返してはならない。従業員を解雇するいかなる企業に対しても連邦政府は補助金を与えるべきではない。私は,企業が今次パンデミック前と同じ数の従業員を雇用しなければ,連邦政府の補助金を受けることができないという「The Americans First Law」を提案したい。

◎(NY州)介護施設保護のための追加措置

・本5月10日発表された介護施設の高齢者を保護するための追加措置は以下のとおりです。

- 介護施設が,職員,施設,器具等の面で入居者一人一人に適切なケアを提供できない場合,当該入居者を転移させるためにNY州保健局に連絡する。

- 介護施設内で入居者に感染者が発生した際に,何らかの理由により当該感染者に適切に対応できない場合,当該感染者を転移させるためにNY州保健局に連絡する。

- 全ての介護施設職員は,1週間に2度ウイルス検査を行う。

- 病院は,感染者が陰性にならない限り,患者を介護施設に戻してはならない。州は,介護施設の入居者のために,感染の有無に関わらず代替施設を確保している。

- 介護施設が以上の義務に従わない場合,施設のライセンスを取り消す。

・介護施設の入居者に適した,感染者専用施設は以下の通り。

(州北部)

 ・Catholic Health's St. Joseph Post-Acute Center

 ・SUNY Upstate Medical University

(州南部)

 ・Javits Center

 ・South Beach Psychiatric Center

 ・Brooklyn Center for Rehabilitation and Healthcare

 ・SUNY Downstate Medical University

◎(NY市)デブラシオ市長のメッセージ(5月10日)

- 《レムデシビルの使用》NY市の公立病院は,コロナウイルス患者の治療のために,レムデシビルの使用を開始したが十分な数を確保できていない。連邦政府は50万回分を確保しているが,NY市には4000回分しか提供されていない。5月中に3万9000回分のレムデシビルを提供してほしい。

- 《川崎病に似た症例》川崎病に似た症状の小児性多臓器系炎症性疾患(Pediatric Multi-System Inflammatory Syndrome)の発症が市内で38名(そのほか,9名の結果待ち)に確認され,3名が亡くなった。発症者の47%はウイルス検査で陽性を示し,陰性患者のうち81%は抗体を持っていた。この病気の主な兆候は,継続的な熱,発疹,腹痛,嘔吐であり,市はこのような兆候が出た子供全員に対して抗体検査を実施する。また,親に対して注意喚起を行うとともに,最前線で働く労働者のマスクの着用,除菌ジェルの使用を徹底する。

- 《他者との距離》他者と一定の距離を取ることを徹底するために,現在1000名の"Social Distancing Ambassadors"を2300名体制に拡大する。彼らは他者と一定の距離をとるように指導する。また,鼻と口を覆うものの配布も増加する。

◎(DE州)学校に関する行政命令(5月10日)

・本10日,カーニーDE州知事は行政命令を出し,全ての学校について2019-20年度(academic year)の残りの期間を休校としたことに関し,児童,教員,その他従業員が不利益を被ることのないよう詳細を規定し,また,同年度が終了するまで遠隔教育が十分に行われることを命じました。

https://news.delaware.gov/2020/05/10/governor-carney-signs-sixteenth-modification-to-state-of-emergency/

◎ビジネス関連情報

・各州等のビジネス関連情報は以下をご覧ください。

【感染者数等に関する情報】

  5月10日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。(カッコ内は前日の数)

○ニューヨーク州:

 感染者数335,395名(333,122名),死者数21,478名(21,271名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

  ニューヨーク市:

 感染者数184,417名(183,289名),死者数14,116名(14,011名)

   NY市の内訳

    クイーンズ区:         56,862名( 56,493名)

    ブルックリン区:        49,817名( 49,461名)

    ブロンクス区:         41,059名( 40,804名)

    マンハッタン区:        23,977名( 23,881名)

    スタテン島区:         12,702名( 12,650名)

  ナッソー郡:          

 38,217名( 38,028名),死者数 2,413名(2,388名)

(注:昨日の感染者数について誤りがあったため38,028名に訂正しました。)

  サフォーク郡:           

 36,702名( 36,461名),死者数 1,667名(1,647名)

  ウエストチェスター郡:       

 31,294名( 31,087名),死者数 1,341名(1,328名)

  ロックランド郡:         

  12,451名( 12,400名),死者数  417名(  410名)

○ニュージャージー州:

 感染者数 138,532名(137,085名),死者数 9,255名(9,116名)

○ペンシルベニア州:

 感染者数 56,611名( 55,316名),死者数 3,707名(3,688名)

○デラウェア州:

 感染者数  6,447名(  6,277名),死者数 224名(  221名)

○ウエストバージニア州:

 感染者数  1,360名(  1,335名),死者数  54名(   53名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:

 感染者数13,236名(13,030名),死者数 1,024名(1,017名)

○プエルトリコ:

 感染者数 2,198名(  2,156名),死者数 111名( 107名)

○バージン諸島:

 感染者数   69名( 68名),死者数   4名(   4名)

【医療関係情報】

◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。

・新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。

・ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)

◎当地の病院やクリニックは,完全予約制を導入し,付き添い人数を制限(一人のみ)するなど予防措置をしながら外来を受け付けているところが多い模様です。また,一部の病院では電話診察,オンライン診療(有料)を導入しているところもあるようです。ただし,当地の医療事情については,日々状況が変化しますので,皆様ご自身で病院やクリニックのHPや直接電話するなどして,ご確認くださるようお願いします。

【領事窓口業務日及び受付時間,検温,マスク等の着用について】

◎在ニューヨーク日本国総領事館では,現在,領事窓口の業務日を月・水・金(除,休館日)の週3日とし,受付時間を10時30分-13時に短縮しています(査証(ビザ)の申請受付については12時-13時)。なお,電話でのお問い合わせは月曜-金曜まで受け付けております。また,ご来館の際にはマスク着用をお願いするとともに,ご来館時に当館ビル1階受付にて検温(摂氏37.5度以上の場合は入館をお断りしています。)を実施しております。

詳細は以下リンク先をご参照ください。

https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-03-30.html

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。

 御不明な点がありましたら当館まで御連絡をいただけますようお願いします。(電話:212-371-8222)

▪   ▪   ▪

【在ニューヨーク日本国総領事館】

・住所: 299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

・TEL: 212-371-8222

・FAX: 212-319-6357

筆者

アメリカ・ワシントンDC特派員

舞林鳥 恵

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