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クロアチア/ザグレブ特派員ブログ 小坂井 真美

クロアチア・ザグレブ特派員が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

2014年5月22日

内戦後も残り続ける地雷の恐怖 1日でも早く被災地の復興、地雷撤去活動が進むことを願って。。。


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内戦後も残り続ける地雷の恐怖 1日でも早く被災地の復興、地雷撤去活動が進むことを願って。。。

ここ数日立て続けにお伝えさせていただいている、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、クロアチア、セルビアの洪水被害。昨日もお伝えさせていただいたように 、世界各国からの支援が各被災地に届いています。

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クロアチアの避難所では食料がじゅうぶんに行き届いており、現在は電池や懐中電灯、復興作業のための長靴などの備品、蚊よけ対策グッズなどが必要とされているようです。しかし、一方ボスニア・ヘルツェゴヴィナは食料も含め、まだまだ支援物資が不足している状態のよう。また大きな懸念はやはり先日お伝えさせていただいたように、地雷による二次被害です。地すべりで地雷区域が動いてしまったり、地中から流出したもの、瓦礫に混ざってしまったものがある可能性もあり、予測不可能な事態となっている地域もあります。今後復興作業を進める上で地雷による更なる被害が出ないことを祈るばかりです。

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今日も家族と「水がだいぶ引き、村の親戚は後片付けの作業を始めたらしい。週末あたりにボスニアへ向かおう」と話しながらふっと頭をよぎったのが、地雷の恐怖。

(大氾濫して故郷の村を襲ったボスナ川。写真は1年前の平穏なボスナ川。)

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以前にお伝えさせていただいたように、彼らの故郷の家の裏を流れるボスナ川の河川沿いには、まだまだたくさんの地雷が残されており、村のまわりには地雷による立ち入り禁止区域もたくさん見かけました。それらの地雷が泥や土砂に紛れているかもしれないと思うと恐ろしくて仕方がありません。

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思わず彼に「今すでに作業をしている親戚は大丈夫なの?」と聞くと「何とも言えない・・・。危険はないとは言えないけど、家の中の泥を掻きださないと・・・自分たちがしなきゃ、誰も助けてくれないし、あそこに住む家族たちは、あの家しかないからね。放っておくとますます酷い状況になるだけだし、危険だとか考えても仕方がないんだよ。地雷が紛れてるかもしれないと言って待っていても、すぐに誰かが駆けつけて調べてくれるわけにも行かないし、どうしようもない。特にあんな小さな村なんて、いつ調査が来るかなんてわかりゃしない。ボスニア(・ヘルツェゴヴィナ)のあの村の地雷も、どうして長年"立ち入り禁止"の立て札を立てるだけで、(撤去作業を進めず)そのままになっているか知ってる?」という答えが。

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勉強不足の私は即答することができませんでしたが、みなさんはどうしてか、おわかりでしょうか・・・?

mine.jpg

(ボスナ川の近くで見つけた"地雷注意"の標識)


「地雷撤去が進まないのはいろんな理由があるけれど、ボスニアは貧しいから・・・地雷撤去を進めたくても、数も多すぎるし、人も足りないし、なかなか思うようにいかないんだ。だからあの村の周りや、僕の家の裏庭の向こうにも"立ち入り禁止"の札がいつまでたっても立っているだけで、地雷は残ったまま・・・。ところ構わず、人を殺すためにあんなに大量の地雷を埋めるなんて、どうかしてる。残酷でとても悲しいけれど、でもそれが戦争なんだ。でも地雷さえなければ・・・」と言葉を詰まらせる彼。

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以前 、彼のお父さんは戦争で命を落したとお伝えしましたが、お父さんが亡くなった原因は地雷でした。銃弾に倒れた友達を助けようと駆け寄った瞬間、地雷を踏んでしまい、炸裂した地雷の破片が首元を直撃。それが致命傷となり、その後病院に運ばれている間に亡くなってしまったのです。彼は当時4歳と幼い子供でしたが、今でもお父さんがなくなった日の事や戦時中の村の様子や体験を一部鮮明に覚えているそうです。わずか31歳にしてこの世を去ったお父さん。

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「31歳というと、あと5年後の自分。まだまだやりたかったこともたくさんあっただろうし、どんな思いで死んでいったのかと思うと、本当にやりきれない・・・。どこかの大馬鹿野郎が地雷をそこら中見境なしに埋めたせいで父は死んだんだ。誰を恨んでも仕方がないのだろうけど・・・。戦争さえ起きなければ・・・地雷さえなければ・・・。」とつぶやく彼。
たまに思い出したかのようにお父さんのことを話してくれる彼ですが、地雷の話は普段あまり触れることはありません。彼や家族、友達からこのような話を聞くことに、いつかみなさんにもお伝えしたいと思いながら、そのままになっていることが多いですが、また機会があればお伝えさせていただきたいと思います。

(村に帰るごとにみんなで遊びに行ったボスナ川。
 今は地雷危険地域がずれた可能性もあり、危険な状態のようです。)

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「少しでも早くボスニアから地雷がなくなるといいのに。でも、国が貧しいからなかなか進まない。たくさんの人や国が、ボスニアの地雷撤去のために長年協力してくれてきているけれど、今回日本が地雷撤去のために多額の支援金を送ってくれると知ったとき、うれしかった。有意義に支援金が使われて、1つでも多くの地雷がなくなるといいな。」と語ってくれた彼や家族ですが、同じく少しでも早く安心して復興作業が進められる環境が整うこと、そして1つでも多くの地雷が撤去されることを願います。

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今回の洪水の話をお伝えしだしてから、今までにも増してたくさんの方からメッセージやお問い合わせをいただきます。ブログを読んでくださり、それからお便り、お問い合わせをありがとうございます。まだお返事をお送りできていないみなさん、ごめんなさい。順番に必ず返信させていただきますので、少しお時間をいただけるとうれしいです。

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あまり日本では注目されることのないクロアチアやセルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、バルカン半島ですが、ここでは「日本」を知らないという人はおらず、「日本からきた」と言うと、うれしそうに自分が日本について知っていることを得意げに話してくれる人たちがいます。

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あまり詳しく知らなくても日本について関心をもち、日本で地震や自然災害があれば、隣国のことのように心配してくれるここの人たちの国を(今回の洪水被害の件も含めて)少しでもたくさんの日本の人たちに知っていただければ、もっと興味をもっていただければ、すばらしさ、いろんな面をお伝えできれば。。。など私ごときが僭越ながら、そんな思いを胸に(自己満足の世界かなぁ・・・なんて思いながらも)日々ブログを更新させていただいています。

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そんな中、このようにブログ等を通して、たくさんのすてきな方からメッセージをいただく度、ご縁がある度に「書いていてよかった!」という気持ちになります。今回家族が洪水被害を受けた件も、戦争の話も書こうかな、ちょっとプライベートな話だしどうしようかな。。。と思っていると、家族が「もっとボスニアやクロアチア、セルビアについて日本の人に知ってもらえるなら」と言ってくれたので書くことにしました。

132.jpg

(また村やボスナ川に平和が戻ることを願って・・・)

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今回の洪水の大被害。戦争の傷跡が思わぬかたちで、再び開くこととなってしまいました。
少しでも早く復興が進むこと、また人々に笑顔が戻ってくることを願うばかりです。

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ところでここ数日、いただくご質問の中で「近々旅行に行く予定ですが、安全ですか?大丈夫でしょうか??キャンセルにした方がいいでしょうか?」とのご不安の声がたくさんあります。やはり色々と読んでいると心配になってしまいますよね。。。

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ですが、クロアチアやスロベニア、そして今回特に大きな洪水被害がでているボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビアでも、主な観光地は特に被害や影響はなく、安心して観光していただける状態ですのでご安心ください!
クロアチアのプリトヴィッツェ国立公園もまだ観光できる箇所に制限はでているものの、これから徐々に状態は落ち着いてくるものと思われます。クロアチアのアドリア海沿岸の街もすっかり良いお天気で、これからアドリア海が1年で一番美しい最高のシーズンが到来します!
今日もザグレブは真っ青な空が広がり、お昼やTシャツでもじゅうぶんなくらい暑い日ざしのお天気でした。またできるだけこまめに、このブログでも情報をアップしてゆけるように努めます。

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カテゴリー お知らせ 自然・風景
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      ザグレブ特派員
      小坂井 真美
      学生時代にクロアチアに魅せられ、4年間で10回以上の渡航・短期滞在を繰り返す。2012年秋にザグレブに移住、現地より様々な情報を発信中。 クロアチア旅行に参考になる情報からザグレブでの生活模様まで、「アドリア海の真珠」 と呼ばれる美しいこの国を少しでも身近に感じていただけるようなお話をお伝えしてゆければと思います。個人ブログでもザグレブより色々発信中。
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