若冲さんが来てくれました

公開日 : 2013年09月05日
最終更新 :
プライス展 front.jpg

氏のコレクションの日本国内での公開は2006年から翌年にかけて東京、京都、福岡、名古屋で行われた巡回展が最後になる予定でした。しかし氏は2011年に起こった東日本大震災の惨事にひどく心を痛め、再度コレクションを公開することで被災地と被災者を勇気付けようとされました。展覧会はこの3月から、宮城県(仙台市博物館)、岩手県(岩手県立美術館)を巡り、福島県(福島県立美術館)が東北の被災3県の最後の開催地となります。

福島県立美術館図書館.jpg

私も一昨日(3日)、山形新幹線に乗り、片道2時間近くかけて見に行って来ました。着くなり感動したのが美術館の建物(写真の左側. 右は県立図書館)とそのロケーション。広大な敷地に立つ窓のない大きな建物は中世ヨーロッパの城砦のようで、建物のレンガ色と背景の信夫山(しのぶやま)の深緑とのコントラストに見とれてしまいました。同じ思いなのか、来場者の多くが写真を撮っていました。

ほとんどの来場者は若冲の作品が目当てなのでしょうが(私もそうです)、〈若冲展〉ではありません。期間中、作品の入れ替えがありましたが、展示されている作品数は80有余点。若冲のものは約20点です。とは言えやはり若冲は〈大取り〉、最後の「若冲の広場」「生命のパラダイス」などにまとめて展示されています。若冲は言うに及ばず、初めて知った画家のものも含め、作品のすべてが実に素晴らしいものばかりでした(こんなことしか書けません)。

プライス展 back.jpg

当日は平日とは言えかなりの混み具合。午後も半ばだったせいか子供たちもたくさん来ていました。行ったり来たり、人の間を縫うように1時間余りかけて観賞して来ましたが、最後の作品は若冲の「鳥獣花木図屏風」、子ども向け作品名「花も木も動物もみんな生きている」です。

この前が一番の人だかり。8万6千個の桝目からなる絵(桝目描(ますめがき))で、西陣織の下絵にならって描かれたとされ、「絨毯のような質感表現をねらったものとも考えられます」と解説書にありました。今で言うなら8万6千画素の絵画ですね。

この絵を見て思い出したのが裸の大将・山下清のちぎり絵。これも沢山のピクセル(ちぎった色紙)で構成されたもので、若冲も山下もとうの昔にデジタル技術を習得していたのでしょうか?

開期は残すところ18日。まだの方はお急ぎ下さい。若冲の作品をこれほど見られる展覧会はもうないのでしょうか?

プライスさん、もっと見せて下さい。

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