憲法による同性婚の禁止が確定 クロアチア国民投票

公開日 : 2013年12月03日
最終更新 :

12月1日に行われた、憲法に「結婚は男女間で行うもの」という定義を盛り込む是非を問う

国民投票の結果がでました。

結果は賛成65.87%、反対33.51%。

賛成多数で憲法改正が承認され、これによりクロアチアでは「同性間の"結婚"」は

憲法により認められなくなります。

クロアチア全体で最も反対の投票が多かったのは、反対が49.17%のザグレブ市。

その他クロアチアのほとんどの都市では賛成が約7割、反対が約3割という結果となりました。

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クロアチア国民やメディアの大半は「やっぱりこの結果になったか」という少し冷めた反応。

カトリック教徒が約9割を占めるクロアチアでは、伝統的な家族の形を重視する保守的な人が多く、

賛成多数で憲法改正がなされることは国民投票実施前から予想されていました。

投票日の1日は日曜日だったため、教会でのミサで一部の神父らが「ミサの後まっすぐ家に帰らず、

"賛成"に投票してくるように」と呼びかけを行ったとも報道されています。

クロアチア政府は「マイノリティの権利を脅かす恐れがある」と今回の国民投票にあまり積極的ではありませんでしたが、前回お伝えしたように、カトリック組織「U ime Obitelji 」が74万人もの署名を集めることに成功し憲法裁に国民投票の実施を認められたため、やむなく国民投票を実施する形となりました。

今年7月にEUに正式加盟したクロアチアは、マイノリティの権利の擁護を求めているEU諸国の視線が気になるところ。同性カップルの相続や社会保障などで男女間の既婚カップルと同様の権利を認める制度の法案の制定など、より"西欧"の風潮に見合うよう努力をしてきたクロアチア政府にとっては、あまり好ましくない投票結果となりました。

(現在EU加盟28カ国中、8カ国で同性婚が合法的に認められています)

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実施前から賛成派が勝つことが予想されていた今回の投票結果を受けて、クロアチア国民は

さほど驚いていないようですが、一方であまりもの低い投票率に衝撃が広がっています。

最終的におよそ4800,0000クーナ(日本円で約8億6千400万円)もの税金が使われた

今回の国民投票に参加したのは有権者のわずか37.90%。

国民の7割近くが「今回の国民投票は税金の無駄遣いだった。」との考えを示しています。

また特に若い人たちの間では「結果は予想はしていたけれど残念。EUに加盟してやっと西欧の一員になれたと思っていたけれど、クロアチアはまだまだ保守的な国だということが浮き彫りなった。」という声も。

一方、既に「同性間の"結婚"は憲法で禁止されたが、同性カップルの社会的権利を認める

"人生のパートナー"制度を制定しよう」という方向に向けて、クロアチア政府は動き始めています。

同性間の"結婚"は禁止となりましたが、同性カップルの権利拡大に向けての動きが進められています。

まだまだ保守的なクロアチアですが、これからどう変化してゆくのか観察してゆきたいと思います。

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