並んでも飲みたい! シンガポールで大人気のタパスバー、「Esquina」

公開日 : 2014年09月29日
最終更新 :

シンガポール人のグルメな知人から、「絶対にお勧め!」と教わった、「Esquina(エスキーナ)」に行って来ました!

予約を受け付けないことから、暑さに負けず連日大行列のタパスバーですが、ちなみに狙い目は2階席。お昼限定で予約を受け付けているので、予定が決まったらすぐにおさえておきたい所。

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(注・お昼の営業時間が終わった時間帯なので、まだ行列はありません)

こちらは、ただのバーではなく、ロンドンのミシュラン星つきレストラン、「Pollen Street Social」のジェイソン・アサートンシェフがプロデュースした、美味しい料理とお酒を気軽に楽しんでほしいというコンセプトのお店。「タパス=小皿のちょっとしたおつまみ料理」というイメージをくつがえす、本格的なお料理を楽しめます。

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調理場はすべてオープンになっていて、カウンター越しにきびきびと動くシェフの動きを見ながらできたてをいただける仕組みになっています。カウンター越しだけに、調理する側も気を抜けない真剣勝負。そのキッチンを任されているのが、アイルランド出身の、「アンディー」こと、Andrew Walsh(アンドリュー・ウォルシュ) エグゼクティブシェフ。自らも料理をしながら、電光石火のごとく6人のシェフに指示を出す、そんな活気あふれる雰囲気を感じながらいただくお酒は格段の美味しさで、行列にも納得です。

特にお勧めしたいのが、スペインと言えばはずせない、サングリア。(Mordern&Classic Sangria、14シンガポールドル)

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下の部分はライチ、オレンジ、ピーチなどを漬け込んだクラッシックなサングリア、そして上にはふんわりとした赤いベリーのフォームが載った「現代風」のアレンジ。フルーティーでアルコール度も控えめなので、最初の一杯にも良さそう。

そして、気になるメニューは、Soil(土=野菜)、Sea(海=シーフード)、 Land(大地=肉)という風にジャンル分けされていて、自然の恵みをそのままいただくというコンセプトが感じられます。

まずはアミューズ代わりにSnacks(軽食)メニューから。朝食という名前ながら、昼と夜に楽しめる、"Mini Spanish Breakfast" (10シンガポールドル)。かわいらしい卵の殻の中に、マッシュルーム、スクランブルエッグ、ケチャップ、ポテトのムースと、朝食の食材が層になって入っています。

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ふんわりとしたクリーミーなポテトのムースに、卵のコク、ケチャップの酸味、マッシュルームの香りがあいまって、一匙ごとに違った混ざり具合が楽しく、あっという間に食べてしまいました。

続いては、Soil,野菜のメニューより、鮮やかな色合いのビートルートと、シンガポールで今大人気のフレッシュチーズ、ブッラータチーズを使った前菜、"Salt-baked beetroot,whipped burrata,truffle honey, raspberry & pinenut crumble" (20シンガポールドル)。

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薄切りのビートルートにはさまれた滑らかなブッラータチーズにトリュフの香りがよく合います。添えられた紫蘇の芽と一緒に食べると、ビートルートの濃い紫色の香りが引き立ちます。ビートルートの甘みを強調する蜂蜜、香りを強調する紫蘇。そして、刻んだり、ピューレにしたりと、様々な食感も味わえ、ビートルートの様々な味を多角的に引き出したメニューです。

そして、Seaからは私の大好きなウニを使った一皿。"Sea Urchin& crab bisque sea grapes & smoked herring roe" (18シンガポールドル)。

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北海道産のウニの香りの、クリーミーなカニのビスクの中には、カニの身とニシンの卵、そして海ぶどうが。海ぶどうとニシンの卵は、見た目が似ていますが、噛むと食感や香りの違いが楽しめます。柔らかいカニの身がたっぷりと入り、ウニの香りとよく合います。一日の仕事が終わった後、ホーカーズでチキンライスや麺を食べるのが楽しみ、というアンディーシェフは、地元の食材も積極的に取り入れているそう。このカニのビスクにも、甘みを引き出す為に、自ら、チャイナタウンをくまなく探しまわって見つけたと言う、最上級の海老をペーストにして使っているとか。

Landからは、"Roasted Duck Breast, spiced pineapple,barbecued duck hearts,hazelnut&baby gem" (34シンガポールドル)

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こんがり焼かれたダックは、とてもしっとりと滑らかな食感の、完璧な火入れ。甘いヘーゼルナッツのプラリネのナッツ感がよく合います。南国らしいパイナップルは、スパイスにつけた後表面が少し焦がされていて、エキゾチックな印象です。ダックの心臓は臭みなどはまったくなく、プリッとした食感とコクが感じられます。パイナップルとヘーゼルナッツという、甘みのある食材とダックの相性が抜群で、シンガポールのイメージにも合う一品でした。

デザートには、ちょっと変わったポップコーンを使ったデザート、"Popcorn milk,chocolate mousse,hazelnut& burnt orange" (15シンガポールドル)を。

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仕上げに、ポップコーンの形のように表面が泡だって、スイートコーンの香りがするミルクをかけていただきます。

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滑らかでややビターなチョコレートムースと、優しい甘さのポップコーンミルク、しっかりしたカリカリ感のあるヘーゼルナッツと、軽い歯ざわりのポップコーンの対比が楽しい一皿です。軽く表面をあぶったオレンジが、程よいさわやかさで全体を引き締めていました。

この他にも、シンガポールのローカルフードにインスパイアされた、"Coconut rice with scallop and duck curry"など、シンガポールならではのメニューもあります。

毎日16時間も厨房に立ち続けるアンディーシェフに、シンガポールでシェフをする事の楽しさをお聞きした所、世界中の人が集まり、ローカル料理もインターナショナルな料理も豊富なシンガポールから、常に刺激を受けているし、そういった身の回りのものを全て吸収して料理を作って行く事がとても楽しいと言う事でした。

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実際、アンディーシェフのクリエイティビティーはとどまる所を知らず、常にメニューが変わり、「新しいメニューを印刷し直すのが大変」と、スタッフは嬉しい悲鳴だとか。

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また、ご紹介した「ウニ」に限らず、日本の食材や調理法には大きな影響を受けているそうで、メニューには、「柚子」や「出汁」などという単語も並んでいます。和食の、食材の味を生かした、雑味がなく軽い味わいは、アンディーシェフの目指す料理とも共通しているそう。「料理で大切なのは、テクスチャーとバランスの精度」というアンディーシェフ。様々な食感や要素が共存する繊細な料理を、リラックスした雰囲気でいただける、貴重なお店です。

ちなみに、お昼に予約可能な2階のテーブル席は、シェフのリビングルームをイメージしたと言う、アンティークのコレクションが並んだ、素敵な空間です。

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カウンターよりもゆったりとした作りなので、くつろいで食事を楽しみたい、という方にお勧めです。そして、お昼はご紹介したメニューも一部入っている前菜、メイン、デザートの3コースで45シンガポールドル(税・サ別)ととってもお得。初めて訪れるけれど、どんな味か試してみたい! という方にもお勧めです。

また、金曜と土曜の夜には、アンディーシェフを囲んでの「サパークラブ」という会も行われ、週変わりで、メニューにない特別なお皿も出てくるとか。

「タパス」というイメージを超えて、様々な楽しみ方の出来るEsquina、美味しい食事とエネルギッシュな空間を楽しみながら、お酒を飲みたいという方にお勧めです!

<DATA>

■Esquina

営業時間:ランチ 12:00〜14:30 (平日のみ)、ディナー 18:00〜22:30 (日曜休)

住所:16 Jiak Chuan Rd, Singapore 089267

TEL:+65 6222 1616

URL: http://esquina.com.sg/

アクセス:MRTアウトラムパーク駅から徒歩9分程

<お勧めレストラン一覧>

筆者

シンガポール特派員

仲山今日子

趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。

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