No.91フランス国鉄ピアノコンクール結果発表!2/11セレモニーレポート

公開日 : 2015年02月13日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

 No.88 に書いたように、2014年9月に募集が始まったフランス国鉄駅のYAMAHAピアノ演奏録画によるコンクールの最終審査発表が、昨日2月11日パリで行われました。

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 最初はSNCF駅での開催を予定していたそうですが、先月のテロ事件後、厳重になった警備に更なる負担をかけないため、パリ東駅近くのライブ会場New Morningで開かれる運びとなりました。

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開会前の会場の様子

 集まったのは、一次審査を突破した43人と、報道関係者。また、主催のSNCF、協賛YAMAHAのそれぞれの代表者たち。

 テレビやラジオで司会者としても活躍している音楽家André Manoukian(アンドレ・マヌキアン)の司会により、セレモニーが進められました。

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 アンドレ・マヌキアンは、最終審査に関わったそうで、その時の印象を、「笑い、感動し、涙を流すという、恋愛で経験するすべての感情を味わいながら、(ヴィデオを)鑑賞しました」と述べていました。

 審査の様子を収めたショートフィルムも流されたのち、いよいよ結果発表。第一位から発表されていきます。

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 第一位は、12歳の少年の弾く、難解なリズムのジャズ・ミュージック。マヌキアン曰く、「この曲は難しい、特に一人で表現するのは至難の曲なのに、すばらしい」とのこと。

 名前を呼ばれたジャン君。12歳とは思えないはきはきとした爽やかな受け答えでその場の参加者、皆が好感をもった様子。乞われて、のびのびとその場でピアノを披露してくれました。投稿ヴィデオにまた一味自分のアレンジを付け加えての演奏に大きな拍手。

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 続いて、第二位は、10歳のノアちゃん。ピアノがとても好きで、週末は4,5時間弾いているそうです。口数は多くありませんでしたが、ピアノに向かうと、その小さな身体からは思い描けないくらいの強く滑らかな音が流れ、みなそれに聞き入りました。投稿ヴィデオとは全く違うタイプのクラシックを弾いてくれました。

 三位は、女性二人組の連弾。演じながら弾くというオリジナリティが評価されたようです。

 四位は、視覚障害を持つ19歳の青年。ブギウギをエネルギッシュに弾くヴィデオの様子からは、とてもそんな障害を持つようには見えません。彼にも、参加者全員から、温かい拍手が寄せられました。

 最後に受賞者全員での記念撮影。

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 これら5人の演奏ヴィデオ(応募時のもの)は、こちらで視聴できます。

 そうして、最後を締めくくったのは、フランス人歌手Arthur H(アルチュール・アッシュ)のミニ・コンサート。「いやぁ、ピアニストばかりに囲まれて弾くのは緊張するなぁ」と、笑いを取っていましたが、やはりプロですね。自分の身体の一部のようにピアノと戯れながらのトークと、高低変化自在な声の歌で魅せてくれました。アルチュール・アッシュ自身もリモージュの駅に設置されたピアノを弾いているときにインスピレーションを受けて作った曲があるそうです。

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アルチュール・アッシュ

 駅の構造は教会にも似ていて、音楽家の目から見ると、音響効果も良いそうです。これを機会に、「一駅に一台ピアノ」の時代が来ると嬉しいですね。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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