「ありがとう日本」バルカン半島洪水被害 日本からの援助も届いています

公開日 : 2014年05月21日
最終更新 :

先日からお伝えしているボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、クロアチアで発生している今回の大きな洪水被害。3カ国全土で100万人以上が被災しました。

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毎日ニュースを見たり、ボスニアの親戚から入ってくる情報のみで、家族の故郷の家がどのような状態になっているのかも憶測しかできず、もやもやと不安な日々が続いています。

唯一の救いは親戚家族が全員無事ということです。今回の洪水で亡くなった方は現時点で40名を超えていると報道されていますが、これ以上犠牲者がでないことを祈るばかりです。

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現在家族の家があるボスニアの村を含め、ボスニア・ヘルツェゴヴィナの今回の被災地では、多くの住民が家を離れ避難生活を余儀なくされています。無人となった村では非常に残念なことに空き巣被害もたんくさん報告されており、現在できるだけの防止策、そして何より安全対策として被災地の一部は立ち入りが制限されている状態です。

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家族も「いつボスニアに帰ろうか。。。早く駆けつけたい」と言いつつも、まだあと数日は水が引くまで時間がかかるよう。毎晩ボスニアの親戚と連絡を取り合って状況を確認していますが、今週末に行くことができればと考えています。

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中には水が引いたとしても病気のまん延を避けるために動物の死骸や大量の瓦礫などが撤去されてからではないと、立ち入りができない地域もあります。

いつもテレビで何かしら日本についてのニュースが流れてくるこに「日本についてこんなニュースがあったわよ」「(特に被害のないちょっとした地震でもクロアチアではよく"日本で地震があった"と報道されているので)日本で地震があったそうだけど、大丈夫?」など、日本関連のニュースを耳にする毎にテレビで見聞きしたことを教えてくれる彼のお母さんですが、今日は家に帰ると「日本からの助けがボスニアに来たそうよ!ありがとう!!」と、とっても嬉しそうに教えてくれました。

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私自身が何をできたわけでもないので「ありがとう!」と言われてなんだかこそばゆい気持ちがしましたが、喜ぶお母さんの姿を見て心が温かくなりました。

ニュースやこのブログを読んでくださる方から、有難いことにたくさんの温かいメッセージをいただきますが、「こんなメッセージをもらったよ」「たくさんの方が心配しているよ」と家族やボスニアの友達に伝えると、「ありがとう。こんなに遠く離れた自分たちのことを心配してくれているんだ。」とみんな顔をほころばせます。メッセージをくださったみなさん、そしてこのブログを読んでくださっているみなさん、本当にありがとうございます!

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まだまだ安心して飲める飲み水が確保できていない人がたくさんおり、先日「地雷被害も懸念 洪水被害が拡大するバルカン半島」でもお伝えさせていただいたように、身の回りの物資が不足している状態です。また、今後水が引いても家に帰ることができず、引き続きたくさんの人が避難生活を余儀なくされること、町の復興、そして地雷対策など、課題が山済みです。

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そんな中被災地にはヨーロッパ諸国やトルコ、ロシア、アメリカ、そして日本など世界各国の政府、民間機関からぞくぞくと救助や支援物資が届いています。

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クロアチアでは日本から援助が届いていることも報道されています。

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■24Sata(クロアチアの報道機関)の記事"U Doboju našli više od 20 tijela, pomoć u BiH poslao i Japan" (ドボイでさらに20名の遺体を発見。ボスニアへの援助は日本からも)

日本政府がボスニア・ヘルツェゴヴィナの被災地へ、約7,8125ユーロ相当(約1000万円)のマットレス、水タンク、発電機、寝袋などの援助を送ったこと、そしてボスニア・ヘルツェゴヴィナの日本大使館が支援声明を発表したことが報道されています。

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■HABER(ボスニアの報道機関)の記事Izetbegović: "Najveća podrška Japana uslijedit će nakon poplava"(イゼットベゴヴィッチ氏「日本からの最大の支援は洪水後に」)

日本政府から今後のこのような洪水被に備えた救助専用車が寄付されること、そして今年中に被災地の支援(特に地雷撤去のため)として約1億2000万円の支援金が送られる予定と報道されています。

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クロアチアでは東日本大震災が発生した際、首都ザグレブではちょうど大規模な反政府デモが行われていた時期だったのですが、デモ隊がザグレブの日本大使館前で黙祷をささげた光景が日本のネットでも反響を呼びました。あの震災が起きてから毎年、ザグレブの大聖堂では東日本大震災犠牲者を追悼するミサが行われています。

またセルビアやボスニア・ヘルツェゴヴィナからも東日本大震災に際して、たくさんの支援が日本に送られてきました。

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国、言葉や民族が違っても、遠く離れた土地の人々のことを思いやり、助け合う人々の姿を目にする、私ができることなんてほんのわずかですが、「自分も何かしたい」という気持ちで更にいっぱいになります。ひとりひとりができることは限られていても、たくさんの人が集まると大きな力となりますよね・・・!家族の故郷の村でも今後水が引いた後の様々な処理(自分たちの家の片付けも含め)の人手不足が予想されるとのことなので、まずはできるところからはじめようと思います。

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「募金できるところを知りませんか?」というお問い合わせくださる方もたくさんいらっしゃいますが、日本からのクロアチア宛への公的機関の募金窓口は現時点で私が調べた限り見つけることができませんでした。

現在、在日セルビア大使館ではセルビア洪水復興支援募金を受付しています。(詳しくはセルビア共和国大使館のHPをご確認ください)

AMDAというNPO法人ではボスニア・ヘルツェゴヴィナの被災者に対する支援の募金を受け付けています。

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1日でも早い復興を祈ります。

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