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イギリス/ウェルシュプール特派員ブログ キャノン 純子 さん

イギリス・ウェルシュプール特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2020年4月27日

設立125周年を迎えたイギリス最大の自然保護団体「ナショナル・トラスト」


設立125周年を迎えたイギリス最大の自然保護団体「ナショナル・トラスト」

Suet Mae(シュマイ! こんにちは!)
2020年3月23日から始まったイギリスのロックダウンも1ヵ月が経過しました。
外出の自粛が続くなか、「自宅での時間を楽しく、有意義に過ごそう!」と多くのアイデアがソーシャルメディアなどで紹介されています。
オンライン学習や読書、フィットネス、ガーデニング、掃除、料理など、いろいろありますが......私はこの数日、景観保護団体「ナショナル・トラスト」のハンドブックを読むのにハマっています。
会員向けに毎年、送られてくるハンドブックですが、時間をかけてじっくり読んだことがなかったので、この機会に今までに訪れた場所やこれから訪ねたい場所に印をつけたり、場所を調べたりして、空想旅行を楽しんでます。
nationaltrust1.jpg
▲ ナショナルトラスト会員に届くハンドブックとメンバーカード、駐車ステッカー

そこで、今回はイングランドやウェールズ、北アイルランドを旅する際、訪れる機会も多いナショナル・トラストをご紹介します。
現在、ロックダウン中のため、ナショナル・トラストの管理する施設は駐車場も含め、すべて休業していますが、ウェブサイトでは各施設の情報や活動報告などを無料でご覧いただけますので併せてご案内します。

ボランティアが支えるイギリス最大の自然保護団体「ナショナル・トラスト」
19世紀のイギリスは産業革命にともない、各地で住宅や道路、鉄道の建設など都市開発が進められていました。
そして、湖水地方ではイギリスを代表する詩人ワーズワースが美しい自然環境を守ろうと鉄道建設反対を唱え、それに続いたローンズリー司祭が1895年、弁護士サー・ロバート・ハンター、社会福祉運動家のオクタヴィア・ヒル女史と共に「歴史的名所や自然的景勝地のためのナショナル・トラスト」(National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty)、通称「ナショナル・トラスト」を設立。
「国や行政に頼らず、一般の人から集めた会費や寄付を資金に、開発にさらされそうな自然や歴史的建造物、景勝地を買い取り、国民の遺産として保持していく」を理念に活動を始めました。
『ピーター・ラビット』の物語で知られる絵本作家ビアトリクス・ポターが湖水地方に所有する広大な土地を寄付した話は有名ですが、ほかにも多くの著名人や一般の人たちがこの活動に賛同し、設立から125年を迎えた現在、ナショナル・トラストは590万人の会員と7万人のボランティアが支えるイギリス最大の自然保護団体となっています。

寄贈第1号の景勝地、北ウェールズ「ディナス・オレィ」

現在、ナショナル・トラストは500以上の歴史的建造物や景勝地を保有し、有料または一部無料で一般公開していますが、設立時、最初に寄贈された場所は北ウェールズのバーマウス(Barmouth)にあるハリエニシダ(黄色い花をつける低木)が群生する丘「ディナス・オレィ」(Dinas Oleu)でした。
今でも当時と変わらない美しい自然が保たれている、この丘へは麓の町バーマウスからフットパスを利用して、無料で訪れることができます(駐車場は町の有料駐車場を利用)。

Dinasoleu.jpg
▲ ディナス・オレィの丘から望むバーマウスの町

この4.5エーカーの土地を管理することから始まり、現在では総面積25万ヘクタール(東京都とほぼ同じ面積)以上の土地を保有するナショナル・トラスト。
今日に至るまでの125年間、イギリスの美しい風景を守るため、多くの人たちの協力のもと、絶え間ない活動が続けられていることを実感できる、おすすめの場所です。

■Dinas Oleu
・住所: Barmouth LL42 1BL


ハンドブックに載っていない北ウェールズのシークレット・レイク「クレゲナン」

現在、ナショナル・トラストは多くの歴史的建造物や景勝地を保有、管理しているため、配布されるハンドブックでは紹介しきれていない場所もたくさんあります。

基本的に有料の施設が掲載されていますが、ここは無料で、ほかにも知る人ぞ知るといった場所も多く、わが家では勝手にシークレット・プレイスと呼んでいます。

数年前、キャンプに出かけた際に偶然見つけた北ウェールズの「クレゲナン」(CREGENNAN)もシークレット・レイクと呼ぶお気に入りの場所です。

cregennan1.jpg ▲ ナショナル・トラストの保有地であることを知らせる案内板

IMG_1603.JPG ▲ 冬の晴れた日に撮影した「クレゲナン」の湖と山

cregennan3.JPG ▲ 山頂から望むバーマウス湾 愛犬ジャスパーもお気に入りの場所


夏は緑も多く、季節ごとに違った自然美が楽しめます。

cregennan4.jpg ▲ 友人家族と共に訪れた夏のクレゲナン / 撮影協力:Jones Family


無料駐車場から山頂までは片道30〜40分程です。途中、整備されていない登山道もありますが、スニーカーなど歩きやすい靴であれば、気軽に山頂までのハイキングを楽しめます。

また、駐車場には無料のトイレも完備しています(時期によっては閉鎖されている場合もありますのでご注意ください)。

cregennan5.jpg ▲ 麓の駐車場(中央右端)から続く山頂までの登山道 / 撮影協力:Mrs.Jones

Cregennan Lakes: 住所 Arthog LL39 1LJ

こうしたハンドブックで紹介されていないナショナル・トラストが管理する美しい景観地を見つけ出すのもイギリス国内を旅する楽しみのひとつです。

ナショナル・トラストの会員制度

ナショナル・トラストでは活動に協賛する人のためのさまざまな会員制度があります。

会費を払って、メンバーになるとイギリス全国にあるナショナル・トラスト施設への入場や駐車場の利用が無料になるほか、ショップでの割引サービスを受けられます。


【2020年】年会費(個人): 大人(26歳以上)£72 / 中人(18〜25歳)£36 / 子供(5〜17歳)£10


上記、個人の年会員のほかにジョイント(ペア)会員、ファミリー会員、終身会員などの設定もありますので、詳細はウェブサイトでご確認ください。

ちなみに、イギリス国内にはもうひとつ、スコットランドに本部を置く「ナショナル・トラスト・スコットランド」があります。
基本的な活動理念は同じですが、1931年にスコットランドで設立され、スコットランド内の歴史的建造物、景勝地を保有し公開している別のチャリティー団体です。
ただ、両団体は提携しているので、どちらかの会員であれば、いずれの施設も無料で見学が可能です。
ナショナル・トラストでは会員の年会費のほか、一般の入場料や物販による収益などが施設の維持や保護に充てられるため、会員でなくても、訪問することで活動をサポートすることになります。
これからも、イギリスのすばらしい歴史的建造物や自然を守っていくため、多くの人に活動を知っていただき、訪ねていただきたいとナショナル・トラストのウェブサイトでは常に情報を発信しています。

National Trust 公式ウェブサイト: https://www.nationaltrust.org.uk/


今後もしばらくは旅行ができない状況が続きますので、ウェブサイトを利用して、イギリスの美しい自然や史跡をお楽しみいただければと思います。
皆さまもどうぞ、体調には気をつけてお過ごしください。

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2020年4月27日
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  • 特派員プロフィール
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    ウェルシュプール特派員
    キャノン 純子 さん
    大手旅行会社の添乗員として、20年以上、国内・海外を問わず、お客様の旅のサポートに従事。欧州を中心に約60ヵ国の渡航経験あり。2016年6月、結婚を機にウェールズへ移住。その後、地元カレッジで調理師資格を取得し、現在は地元のレストランでシェフとして働きながら、今までの経験を活かし、ウェールズを中心とした現地コーディネーターとして活動中。観光情報や文化、生活など幅広い分野でウェールズの魅力をお届けします。
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