No.533仏北部アルマンティエール、中世に起源をもつニユール祭!
フランス北部では、9月以降さまざまな伝統のお祭りが開かれます。
この地方(フランス北部からベルギーにかけて)の祭りの特徴には、大まかに言って、下の2点がよく見られます。
1)街頭でパレード(しばしば土地の「巨人」が参加)を見学する
2)高い位置(多くの場合、鐘楼)から投げたものをこぞって観客がキャッチする
投げるものは、人形、おたま、猫、魚など、さまざま。
UNESCOにも登録されているアルマンティエール(Armentières)市庁舎の鐘楼 © ville d'Armentières
【ワットルローのベルルーフ祭】
開催時期:毎年9月第2週末
【コミーヌのおたま歴史祭】
開催時期:10月第2週末
【ベルギー、イープルの猫行列祭】
開催時期:3年に一度の5月第2週末(次は2021年)
アルマンティエール市庁舎前に立つ鼓笛隊© ville d'Armentières
さて、フランス北部の町アルマンティエールの市庁舎のバルコニーから、毎年9月第2日曜に投げられるのは、ニユールと呼ばれるクッキーです。
一説によれば、1510年ごろ、アルマンティエールの領主であったリュクサンブール伯ジャック三世の時代、宴のデザートとして作られた小さなクッキーを民衆に配ったのが起源だとというこの祭り。そのまま Fête des Nieulles(ニユール祭)と呼ばれています。
フランス革命や、コレラの流行、また世界大戦などが理由で、そのたび数年ずつ中断されることはありましたが、いまもなお毎年市民が楽しみにしているお祭りです。
大まかな流れは、金曜日のニユール祭の女王選びに始まり、土曜日は、朝からフリーマーケット。夜は大規模な無料屋外コンサートが開かれます。そうして、すっかり盛り上がった日曜は、大道芸人を交えたパレードが町を練り歩き、夕刻、待ちに待ったニユールが、市庁舎のバルコニーから投げられるというもの。
大道芸人も活躍するパレード© ville d'Armentières
同市観光局のホームページには、傘をさかさまに持って、ニユール・キャッチを図る人々の写真が載っていて、なるほど、こうやれば、クッキーも割れずに受け止められるのか、と納得しました。その写真はこちらから。
今年の開催は、9月14-15日の週末。
2019年度版の主なプログラムは下の通り。
9月14日(土)
8時~17時:Jean Jaurès通り、Lille通り、Dunkerque通りにて。
ブラッドリー(フリーマーケット)
13時15分~16時:St Vaast広場にて。
公開オーディション
16時:Général de Gaulle広場にて。
ニユール祭の女王の戴冠式
20時~:St Vaast広場にて。
野外コンサート
ニユール祭の女王たち© ville d'Armentières
・
9月15日(日)
14時半~:町の中心を14時半ごろ出て、Général de Gaulle広場が終点。
大パレード(*今年は、Lille3000エルドラドに合わせたテーマで行います)
18時頃:市庁舎にて
ニユール・キャッチ
パレードの見物、ニユールキャッチへの参加などはすべて無料です。お近くの方、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。