イングランド&ウェールズ最高峰「スノードン山」おすすめ絶景ハイキング!

公開日 : 2020年08月05日
最終更新 :
筆者 : June

Suet Mae!(シュマイ!こんにちは!)

8月に入り、連日20℃以下の涼しい日が続くウェールズですが、7月最終日は久しぶりの夏日という予報だったこともあり、テンションも上がった?のでイングランド&ウェールズ最高峰のスノードン山へハイキングに行ってきました。

そこで今回はイギリスで最も人気があるハイキングエリアといわれるウェールズの「スノードン山」とおすすめのハイキングコースを紹介します。

今はまだ新型コロナウイルスが猛威をふるっていますが、収束したらぜひ訪れてほしいウェールズの大自然と絶景が楽しめる場所です。

■ イングランド&ウェールズ最高峰「スノードン山」

ウェールズ北西部にあるスノードン山(Snowdon) は標高1085mのウェールズ最高峰でイギリスのスリー・ピークスと呼ばれる名峰のひとつです。ちなみに残りのふたつはスコットランド最高峰ベン・ネヴィス(1344m)とイングランド最高峰スカーフェル・パイク(978m)。

スノードン山を中心に周辺はスノードニア国立公園となっていて、湖や洞窟が点在する自然豊かなエリアです。

また、スノードン山はイギリスで唯一頂上まで運行する登山鉄道が整備されているので、ハイキングをしなくても、観光で気軽に山頂を訪れることができます。

snowdonrailway1.jpg

▲ スノードン登山鉄道とハイキングを楽しむ人たち

■ ハイキング初心者でもOK!「スランベリス・パス」

スノードン山頂までの登山ルートはいくつかありますが、そのなかでも人気が高く、初心者でも楽しめるルートが今回紹介する「スランベリス・パス(Llanberis Path)」です。

スランベリス・パスはその名のとおり、スノードン山の麓にあるスランベリス(Llanberis)の町が出発点となっています。

snowdonsign.jpg

▲ スランベリスの町にある標識。Snowdonの方向へ進むとスランベリス・パスの入口

llanberispath1.jpgのサムネイル画像

▲ スランベリス・パス入口に設置された案内板。総距離9マイル(14.5km)、往復所要時間6時間、累積標高975mなどの説明がウェールズ語と英語で併記

スランベリス・パスは他のルートに比べて、総距離はあるものの、急なアップダウンが少なく、比較的平坦な上りが続いているので子供や愛犬とともにハイキングを楽しむ人も多いルートです。

llanberispath2.jpg

▲ スランベリス・パスの道標

snowdon3.jpg

▲ 平坦な上りが続くスランベリス・パス。

日本の山と違い、森林など視界を遮るものがないため見晴らしもよく、途中、放牧されている羊たちにも出合えます。

そして、なんといってもこのスランベリス・パスの人気の理由は登山鉄道と併走して頂上まで続いていること。

登山が苦手だったり、体力に自信がない人でも往路は登山鉄道を利用して上がり、復路はゆっくりと景色を楽しみながら下るといったハイキングのアレンジが可能です。

実際に観光で山頂のサミット(Summit)駅に登山鉄道で上り、車内からハイキングを楽しむ人たちを見て、歩いて下山したくなる人も少なくないので、サミット駅では上りのハイキングで体力を使い果たしてしまった人向けに空席や予備席を販売しています。

snowdonrailway2.jpg

▲ 3分の2地点のクログウィン駅では復路用に片道乗車券を£23(大人料金)で販売

ただし、残念ながら2020年はCOVID-19対策のため、山頂のサミット駅は閉鎖が決定。現在、登山鉄道は3分の2地点のクログウィン(Clogwyn)駅で折り返し運行となっています。

そのため、鉄道を利用しても、頂上までの残り3分の1、約1時間は歩いて目指すしかありません。

snowdonrailway3.jpg

▲ 2020年の折り返し地点、クログウィン駅から山頂へ続くスランベリス・パス

もちろん、クログウィン駅からでもスノードニア国立公園の雄大な自然と絶景は十分楽しめます。

snowdon4.jpg

▲ クログウィン駅から展望を楽しむ人たち

ただ、注意しなければならない点がひとつ。

サミット駅の閉鎖にともない、現在、麓のスランベリス駅を除いてはクログウィン駅や山頂などハイキング途中に利用できるトイレやカフェがありません(スランベリス駅から徒歩10分ほどの地点にあるカフェ「Penceunant Isaf」のみ営業)。

そのため、登山鉄道も片道45分、クログウィン駅で30分の休憩時間を合わせて、往復2時間で運行しています。

スランベリス・パスの出発点となる麓のスランベリス駅でトイレや売店、カフェを利用したあとは頂上までの往復総距離14.5km、往復ハイキングの場合、目安とされている所要時間約6時間はトイレがないことと必要な飲料や食料は持参しなければならないことを覚悟して挑まなければなりません。

例年であれば、スランベリス・パスの中間地点にある休憩施設「ハーフウェイ・ハウス(Halfway House)」と頂上のサミット駅が営業しているのでこのような心配は無用ですが、2020年は長時間のハイキングとなるとかなり不便な状況にはなります。

halfwayhouse.jpg

▲ スランベリス・パスの中間地点にある休憩施設「ハーフウェイ・ハウス」(2020年は休業)

それでも、しっかり準備をして、山頂までのハイキングを楽しむ人は多く、私たちが訪れた平日の午後でも山頂地点の撮影ポイントはそれなりににぎわっていました。

summit.jpg

▲ スノードン山の頂上とサミット駅(2020年は閉鎖のため、利用不可)

summit2.jpg

▲ 山頂地点の撮影ポイント。例年は登山鉄道の乗客もいるため、順番待ちの長い列ができる場所

この日は残念ながら山頂に到着した頃から曇り始め、視界も悪くなったため、持参した軽食をとったあとすぐに下山しました。天気がよければ、絶景の大パノラマを楽しみながらゆっくりと過ごしたい場所です。

summit3.jpg

▲ スノードン山頂からの景色(2019年7月撮影)

このスノードン山は1953年にエベレスト登頂に成功したエドモンド・ヒラリー卿がトレーニングをした場所としても知られています。

この日もハイキングの途中、ロッククライミングをしている人たちの姿を見かけました。

snowdon5.jpg

▲ 岩肌がむき出しになった山が連なり、湖が点在するスノードニア国立公園

スノードン山の名前は古典英語の「雪の丘(Snow Hill)」に由来するそうですが、ウェールズ語名の「アル・ウィズヴァ(Yr Wyddfa)」は「塚」を意味し、伝説王として知られるアーサー王が倒した巨人をこのスノードン山頂に葬ったことから名づけられたのだとか......。

アーサー王の伝説が多く残るウェールズらしい言い伝えですが、スノードン山頂に立ち、眼下に広がる雄大な景色を見渡すと、大地を征服したアーサー王の気分になるのは私だけではないはず(笑)

アーサー王伝説に興味がある方にもおすすめの場所です。

最後に......ウェールズはイギリスでも特に天気が変わりやすい場所なので、訪ねる際は事前に天気予報をよく確認し、状況に合わせて雨具や防寒具を持参してください。

天気がいい日でも山頂は麓に比べて気温は低く、風が吹きつけるので防寒着は必要です。

また、登山鉄道も悪天候の場合、運休となる場合がありますのでご注意ください。

天候や体調にはくれぐれもお気をつけいただき、安全なハイキングをお楽しみください。

1日も早く安心して旅を楽しめる日が来ることを願っております。

■ スランベリスへの行き方

・ ロンドン・ユーストン(Euston)駅から列車で約4〜5時間、バンガー(Bangor)駅へ。途中、クルー(Crewe)駅やチェスター(Chester)駅での乗り換えが必要となります。

・ バンガー駅からはスランベリス行きのバス(85番)で約50分。スランベリスのバス停からスノードン登山鉄道駅までは150m、徒歩1分です。

■ Snowdon Mountain Railway

・ 住所: llanberis, Caernarfon LL55 4TU

All text & photos by Junko Cannon

筆者

イギリス特派員

June

60カ国以上の渡航歴あり。2016年、結婚を機に英ウェールズへ移住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。