【デラウェア州】DCから約２時間☆スロータービーチで噂のカブトガニ発見!

公開日 : 2022年08月21日

最終更新 : 2022年08月21日

筆者 : 舞林鳥　恵

残暑お見舞い申し上げます。

先週、夏の終わりのビーチに行ってきました。アメリカ東部デラウェア州の北に位置するスロータービーチはワシントンDCのユニオン駅から車で約2時間のところにある穴場ビーチです。海岸線にボードウォーク、レストランなどはないので比較的地元の人が多いビーチかもしれません。

スロータービーチのシンボルがホースシュークラブというアメリカカブトガニというだけあって、この日は浜辺でたくさんのホースシュークラブを見ることができました。「全米野生生物連盟：ホースシュークラブ」のウェブページによると、ホースシュークラブは 3 億年以上前から存在していて(恐竜よりも古い)先史時代のカニのように見えますが、実はサソリやクモとより密接に関連しているとのこと。英語名のホースシュークラブ(Horseshoe crab)は、馬の蹄鉄のように頭が丸くてU字型であることから名付けられたそうです。へえっ！

壊れてしまっているカニの甲羅は一見メタルの破片に見えます。ホースシュークラブに触ったのは初めてですが、甲羅がものすごく硬くて、叩いてみると太鼓をたたいた時のように響く音がするものもありました！　化石と呼ばれるのにも十分納得いくような見かけのも数多くありました。この日見つけたのは、プラスティックの水のボトルの高さ(25㎝)程度のが多かったです。大きいカニの甲羅をひっくり返してみると肉厚のもあったのですが、浜辺で魚釣りをしていた人によると、ホースシュークラブは食用にはしないのだそうです。

生態がおもしろそうなので、帰宅後「全米野生生物連盟：ホースシュークラブの説明）原文は英語です)」をざっと読んでみたら、以下のことがわかりました。

〇ホースシュークラブの体は3つに分かれている。

1．頭部(プロソマ: prosoma): 神経・生物学的器官の多くを含む。脳、心臓、口、神経系、腺、目は大きなプレートで保護されている。ホースシュークラブの目は9つあり体全体に点在する。

3．体の中央部分(腹部: opisthosoma)。側面に可動式のトゲがある。トゲが、カニを保護する。腹部の下側には、運動のための筋肉と、呼吸のためのエラがある。

4．尾(テルソン: telson)長くてとがっており、危険ではなく、有毒でもなく、刺すのにも慣れている。ホースシュークラブは、背中を押された場合、背骨を使って体をひっくり返す。

〇オスは、メスの約 3分の1の大きさ。メスの頭部から尾までは18‐19インチ（46－48cm）に成長するがオスは約14から15インチ（36から38㎝）。

〇ホースシュークラブの成長段階によって生息地が異なる。

〇晩春から夏にかけて沿岸の海岸で産卵が行われる。(孵化した幼体は、沖合の干潟の砂海底で見られる)

〇成体は、産卵のために浜辺に戻るまで海の奥深くで餌を食べる。

〇ホースシュークラブは、デラウェア湾の生態系のキーストーン種である。

日本ではどの辺にいるのか調べてみたら、岡山県、山口県、佐賀県、長崎県、福岡県、大分県に生息しているようですね(出典:環境省のウェブサイト「環境省_せとうちネット：カブトガ二」)。

ほのぼのとしたスロータービーチには、ビーチパトロールやライフガードはおらず、近隣のリホボスビーチ、ベサニービーチ、オーシャンシティなどにあるようなお土産屋さんもありませんが、浜辺をのんびり散歩したい、砂浜に寝そべって疲れを癒したい、という人達にはうってうつけのビーチだと思います。私が訪れた日は泳いでいる人は少なかったのですが、魚釣りを楽しんでいる家族連れや犬連れのカップルもいました。持参のランチを食べることができるパビリオンや清潔なトイレもありましたよ。