「結婚は男女間のみ」 クロアチア国民投票

公開日 : 2013年12月01日
最終更新 :

今日12月1日、クロアチアでは国民投票が行われています。

この国民投票は、憲法に「結婚は男女間のみで行うもの」という定義を盛り込む是非を問うもの。

教会やカトリック組織がこの国民投票の実施を求め、「U ime Obitelji (家族の名の下に)」という組織を結成、

国民投票を請求するために人々の署名を集める活動をしてきました。

私も何度もイェラチッチ広場で、この署名を集める活動を目にしました。

(下の写真は「U ime Obitelji (家族の名の下に)」が人々に配布していたパンフレット。)

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一方、政府与党などは「少数派の権利を脅かす恐れがある」と反対してきましたが、

カトリック組織「U ime Obitelji 」が74万人もの署名を集めることに成功し、

憲法裁に実施を認められたため、今日国民投票が実施される運びとなりました。

賛成多数で憲法が改正されると、クロアチアで同性婚は認められなくなります。

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(「U ime Obitelji 」のパンフレット。「ZA」はクロアチア語で英語の"for"にあたる単語、つまり

  「憲法改正に賛成を!」という意味。)

下の写真は先月28日にイェラチッチ広場で行われたパフォーマンス。

憲法に「結婚は男女間のみで行うもの」という定義を盛り込むことに反対の市民団体が、

「憲法改正に反対を!」を人々に呼びかけるためにパレードやコンサートが行われました。

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憲法改正に反対のさまざまなミュージシャン達が終結、人々に憲法改正反対に投票するように

呼びかけました。

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セヴェリーナをはじめとする、クロアチアの多くの有名スターたちの多くは、この憲法改正に反対の姿勢をとっており、テレビ局などのマスコミ関係もどちらかというと反対派寄りの姿勢をとってきました。

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(「PROTIV」はクロアチア語で英語の"against"。「憲法改正に反対に投票を!」を呼びかける横断幕)

ですが熱心なカトリック教徒が多く、まだまだ保守的なクロアチア。。。

反対派を押し切って賛成多数で憲法改正がなされることが予想されていますが、どうなるのでしょうか。

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ちなみに、今回の国民投票のために約4500,0000クーナ(約8億1千万円)もの税金が使われました。

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憲法改正賛成派からは

「今回の憲法改正には賛成。結婚はやはり男性と女性の間のみで行うべきもの。

 同性婚を認めた場合、同性カップルが養子を迎えられる権利を持つことになる。

  特に子供にとっては男性、女性がそれぞれお父さん、お母さんの役割を持った家庭で

  育つことが最適な環境であるはずだ。」との意見が。

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反対派からは

「少数派を弾圧する人権侵害だ。結婚のあり方を憲法で決めるべきではない。」との意見が。

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一方、「こんな国民投票のために莫大な税金を使うなんてバカげている。

失業率も高く、貧しくてその日に食べるパンもなくあえいでいる国民がいるのに、

こんな憲法を盛り込むために大金をつぎ込むなんてどうかしてる!

他に解決するべきこと、お金をかけるべきところがあるはずなのに。」

という意見も。

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(↑28日のパフォーマンスは反対派と賛成派が衝突して混乱が起きないように、厳重な警備の中行われました。)

クロアチアをはじめお隣のセルビアなど、保守的な人が多いバルカン半島では

同性愛者に対する風当たりがまだまだ強いのが現状です。

クロアチアやセルビアで行われるプライド・パレード(同性愛者のパレード)では、

反対派によるパレード参加者への投石や暴行が行われたりと、毎年たくさんの逮捕者がでています。

(クロアチアでは2011年からスプリットで毎年6月に行われているプライド・パレードが有名です。)

クロアチアやセルビアなどを旅行中に、プライド・パレードが行われているのを見かけた際は、

興味本位で近づかず、事故や暴動に巻き込まれないようにくれぐれも注意してください。

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"400万人の人々があなたの人生を決めるなんて、あなたならどう思いますか?"

(※クロアチアの人口は約440万人)

最近は友達と集まると、今回の憲法改正の話で持ちきりでしたが、色んなことを考えさせられました。

彼も、彼の家族も友達も、みんなこぞって今日の国民投票に行ってきました。

(まだ投票権のない私は、家でお留守番をしていました)

もうすぐ国民投票の結果がでますが、どうなるのかひっそりと見守りたいと思います。

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