どうする病床不足!? コロナ禍のウィーン市内病院の貴重な内部をお見せします!

公開日 : 2020年11月16日
最終更新 :

新コロナウイルス感染者数が増え続け、先週土曜日に、政府による新たな規制措置が発表されたオーストリア。病床利用率が上がる一方で、緊急の際にはどの患者を優先して救えるか、医師たちの判断で選択しなければならない過酷な状況に陥っています。

集中治療室では、実際に集中治療の訓練を受けたことのない人員が臨時的に配置されたり、感染症科のない病院に新型コロナウイルス感染症科が特設されたりしています。

私の夫は医療従事者。夫の働くウィーンの病院は感染症専門ではありませんが、今年2020年の春と同様、現在臨時的に感染症科が設置されています。今回は、オーストリアの病院の貴重な内部を紹介します。

ここは病院の入口。職員、患者、そして来院者別にしっかりと出入りが分けられています。

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院内に入るとすぐに、サーマルカメラで来院者の体温を検知。熱に反応すると信号が赤になり、発熱者を逃しません。

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外でのマスク着用規制が緩いオーストリアでも、病院内はもちろん着用必須。リフト内も職員同士、間隔を空けます。

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患者はできる限り各部屋で過ごすことが条件になっています。

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規制が強化される明日、11月17日からのロックダウン以降の病院見舞いは、1週間以上入院している患者に対してのみ、1週間に一度と定められています。廊下はほとんどナースや医師の行き来のみ。

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コンタクトレスのこのご時世、オーストリアでは当たり前の挨拶時の握手は一切なし。これは「握手をしないのは無礼ではなく気配りの証。代わりにスマイルを!」とのユニークな貼り紙。

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他にも、ドイツ語と英語の両方で記載された院内ルールが所々に貼られています。

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こちらは新型コロナウイルステスト。長い綿棒を鼻の中に入れ、15分後には結果の出るクイックスメアテストです。

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職員はメガネとマスクで顔面をしっかり保護。

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そしてこちらは病院の二人部屋。

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オーストリアでは頻繁にあるキリスト教系の病院なので、部屋の中やカフェテリア内には十字架がかけられていることも。日本では見られない光景です。

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16時30分と早い時間の夕食メニュー。サラミとは驚きですが、他にも、お世辞にも健康的とは言えないカイザーシュマーレンアプフェルシュトゥルーデルが病院食として普通に出るオーストリア。国によりけりですね。

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日本では新型コロナウイルス病棟で働く職員が「近づかないで」と驚きの中傷を受けたり、フランスでは看護師の離職率が上がる一方と、世界中で頑張っている方たちに関する悲しいニュースを聞く度、悔しくなります。今一番必要とされている医療従事者の皆さんを心から応援しましょう!

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Blog zu unserem Jubiläum. Tausend Dank an Antan. In Liebe, KVA

筆者

オーストリア特派員

雅碧 Léontine

大学卒業後は外務省に勤務した後、ドイツ・オーストリアに拠点を移し始める。現在はウィーンで翻訳業等に勤しみながら、オーストリア人の夫、愛娘たちとアクティブに暮らす。

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