No.229フランス北端アルマンティエールの祭と、ダニー・ブーンの話
以前も書いたように(No.150)、フランス北部のお祭りには、一定の形式があります。
欠かせないのは、
・ファンファーレ付きのパレード
(巨人(ジェアン)のいる町では、巨人もパレードに加わります)
・鐘楼から何かを投げる
の2点。
アルマンティエールの鐘楼
そのパターンに見事あてはまるお祭りが、今週末(9/12-13)フランス、リールの北西、ベルギーとの国境をなす町Armentières(アルマンティエール)で開かれます。その名もFête des Nieulles(ニユール祭り)。
鐘楼から投げられるのは「ニユール」。
「ニユール」、私も知りませんでしたが、中世の頃はパンの一種を指したようですが、今ではクッキー。レシピを見ると、素朴な味のもののようです。こちらのサイトにアルマンティエールのニユールのレシピと写真がありますので、気になる方はご覧ください。
ニユール祭りでは毎年75000のニユールが配られるそうです。
北の国境の町の例外に漏れず、アルマンティエールも二度の大戦で大きな被害を受けました。特に第一世界大戦では、町の中心であるグラン・プラスは、壊滅状態に。
今ある広場と美しい市庁舎、聖ヴァースト教会は、その後再建されたものです。この市庁舎の鐘楼も、UNESCOの世界遺産に登録されています。(世界遺産の鐘楼についてはNo.202もご参照ください)
ニユール祭りでは、9/12(土)朝から町中のフリーマーケットを始め、いろいろな催しが予定されており、夜20時からは、複数アーティストによる無料コンサートが町の真ん中で開かれます。
翌9/13(日)14時半からはパレード。にぎやかにファンファーレや道化が町を練り歩き、18時には、鐘楼からニユールが投げられる予定です。
お近くの方は、ぜひ参加してニユールを獲得してきてください。
アルマンティエール、聖ヴァースト教会
そうそう、ちなみにアルマンティエールは、No.43 で紹介した映画『シュティの地へようこそ(Bienvenue chez les Ch'tis)』の監督(および脚本、男優)のダニー・ブーン(Dany Boon)の出身地です。
コメディアンでもあるダニー・ブーン、最近、Youtube配信を始めたことがニュースになっていたので、見てみました。アップされているのは、いわゆるワンマンショーですが、話が主体。日常の何気ないことを面白おかしくスケッチ(小話)にしてあり、動きもありますが、日本の落語のように一人で何役もやってのけ、2,3分聞いただけで抱腹絶倒、涙が出るほど笑わせてくれます。
人気が高く、舞台はすべて、随分前から満席になるという話もうなずけます。フランス人の好きな芸能人アンケートでも常に上位に選ばれる好感度の高い人物でもあります。
アルマンティエールへ行かれたら、ダニー・ブーンのことも思い出してみてください。
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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