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イギリス/ウェルシュプール特派員ブログ キャノン 純子 さん

イギリス・ウェルシュプール特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

Suet Mae!(シュマイ!こんにちは!)
9月も最終日を迎え、ウェールズはすっかり秋も深まり、しっとりとした美しさが楽しめる季節となりました。
今日は朝から雨が降りつづいていたため、"読書の秋"と称し、家でゆっくり本を読んで過ごしましたが、爽やかな秋晴れの日には自然の中でウォーキングやサイクリング、ゴルフなど"スポーツの秋"を楽しみたくなります。
そこで今回は、ウェールズのブレコン・ビーコンズ国立公園で初心者も気軽に体験できる人気のアクティビティ、「ポニー・トレッキング」をご紹介します。
新型コロナウイルスがいまだ猛威をふるっていますが、収束したらぜひ訪れてほしいおすすめの場所です。
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▲ ブレコン・ビーコンズ国立公園のポニー・トレッキング体験

■ 南ウェールズの自然の宝庫「ブレコン・ビーコンズ国立公園」
ウェールズ中部から南部にかけて広がる「ブレコン・ビーコンズ国立公園(Brecon Beacons National Park)」は4つの山脈からなり、滝が点在する緑豊かな渓谷や美しい湖、シダの生い茂る谷や神秘的な鍾乳洞など、魅力あふれる大自然の宝庫です。
ロンドンから車で3〜4時間で訪れることができるのでキャンプはもちろん、ハイキングやクライミング、サイクリングや乗馬などの様々なアウトドア活動を気軽に楽しめる場所として人気があり、週末や行楽シーズンには多くの人でにぎわいます。
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▲ ブレコン・ビーコン国立公園のスタンディング・ストーンズ


■ 乗馬に最適!ウェールズ原産の「ウェルシュ・ポニー」

ウェールズには乗馬に最適とされるウェールズ原産の「ウェルシュ・ポニー&コブ(Welsh Pony&Cob)」がいます。

山地や荒野に生息していた野生のポニーを祖先とし、ローマ人が持ち込んだ東洋の種馬と交配させたのがウェルシュ・ポニーの始まりといわれていて、紀元前1600年頃には祖先がいたとされる、とても歴史ある品種です。

温和で人に従順なウェルシュ・ポニー&コブは大きさによって、4つの種類に分類されていますが、小型のものは子供や小柄な女性の乗用馬として人気があります。
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▲ ウェールズ原産のウェルシュ・ポニー&コブ


■ 6歳からOK!初心者にもおすすめの乗馬体験「グランジ・ポニー・トレッキング」
ウェールズにはビジターでも気軽に乗馬を楽しめる場所が数多くあり、それぞれ独自の乗馬体験コースを用意しています。
ブレコン・ビーコンズ国立公園東部、ブラック・マウンテンズの山麓にある「グランジ・ポニー・トレッキング・アンド・アコモデーション(The Grange Pony Trekking and Accommodation)」もそのひとつで乗馬用に訓練された温和なポニーと経験豊かなインストラクターが揃った宿泊も可能な乗馬施設です。
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▲ ブレコン・ビーコンズ国立公園にある乗馬施設「グランジ・ポニー・トレッキング・アンド・アコモデーション」

今回、おすすめするポニー・トレッキングは6歳から参加できて、初めての方にも安心の半日体験(Harf-Day Treks)です。
グランジ・ポニー・トレッキングでは通常、午前(10:00〜13:00)または午後(13:30〜16:30)の1日2回、約2時間の外乗が楽しめる半日ツアーを催行。
事前にメールまたは電話での予約が必要ですが、予約の状況次第で当日の参加申込みも対応してくれます。
また、当日は受付で乗馬経験の有無や身長、体重、既往歴、緊急連絡先などの質問事項が記載された用紙への回答の記入と署名が必要となります。
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▲ 「グランジ・ポニー・トレッキング・アンド・アコモデーション」の受付

受付を済ませたあとは貸し出しのヘルメットを装着し、いよいよ厩舎へ。
スタッフが参加者の体型や経験値に合わせて、ポニーを選んでくれます。
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▲ 厩舎で参加者のポニーを選ぶスタッフ

もちろん、乗馬前には同行のインストラクターから、ツアーの注意事項や乗馬の手順、基本的なポニーの操作方法や頭絡、鞍など馬具についての説明があり、参加者全員が理解したかどうか、不明な点がないことをしっかり確認します。
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▲ 乗馬前にツアー参加者へ説明するインストラクター

そして、いよいよ、約2時間のトレッキングがスタート!
インストラクターが先頭で動き始めると、参加者を乗せたポニーたちは慣れた様子で列を作り、あとに続きます。
厩舎を出発した瞬間から、目の前には緑豊かなブレコン・ビーコンズ国立公園の大自然が広がり、緊張も一気にワクワクへと変わります。
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途中、通過する渓谷ではポニーたちが水を飲んでしばしの休憩。参加者たちもそれぞれ撮影を楽しむことができます。
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放牧されている羊もポニーには慣れた様子で動じることなく、のんびり草を食べてます。
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グランジ・ポニー・トレッキングの半日コースでは通常、ブラック・マウンテンズの中腹まで上がるそうで、この日もゆっくりしたペースで徐々に山腹を上がりました。
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そして、ブラック・マウンテンズの中腹からはブレコン・ビーコンズ国立公園の雄大な自然と絶景のパノラマが満喫できます。
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復路では一度、下馬して、引き馬も体験。そして、再度、乗馬して、往路と異なるルートでトレッキングを続行。最後まで飽きることなく、乗馬を楽しめます。
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トレッキングを終えたあとは各自でポニーを厩舎の指定場所に戻して、乗馬体験は終了。

今回の半日ポニー・トレッキング、2020年の体験料金はヘルメットのレンタル付きで£40(約5500円)。
グランジ・ポニー・トレッキングでは他にも、1日体験(Day Treks)やプライベートレッスン、宿泊付きのパッケージプランなどがあり、どれも日本やロンドン近郊の乗馬クラブに比べて、お値打ちに外乗が楽しめます。
料金や各プランの詳細は公式ウェブサイトでご確認ください。
また、受付担当のジェシカさんは日本で1年間、英語教師として働いたこともある親日家でとてもフレンドリーな方です。英語でのやりとりにはなりますが、親切に対応してくれますのでいつでも気軽にお問い合わせください。

■ グランジ・ポニー・トレッキング・アンド・アコモデーションへの行き方
・ ロンドン・パディントン駅から列車で約3時間(ニューポート駅乗り換え)、アバガヴェニー駅下車。
・ アバガヴェニー駅から車で約40分。

グランジ・ポニー・トレッキングの周辺には「古本の町」として知られるヘイ・オン・ワイもあります。
南ウェールズへお越しの際にはぜひブレコン・ビーコンズ国立公園とともにお訪ねください。
1日でも早くこの事態が収束し、また安心して旅行できる日がくることを心より願います。

■ The Grange Pony Trekking and Accommodation
・ 住所: Capel-Y-Ffin, Nr Abergavenny, Monmouthshire, Wales NP7 7NP
・ 公式ウェブサイト: http://www.grangetrekking-wales.co.uk/2076777.html

撮影協力:The Grange Pony Trekking and Accommodation
2020年9月30日

Suet Mae!(シュマイ!こんにちは!)
9月中旬を迎え、ウェールズは朝晩が急に冷え込むようになり、すっかり秋めいてきました。
そして、いつもこの時期になると訪れたい場所があって、先週、オックスフォードから友人が遊びに来てくれたので北ウェールズの観光も兼ねて行ってきました。
それは日本のガイドブックではほとんど紹介されることのない田舎町スランウストにある小さなティールームなのですが秋に”衣替え”をすることで知られ、毎年見頃になるとローカル紙に写真が掲載されるほど地元では有名な店です。
そこで今回は北ウェールズの人気ティールーム「Tu Hwnt I’r Bont Tearoom」を紹介します。
新型コロナウイルスがいまだ猛威をふるっていますが、収束したらぜひ訪れてほしいおすすめの場所です。
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▲ スランウストのティールーム「Tu Hwnt I’r Bont Tearoom」(2020年9月8日撮影)

▪️ 秋色に染まるフォトジェニックな「ティ・フント・イル・ポント・ティールーム」
イギリスといえば、アフタヌーンティー発祥の国。
ロンドンをはじめ、どの町や村にもアフタヌーンティーやクリームティー(スコーンと紅茶のセット)などが楽しめるティールームがあります。
スノードニア国立公園近郊の小さな村スランウスト(Llanrwst)にある「ティ・フント・イル・ポント・ティールーム(Tu Hwnt I’r Bont Tearoom)」もそのひとつで「橋を越えたティールーム」を意味するウェールズ語の店名通り、ティールームは村のシンボルでもあるコンウィ川に架かる石橋、スランウスト橋を渡った場所にあります。
店全体に蔦が絡まる風変わりなその外観はとても印象的で川の対岸から石橋とともに映る風景は絵本の挿絵そのもの。
フォトジェニックですてきなティールームはいつも訪れる人々を魅了します。
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▲ 秋色に染まる「Tu Hwnt I’r Bont Tearoom」(2019年9月29日撮影)

ケルト神話が残るウェールズには森の精霊や魔法使いなど、自然と融合した幻想的なものが多く登場するのですが、この「ティ・フント・イル・ポント・ティールーム」も”妖精のお休みどころ”と伝えられています。
ウェールズの大自然に抱かれるようにたたずみ、蔦が新緑になる春や濃い緑になる夏、紅葉で赤く染まる秋や雪化粧する冬など、四季折々で違った姿を見せるティールームは本当に妖精が魔法をかけているかのようです。
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▲ 「Tu Hwnt I’r Bont Tearoom」の夏の風景(2019年6月6日撮影)

15世紀に裁判所だった建物は現在、ナショナル・トラストが管理し、ティールームとギャラリーを運営。冬期を除いて、一般に公開しています。
建物内は1階がティールーム、2階がギャラリーになっていて、古民家のような梁や柱などの造りと年季の入った家具が素朴で温かみがあり、落ち着いた雰囲気のなかでゆっくりティータイムを楽しめます。
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▲ 2階のギャラリーではスランウストの写真や風景画などを展示・販売。カレンダーやポストカードはおみやげにおすすめ

ティールームでは紅茶をティーパックではなく、リーフで出していて、茶器はチャーチルのブルー・ウィロウと正統派スタイル。クロテッドクリームではありませんが、たっぷりのホイップクリームとジャムでいただくスコーンとも相性抜群です。
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▲ 「Tu Hwnt I’r Bont Tearoom」のアフタヌーンティー(£17.30)

おみやげ用に店内で販売もしているウェールズの伝統菓子バラ・ブリスは創業当時からの製法で作られている自慢の一品でアフタヌーンティーにもついてきますが単品(£3)でも楽しめます。
ほかにもウェールズならではのメニューとして、伝統菓子のウェルシュケーキ(£3)やウェールズ風チーズトーストのウェルシュレアビット(£8.50)などがあり、どれもおすすめです。
また、ティールームで使用されている卵や野菜、ハムなどの食材はすべて地元のもので手作りのジャムやチャツネは販売もしてます。
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▲ 「Tu Hwnt I’r Bont Tearoom」のメニュー(撮影協力: Tu Hwnt I’r Bont Tearoom)

メニューの表紙の写真は数年前の9月中旬に撮影されたものとのことですが、その年の気候によって、色付き具合や時期が異なるため、ベストのタイミングに訪れるのは難しいかもしれません。
それでも、美しい自然に囲まれたティールームは春夏秋冬どの季節も趣があるのでいつ立ち寄っても撮影したくなります。
ただし、冬は休業するため、外観の撮影は可能ですが店内はご覧いただけないのでご注意ください。
訪ねる際には事前にウェブサイトを確認していただくことをおすすめします。

▪️ ティ・フント・イル・ポント・ティールーム(スランウスト)への行き方
・ ロンドン・ユーストン(Euston)駅から列車で約4時間、スランドゥドゥノ・ジャンクション(Llanudno Junction)駅へ。途中、クルー(Crewe)駅やチェスター(Chester)駅で乗り換えが必要になります。
・ スランドゥドゥノ・ジャンクション駅でウェールズ線に乗り換え、列車で約30分、スランウスト(Llanrwst)駅へ。
・ スランウスト駅からティ・フント・イル・ポント・ティールームまでは約600m、徒歩7〜8分。

■Tu Hwnt I’r Bont Tearoom
・ 住所: Llanrwst LL26 0PL
・ URL:  https://www.tuhwntirbont.co.uk/

北ウェールズの観光地コンウィからもバスで30分ほどの場所なのでウェールズへお越しの際にはぜひお訪ねください。 1日でも早くこの事態が収束し、また安心して旅行できる日がくることを心より願います。
2020年9月17日

Suet Mae!(シュマイ!こんにちは!)
先週、ロンドンからのお客様をお迎えして、ピークディストリクト国立公園へご案内しました。
以前、このブログでも観光の起点となる町「バクストン」&「ベイクウェル」を紹介させていだきましたが、1951年にイギリスで初めて国立公園に指定されたピーク・ディストリクトは湖水地方と並ぶ、人気の観光エリアです。
ただ、イギリスではロックダウン以降、営業を再開したほとんどの観光施設で事前の予約やチケットの購入が必要となり、今までのように当日の天候や気分に合わせて、観光のスケジュールを決めることが難しくなりました。
そこで今回は広大な邸宅と庭園を一般に公開している比較的、当日でも予約が取りやすい、ピーク・ディストリクトのおすすめ観光スポット、「チャッツワース・ハウス」をご紹介します。
敷地内の無料エリアにはレストランやカフェ、ショップもあるので駐車場のみ利用し、食事や買い物だけ楽しむこともできます。週末や天気の良い日には散策やピクニック、日光浴を楽しむ人々でもにぎわいます。(現在は駐車場も事前の予約と支払いが必要です)
今はまだ海外旅行を楽しめる状況ではありませんが、収束したら、是非、お訪ねいただきたい場所です。

■ イギリスを代表する貴族の館「チャッツワース・ハウス」
チャッツワース・ハウス(Chatsworth House)はピーク・ディストリクト国立公園の中にある16世紀に建てられたイギリスを代表する優美なカントリー・ハウス(貴族の館)で、450年以上の歴史を誇るデボンシャー公爵(キャベンディシュ家)の邸宅として、現在も使われています。
ジェーン・オースティン原作の映画『プライドと偏見』のロケ地としても有名で邸宅の一部と庭園は春からクリスマス前までの期間、一般公開されているため、ピーク・ディストリクトでも人気の観光地のひとつです。
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▲ 広大な敷地をもつ豪華絢爛なデボンシャー公爵の邸宅「チャッツワース・ハウス」

チャッツワース・ハウスの見学では庭園の散策と30もの豪華な部屋や個人のコレクションとしては世界有数の絵画、彫刻などの美術品を観賞することができます。
庭園も約42ヘクタール(東京ドーム約9個分)と広大なので、すべてを見学するにはたっぷり1日かかります。

2020年8月現在、見学には事前予約が必要で、邸宅内ではマスクを装着し、ソーシャルディスタンスを維持できるよう一方通行に従って進むことになります。
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▲ チャッツワース・ハウスの見学専用ゲート。現在は入館時にスタッフが事前予約を確認

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▲ 邸宅の入口には現在、見学者用に手洗い場も設置

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▲ 北エントランスホール内の受付。事前に購入したチケットの確認とガイドブックを販売(£6)

通常はオーディオガイドの貸し出しをしていますが、現在はサービスを中止しているため、受付では見学に便利なガイドブックの購入をおすすめしています。
ただし、販売されているガイドブックは英語版と中国語版のみのため、日本語を含む他の言語での案内は公式ウェブサイトでご覧いただけるようになっています。
現在も第12代デボンシャー公爵夫妻が居住されている邸宅のため、各部屋には一般的な観光施設のように詳しい説明や案内がほとんどありません。
訪問前にウェブサイトで各部屋の説明をご覧いただくと見どころもわかりやすくおすすめです。
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▲ ギリシャ彫刻が訪問者を迎える北エントランスホール

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▲ 歴代のデボンシャー公爵が収集した絵画や美術品が展示されている北の副回廊

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▲ 豪華な大理石と天井画で装飾されたチャペル(礼拝堂)は現在も洗礼式などで使われている

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▲ 壁面がすべて重厚なオークパネルで装飾されたオーク・ルーム

以前の見学ルートはエントランス・ホールから北の副回廊を抜けると最初にチャッツワース・ハウスで一番人気の「ペインティッド・ホール(Painted Hall)」でしたが、現在は順路が変わっていて、グラウンド・フロアー(地上階)の最後に見学となります。
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▲ 鮮やかな天井画と壁画、模様張りの床と中央の大階段が美しいペインティッド・ホール

映画『プライドと偏見』の撮影にも使われたペインティッド・ホールは中央に美しい階段が配置された華やかな吹き抜けの大広間です。
上階のアーチまで敷かれたカーペットの上を優雅に歩けば、貴族の気分になれる?かもしれません(笑)
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▲ 上階から眺めたペインティッド・ホール

向かい側の階段上にある中央のアーチと左右のドア上部にある人物像は彫刻に見えますが眺めている側と対象になるように描かれた”だまし絵”です。


地上階を見学したあとはグレート・ステアーズ(大階段)で1階から2階へ上がります。

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▲ イングランドで初めて造られた片持ちの大階段


2階もステート・ドローイング・ルーム(応接室)やステート・ミュージック・ルーム(音楽の部屋)、ステート・ベッドチャンバー(寝室)など豪華で見応えのある部屋が続きます。

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▲ ヴァイオリンの”だまし絵”がドアの奥に隠れているステート・ミュージック・ルーム


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▲ 重厚で光沢のある美しい生地で装飾された天蓋付きベッド


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▲ オリエンタルな食器で装飾されたステート・クローゼット


スケッチ・ギャラリーと呼ばれる絵画のコレクションや現代アートが展示された回廊を進むと2階の見学は終了。階段で1階へ下りて、再度、ペインティッド・ホールを反対側から眺めることができます。

1階にもライブラリーや北ウィングにつながるグレート・ダイニング・ルーム、スカルプチャー・ギャラリーなど必見の部屋が続き、最後まで飽きることなく楽しめます。

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▲ 17000冊以上の蔵書が美しいマホガニーの本棚に収められているライブラリー


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▲ 煌びやかなシャンデリアや燭台で装飾されたグレート・ダイニング・ルーム


1832年にこのグレート・ダイニング・ルームで初めて晩餐会が催された際、ゲストとして招待されたのが女王になる前のビクトリア王女(当時13歳)だったそうです。
長い歴史をもつこの貴族の館では数々のドラマが繰り広げられ、今に伝えられます。
その中には第10代公爵の長男に嫁いだジョン・F・ケネディの妹キャスリーン・ケネディのお話も……。
悲劇の一族ともいわれるケネディ家ですが、キャスリーンの人生もまた短く儚いものでした。
チャッツワース・ハウスの後継人でもあった夫が結婚からわずか数ヶ月で戦死。キャスリーンは若くして未亡人となります。
傷心の彼女はこの館で暮らし続けることができず、ロンドンへ戻り、しばらくして第8代フィッツウィリアム伯爵と出会います。
しかし、当時、彼が既婚者だったことから、キャスリーンは家族に交際を猛反対されます。
そして、結婚を決意したふたりは承諾をもらうため、家族が暮らすフランスへ向かう途中、飛行機の墜落事故に遭い、キャスリーンは28歳の若さで亡くなります。

チャッツワース・ハウスの歴史にふれながら、最後に見学する部屋もまた映画の撮影に使われた「スカルプチャー・ギャラリー」です。
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▲ 美術館のように見事な彫刻が展示されてるスカルプチャー・ギャラリー

見学コースを終えると出口も兼ねたオランジェリー・ショップ(売店)。
チャッツワース・ハウスのオリジナル・グッズや第12代デボンシャー公爵夫妻がセレクトした商品、ジェーン・オースティンの作品や映画にちなんだものなど、品揃えも充実していて土産選びにもおすすめです。
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▲ ショップ内にある映画の撮影用に造られたダーシーの彫像

ショップを出ると有料区域の庭園です。
邸宅の見学には庭園も含まれるため、予約の時間に合わせて、先に庭園を見学することもできます。その場合は庭園の専用ゲートからの入場となります。
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▲ 庭園で日光浴やピクニックを楽しむ人々

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▲ 庭園の高台にはある階段状のカスケード(水路)

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▲ ビクトリア時代にロシア皇帝を迎えるため造られた「皇帝の噴水」

庭園の有料区域にはこの他に仕掛けつきの噴水やメイズ(迷路)、ロック・ガーデン(岩庭園)、ローズ・ガーデン、キッチン・ガーデン、グリーン・ハウス(温室)など、歩き疲れるほど見どころが満載です。

そして、忘れずに立ち寄ってもらいたいのが邸宅の一部と勘違いしてしまうほど、立派な外観のステーブル(厩舎)。
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▲ 18世紀半ばに建てられたステーブル。

駐車場近くの無料区域にあるこのステーブルは現在、レストランとカフェ、ショップになっていて、誰でも気軽に利用することができます。
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▲ 入口で馬の像が出迎えるステーブル内の様子。

2020年は未定ですが例年であれば、毎年6月にフラワーショー、9月にカントリーフェアー、12月にはクリスマスマーケットなど、季節に合わせていろいろなイベントが開催されます。
ピーク・ディストリクトへお出かけの際には是非、このイギリスを代表する貴族の館「チャッツワース・ハウス」にも訪れてみてください。

■ チャッツワース・ハウスへの行き方
・ ロンドン・ユーストン(Euston)駅から列車で2時間(ストーク・オン・トレント駅で乗り換え)、マックルスフィールド(Macclesfield)駅下車。
・ マックルスフィールドからチャッツワース行き58番バスで1時間20分、チャッツワース・ハウスへ。

■ Chatsworth House
・ 住所: Bakewell DE45 1PP
・ 公式ウェブサイト: https://www.chatsworth.org

1日でも早く事態が収束し、安心して旅が楽しめるようなることを願っております。 撮影協力:Chatsworth House All texts & photos by Junko Cannon
2020年8月30日
2020年8月 5日
2020年7月23日
2020年7月18日
2020年7月 5日
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    キャノン 純子 さん
    大手旅行会社の添乗員として、20年以上、国内・海外を問わず、お客様の旅のサポートに従事。欧州を中心に約60ヵ国の渡航経験あり。2016年6月、結婚を機にウェールズへ移住。その後、地元カレッジで調理師資格を取得し、現在は地元のレストランでシェフとして働きながら、今までの経験を活かし、ウェールズを中心とした現地コーディネーターとして活動中。観光情報や文化、生活など幅広い分野でウェールズの魅力をお届けします。
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